kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

参院選で野党にのしかかる「国民民主党」という「下ブレ要因」

 下記のツイートを目にした。発信者は国民民主党の支持者らしい。

 

 

 「安倍総理の振る舞いが原因で」というのが意味不明だが、国民民主党が野党の下ブレ要因になっているのは間違いない事実だ。その元凶は小沢一郎前原誠司にある。彼らが2017年の衆院選を前にして小池百合子とつるんで「希望の党」立ち上げにかかわったことが、今回の参院選で大きな負債となって野党にのしかかっている。

 人間の本質は権力闘争にある。当時の「希望の党」は衆院選での議席数で立憲民主党に負け、あとは何回やっても選挙で勢力が縮小するのはわかり切っていたのに、当時の衆参の議席の数(=当時の希望の党民進党議席数合計)を頼りに、野党第一党の座に固執した。それが枝野幸男の野望と衝突したのはあまりにも当然だった。

 枝野の側から見れば、旧希望の党(現民民)と妥協しても、彼らに党内で一定の権力を持たれてしまうばかりか選挙にも悪影響を及ぼすから、一歩も退くことはできない。得することが何もないからだ。結局、国民民主党が惨敗する選挙を経なければ決着がつかなかった。やっとやってきたその機会が今回の参議院選挙だ。予想通り、各メディアの情勢調査で国民民主党の惨敗が予想されている。

 これを安倍晋三の側から見れば、もし安倍が衆参同日選挙を仕掛けていれば、国民民主党の惨敗は衆院選でも確実に見られたはずだから、そのボーナスの機会を安倍は棒に振ったことになる。しかし、現実には安倍は解散権を温存した。この結果、「いつ衆院選があってもおかしくない」危機感から、国民民主党参院選後の早期に解党を余儀なくされるはずだ。もはや立民を押しのけて野党第一党になる可能性は完全になくなるから、そういう経緯をたどらざるを得ない。解党した民民の議員が個別に立憲民主党に参加する形で最終的に決着するだろう。

 当然民民の連中は、知名度のある玉木雄一郎を除いて冷や飯食いを余儀なくされるし、玉木とて当面は実権のないポストに就かされるだろう。人間集団の権力闘争とはそういうものだ。

 ところで前原誠司だが、彼は最終的に立憲民主党入りすると思う。枝野とは腐れ縁があるからだ。私はそれをやったら本格的な「立憲民主党の終わりの始まり」になると思うが、既に蓮舫山尾志桜里を受け入れた枝野ならやってしまうのではないか。 

 ただ小沢一郎だけは立憲民主党入りはしないだろう。無所属の議員として政治生活を終えると思う。小沢が次の衆院選に出馬するかどうかはわからない。

 先の衆院選を前にした小沢一郎前原誠司の妄動は、それほどまでにも罪深かったということだ。

 旧民主・民進系の迷走はまだまだ続くだろうと思う今日この頃。

「MMTの論客」であるらしい池戸万作の2次元ダイアグラムは理解不能

 池戸万作と名乗る人がいて、山本太郎に影響を与えたとかいないとかいう話を聞いたのは先月だったが(そもそもこの人のTwitterサイトが開設されたのは先月のようだ)、この人のツイートを見てぶっ飛んでしまった。

 

 

 上記ツイートに示された2次元ダイアグラムで、左上が「緊縮リベラル派」の括りにされていて、そのすぐ下に「北欧至上主義者 高福祉高負担社会」とある。

 ここがそもそも理解不能だ。

 私はずっとこの日記で、「『緊縮』って『緊縮財政』の略語だよね?」と書いてきた。それへの反応はほとんどいただいていないが、要するにこの主張に対する反論は全くいただいていないということだ。「反論がなければ合意」だと私は勝手に考えている。

 しかるに池戸万作は「高福祉」は「緊縮」なのだという。「高福祉」社会では、福祉や社会保障への政府支出が増えるから、私の理解によればそれは「緊縮」ではない。「高福祉」の財政政策は「大きな政府」に該当するから、それは緊縮ではあり得ない。

 現在の問題は、その財源が消費税に偏重してしまうと、消費を冷やして「高福祉」の効果を相殺してしまうことにある。だから、「累進制の緩和や租税特別措置の濫用によって抜け穴だらけになってしまった直接税の税収をまずは是正して、直接税の税収を増やせ。間接税(消費税)の話はそれからだ」という論法で、安倍自民党が公約している今年10月からの消費税増税に反対している。

 しかし、池戸万作の意見は全くそうではないらしい。「高福祉高負担」社会が「緊縮」だとするなら、池戸は「小さな政府」を理想としているらしいことが推測される。だとすれば、池戸は私の分類によれば「新自由主義者」のカテゴリに属する。

 困ったことに、ネットではこのような主張に手放しで追随する向きが多いらしい。

 MMT派の全部が池戸のような主張をしているとは私は思わない。おそらく「MMT右派」と「MMT左派」とが存在し、池戸は「MMT右派」に属するのではないか。私は少なくとも「MMT右派」は全く支持しないし、もし山本太郎がそれにかぶれているとすれば、早く離れた方が良い。私がこの界隈の議論を覗く機会は少ないが、直観的にそう思う。

 各種メディアの世論調査では、山本党の予測議席朝日新聞の「中心値1議席・最大2議席」が最多で、他は「最大1議席」、中には「中心値0議席」と予想するメディアも複数ある。私はできれば同党に2議席とってもらいたいが山本候補自身は落選してほしいと先日書いた。その意見は今も変わらない。

 その理由の一つとして、この池戸万作のような、私を含む世間一般の人間には全く理解できない議論が狂熱的に語られてその一部が暴走していくのに乗っかりかねない危うさが山本候補に感じられることが挙げられる*1

 一時の熱狂が政治や社会に限りなく大きな悪影響を与えることは、ナチスドイツや大日本帝国の歴史が示す通りだ。

*1:他には山本候補に右翼民族主義的な傾向が若干あることが懸念される。これも毎度書いている通り。

参院選をめぐる2つの朝日新聞記事

 先月半ばあたりから、肩や腕の調子が悪くてなかなか思うようにブログが更新できないのだが*1参院選をめぐる朝日新聞のダメ記事と良い記事が話題になっているので軽く取り上げる。

 

 まず批判されているダメ記事から。上西充子氏のTwitterより。

 

 

 新聞社でも政治部は概して保守的だから、その政治部の次長だったらこんな記事も書くよなあ、というのが私の感想。

  一方、「よく書いた」と言われているのが下記記事。

 

https://www.asahi.com/articles/ASM775J0MM77UTFK009.html

 

首相「民主党の枝野さん」間違い連発 演説の定番に?

松山尚幹、吉川真布 

 

 参院選安倍晋三首相自民党総裁)が応援演説する際、立憲民主党枝野幸男代表を「民主党の枝野さん」と「言い間違い」をする場面が頻発している。その後に「毎回、党が変わるから覚えられない」などと「釈明」を加え、演説の定番文句になりつつある。

 4日の公示以降、首相の「言い間違い」と「釈明」を最初に確認できたのは、6日午後の滋賀県草津市での街頭演説。「野党の枝野さん。民主党の、あれ民主党じゃなくて今、立憲民主党ですね。どんどん変わるから覚えるのが大変」と話すと、聴衆から大きな笑いが起こった。同日夕の大阪市内での演説でも「この前、民主党の枝野さんと討論、民主党じゃないや」と述べた。

 翌7日は、千葉県内と東京都内で行った計6カ所すべての街頭演説で同様に「言い間違い」をして、聴衆の笑いを誘おうとした。

 首相の「言い間違い」は毎回、介護や保育の現場で働く人の待遇改善を訴えるくだりで出ている。枝野氏が保育士の待遇改善を訴えていることに言及し、「3年3カ月で全く待遇は改善されていないどころか、1・2%下がっている」などと、かつての民主党政権を批判している。(松山尚幹、吉川真布)

 

朝日新聞デジタルより)

 

 朝日の松山尚幹、吉川真布両記者は、安倍晋三は「言い間違」えているのではなく、わざとやっていることを暴露したわけだ。これはもちろん良い記事だと思うが、「焼け石に水」の感は否めない。

  少し前にも、毎日新聞が国会で三原順子が発した虚言の「ファクトチェック」をやっていた。三原は「民主党政権時代には年金支給額は減ったのに、安倍政権下で年金支給額は増えた」と言ったのだが、事実は安倍政権下で年金支給額は民主党政権時代よりももっと多く減っていたのだった。

 ただ、毎日新聞はこの記事を「有料記事」にしたために、三原が虚言を発した事実は全然世に広まっていない。

 先日、TBSの党首討論会でキャスターの小川彩佳が示した、野党党首たちを貶めた謎の冊子にしても、あれを示したのはTBSくらいのものだったらしい。これもネットではよく知られているが、一般にはほとんど知られていないと考えるべきだ。『news23』の視聴率は4%程度しかない。

 ところで、現在のメディアの腰の引けぶりについてだが、これはもはや読者や視聴者のニーズに合わせていると考えなければならない。

 思い出されるのは、公文書の改竄が暴露された昨年3月の一時期、あの『夕刊フジ』が一時安倍政権批判に舵を切ろうとした時期があったことだ。おそらく同紙の編集部は、これはもう政権は保たないと判断したのだろう。しかし、1週間ほどあとにはもとの野党批判・中韓批判で売るスタイルに戻った。おそらく安倍政権批判が読者に不評を買ったのだろう。

 このように、もう昨年あたりから日本国民一般の相対的多数がマスメディアに「政権擁護の報道をせよ」と圧力をかける状態になっていると私は認識している。戦争中に毎日新聞朝日新聞が競って戦意昂揚を煽ったのも、そういう記事を書く方が新聞が売れたからだ。つまり、日本国民が新聞を転向させたと言っても過言ではない。

 このあたりの転向の過程は、数日前に読み終えた半藤一利の『戦う石橋湛山』(ちくま文庫)が鮮やかに描いていた。

 

www.chikumashobo.co.jp

 

 この本の単行本初出は1995年だったが、1995年よりも今読まれるべき本だ*2。本によると、陸軍による政治家や新聞などへの工作は粘り強く続けられた。最初に転向したのは犬飼毅や鳩山一郎などの政友会の政治家であって、彼らは1930年の「統帥権干犯」問題で自ら政党政治の首を絞めた。これに続いたのが毎日・朝日の二大紙であって、両紙は1931年の満州事変前後に転向したのだった。戦争を実際に起こすことは、軍部(や右翼政権)にとって世論を味方につける大きなアクションになる。ひとたび転向すると、読者からの圧力によってメディアはもとに戻ることができなくなる。ことに、歴史的に御用新聞の伝統があった毎日と比べて、大正時代にリベラルな論説で売っていた朝日は、毎日が戦争煽動で部数をどんどん拡大するのに、同じ方向性で競ってしまったことが最大の失敗だった。

 今もそれに近い状態にある。

 私は以前この日記に、もう安倍政権が消費税増税を予定通り行っても参院選自民党が勝つとの計算が成り立つ、だから消費税増税は予定通り行われるだろうし、同様に衆参同日選挙という手段によらなくても自民党は勝てるから解散はしないのではないかと書いた。その通りの展開になっている。

 だからマスメディアの世論調査で自公優勢との情勢調査結果が出ても驚きはなかった。しかし、そんな私でも共同通信の情勢調査には暗澹たる気持ちになった。朝日や毎日の調査では、自公維の3分の2確保は微妙だという結果になっていて、両紙はそれを見出しに打ったが、東京新聞などの地方紙に掲載された共同通信の予想は、朝日や毎日よりも与党の予想議席が多く、その数を足し合わせると、あの2013年の結果よりもさらに自公維の議席が増えてしまうのだ。

 いくらなんでもそれは阻止しなければならない。

*1:この状態は休日にも仕事のための調査を強いられる生活に起因している

*2:但し、リベラル・左派系の人は、著者の半藤一利保守系の人であることに留意する必要がある。私には、抵抗なしには読めない箇所がいくつかあった。

現元号と「××ノミクス」を「NGワード」とする理由

 この日記には 「NGワード」がいくつかある。現元号や「××ノミクス」、それにプロ野球読売ジャイアンツの日本語の愛称などだ。読売軍がついにセ・リーグの独走を始めたことは「最悪の事態」の一語に尽きる。5月にはヤクルトの大没落と広島の大躍進があったが、6月の交流戦開始以降は広島の大没落とヤクルトの続落、それに読売の躍進があり、これらを総計すると、ヤクルトの大大没落、広島の差し引きゼロ(実際、広島は昨夜阪神に敗れてついに貯金が底を突いた)、それに読売の躍進になる。5月も6月も改元後。全くの偶然だが、改元と同時にセ・リーグの悪夢が始まった。

 以上は前振りだが、私が現元号NGワードにするのは、そもそも天皇制に反対していることもあるが、何よりも事実上安倍晋三が決めた元号だからだ。「××ノミクス」も安倍の名前がついているからNGワードにしている。不況時に財政出動とともに金融緩和を行うのはごく普通の経済政策であって、そんなものに忌まわしい人名が冠されてはたまらない。しかし現実には、政権批判側まで「××ノミクス」なる呼称を使う。今も髪を紫に染めているのかは存じ上げないあの方が「アホノミクス」と呼ぶことでさえ、安倍の名前を連想させる点で安倍晋三を宣伝しているようなものだ、と書いたのはもう6年前のことだったと記憶する。

 第2次安倍内閣発足の4か月後に、「2012年12月の第2次安倍内閣発足によって戦後日本の『崩壊の時代』が始まった」と喝破したのは坂野潤治だったが、その指摘は正しかった。その確信は強まる一方だ。下記『広島瀬戸内新聞ニュース』の記事を読んでも坂野の指摘が思い出される。

 

hiroseto.exblog.jp

 

今は、間違いなく「戦後」でもなければ、「(新たな)戦前」でもない。「戦中」である。
安倍晋三第二次世界大戦の頃の東條英機昭和天皇くらいの権力はある。明治憲法の総理大臣は弱かったが、今の総理大臣は、おそらくアメリカ大統領よりも上の権力を持っている。三権分立がろくに機能していないこと、小選挙区制を軸とした選挙制度で総裁=総理の権力が絶対化していること、内閣人事局などが背景にある。安倍晋三の現況は、むしろ、後醍醐天皇あたりが近いかも知れない。
「戦中」といっても、第二次世界大戦のころまでのように「やあやあ我こそは」で正々堂々、国民国家同士がぶつかり合う戦争ではないからわかりにくいだけだ。
もっと言ってしまうと、安倍ジャパンの場合、自国民に対して経済制裁、戦争を仕掛けているとも言える。沖縄に対しては完全に戦争を仕掛けていると言って良いだろう。
そして、超大金持ち、超大手企業以外の日本国民には「経済制裁」。そして、外国人労働者は「徴用工」代わりだ。
高齢者も働かざるをえないが、これは第二次世界大戦の特攻隊に似てきた。労災続発である。五輪ボランティアは学徒出陣である。
そして、「天皇神聖にして侵すべからず」ならぬ「安倍晋三神聖にして侵すべからず」的な考え方が広まっている。一昔前の自民党政権支持者はそこまでではなかったろう。
人間というのは得てして、「このままでは危ない」と感づいているときにこそ、逆に、そこから目を反らし、権威にしがみつこうとしてしまうものだ。
 また今の日本の状態は、ある意味、ボクシングに例えれば、試合中はアドレナリンが出て、ぼろぼろになっていても痛さを感じないという状態だろう。
ひとたび、試合が終わる=安倍政権が終わると、緊張がなくなって、どっと痛みが出てきて、痛みで動きもとれないような状態になるだろう。いろいろなものが腐りきっており、それが安倍退陣でもっと可視化されることで「うわー!」ということになるだろう。
だが、そこから日本を再建していくしかないのではないか?
そしてそれに、特効薬があるわけではなく、近代国家として当たり前のことをまず回復していくしかないように思う。
日本は、75年前は「近代の超克」で自己陶酔しているうちに滅び.、現在は「日本スゲえ」で自己陶酔しているうちに滅びかねないと思う。

 

参院選、朝日の序盤情勢調査で「自公、改選過半数の勢い」。山本党は1議席(最大2議席)の予想

 朝日新聞参院選の「序盤情勢」を発表した。下記は有料記事だが、冒頭部分は無料で読める。

 

https://www.asahi.com/articles/ASM6X6DPRM6XUZPS023.html

 

自公、改選過半数の勢い 参院選朝日新聞序盤情勢調査

 

 21日投開票の参院選について、朝日新聞社は4、5の両日、全国の有権者を対象にした電話による情勢調査を実施した。取材で得た情報を合わせて分析すると、自民、公明の与党は改選議席(124)の半数を大きく上回る勢い。自民、公明と憲法改正に前向きな日本維新の会などの「改憲勢力」が非改選議席を合わせて、憲法改正の国会発議に必要な3分の2の議席を維持するかは微妙な情勢だ。

 調査時点では、投票行動を明らかにしていない人が選挙区で5割、比例区で4割おり、情勢が変わる可能性もある。

 自民は、選挙区で40議席前後…

 

朝日新聞デジタルより)

 

 記事には、各党の議席予想を表にした画像が貼り付けられている。

 

https://www.asahi.com/amp/articles/photo/AS20190705004450.html

 

 これを見ると、各党の予想議席は、自民54〜64(中心値59)、公明11〜15(同14)で与党合計では65〜79(同73)に達する。一方の野党は、立民17〜25(同21)、民民3〜7(同5)、共産7〜13(同9)、社民0〜2(同1)、山本0〜2(同1)*1となり、野党合計では「野党共闘」に不参加の山本党も含めて27〜49(同37)になる。この他に「ゆ党」である維新が5〜11(同8)と予想されている。相変わらず大阪では異常に強く、立民公認の亀石倫子候補は現在は非常な苦戦を強いられているようだ。私は当然ながらおそらくそういう情勢だろうと予想していたので驚きは全くないが、大阪のリベラル系の方の中には、そうした情勢予想に驚かれている方もおられるようで、例として下記のツイートを挙げておく。

 

 

 野党共闘のさる「軍師」は、情勢報道を受け手も「立民も共産も躍進基調だ」と強気を崩さない。共産党は実際高めの数字が出ているが*2、立民はどうだろうか。単に参院議員だから一昨年の小池百合子による「排除」騒動の対象外であったために改選議席数が少ないだけのようにしか見えない。

 比較されるべきは、立民と民民の合計である20〜32(中心値26)という情勢調査結果と、3年前の前回参院選民進党が獲得した32議席だろう。つまり、一昨年の「希望の党」設立劇で民進党が分裂したことによって、旧民主・民進系が弱体化したということだ。小池百合子の野望に乗っかってこの事態を招き寄せたのが小沢一郎前原誠司の2人であることは、絶対に忘れてはならない。ことに念仏のように「大きな塊」を唱え続ける小沢一郎が実際にやったことは野党を分裂させることだったのは、大いなる歴史の皮肉といえる。「大きな塊」にしなければならないと小沢らが考える理由は、衆院選小選挙区で勝ち抜くためだが、小選挙区制を軸とする選挙制度自体が間違いだったことを、ここ四半世紀の歴史ははっきり示している。

 山本党は最大2議席の予想だが、私はその上限である2議席を確保して同党が政党要件を満たすと同時に、山本太郎自身は情勢調査の通りに落選するのがもっとも望ましい結果だと考えている。山本党が2議席を獲得すれば、先日平河エリ氏がツイートした通り「国会の風景が変わる」。これはいずれ行われなければならないことであって、かつ松尾匡が「レフト2.0」と評したカテゴリに属する方向性を持つ。立民に「筆談ホステス」のたすきを着けた候補者がいることからも容易に推察される通り、本来立民などが得意とするはずの分野で、山本党は立民などの一歩先を行くパフォーマンスを見せたともいるのであって、これには立民をはじめとする他の野党にもポジティブな刺激を与えるだろう。

 一方、山本候補自身は落選した方が良いと思う理由は大きく2つあって、1つは下手に山本党が3議席を獲得して同候補が当選すると、またぞろ同候補を個人崇拝する「信者」が大量に増殖するに決まっているが、それは間違いなくこれからの日本の民主主義に大きな悪影響を与えるからだ。もう1つは、6年前の天皇直訴事件、政治団体名に元号を冠したこと、さらには直近にもどっかで指摘されていたが、同候補の言動に時折排外主義の色合いが混じることなど、同候補には懸念される点があまりに多いからだ。ただ、同候補は参院での麻生太郎らへの問責決議案棄権が批判されると、直ちに批判の声に耳を傾けて、自らのブログでの公言を翻して安倍晋三への問責決議案には賛成票を投じるなど、自らの未熟さを自覚してそれを改めようとする姿勢も感じられる。私は、おそらく高い確率で落選するであろう山本候補は、衆院への鞍替えなどの軽挙妄動に走らず、しばらく充電の時間を作ってはどうかと希望するものだ。

 そして山本候補の支持者たちには、先日上田晋也が言った下記の言葉をよくかみしめてもらいたい。

 

私は政治、そして世の中を変えるのは政治家だと思っていません。政治、世の中を変えるのは我々一人一人の意識だと思っています。

 

 この記事を書くために、改めて「上田晋也 政治家」を検索語にしてネット検索をかけたら、上記の上田晋也の言葉に対する称賛の言葉が書かれた検索結果を目にすることができた。下記ハフポスト日本版の記事は、上記の検索でヒットした一例だが、私にも強い印象を与えたこの言葉が大勢の人に届いているとは、この「崩壊の時代」の日本もまだまだ捨てたものではないと、珍しくポジティブな気持ちになれた。

 

www.huffingtonpost.jp

 

くりぃむしちゅー上田晋也さんがMCを務める「上田晋也のサタデージャーナル」(TBS系列、土曜午前5時半〜6時15分)が6月29日で最終回を迎えた。

上田晋也のサタデージャーナル」は、とあるジャーナル紙の編集会議をイメージしたスタジオで、上田晋也さんが編集長となって毎週ピックアップされたニュースの背景や解説を専門家と話し合う。

2017年4月に始まり、初回のテーマは「森友学園」。上田さんの本音コメントや政権批判にも踏み込んだ内容が注目を集めてきた。

6月22日の番組では、他のニュース番組があまり取り上げていない自民党の謎の小冊子「フェイク情報が蝕むニッポン トンデモ野党とメディアの非常識」についても取り上げた。

最終回のテーマは「なぜ忖度は止まらない?」。ゲストの片山善博・元総務相らとともに、モリカケ問題をはじめ、これまでに取り上げてきたニュースを振り返った。

 

ラスト70秒、一度もカメラから目をそらすことなく…

番組ラスト、上田さんは真っ直ぐにカメラを見つめて、「今日が最終回ということになりました」と切り出した。

「あくまで私個人の考え」と断った上で、「世界がいい方向に向かっているとは思えない。よりよい世の中にするために、今まで以上に一人一人が問題意識を持ち、考え、そして行動にうつす。これが非常に重要な時代ではないか」と語った。

さらに「私はいつも当たり前のことを言ってきたつもりだが、当たり前のことを言いづらい世の中になりつつあるのではないかと危惧する部分もある」と踏み込んだ。

70秒間のメッセージの中で、上田さんがもっとも力を込めたのは「使命」という言葉だった。

「今後生まれてくる子どもたちに『いい時代に生まれてきたね』と言える世の中をつくる使命があると思っています」

一度もカメラから目をそらすことなく思いを語った上田さんに対し、SNSでは「打ち切りとは情けない」「いい番組がまた一つ消えた」「かっこいい」など賞賛する声が上がっている。

 

上田さんのメッセージ全文は次の通り。

今日が最終回ということになりました。

世の中の様々なことについて、世の中の皆様にほんの少しでも問題提起ができればいいなという思いで、毎週お送りしてきました。

あくまで私個人の考えになりますけれども、今、世界が良い方向に向かっているとは残念ながら私には思えません。

よりよい世の中にするために、今まで以上に一人一人が問題意識を持ち、考え、そして行動にうつす。これが非常に重要な時代ではないかなぁと思います。

そして、今後生まれてくる子どもたちに、『いい時代に生まれてきたね』と言える世の中をつくる使命があると思っています。

私はこの番組において、いつもごくごく当たり前のことを言ってきたつもりです。

しかしながら、一方では、その当たり前のことを言いづらい世になりつつあるのではないかなと危惧する部分もあります。もしそうであるとするならば、それは健全な世の中とは言えないのではないでしょうか。

最後に、また当たり前のことを言わせていただこうと思いますが、私は政治、そして世の中を変えるのは政治家だとは思っていません。

政治、世の中を変えるのは、我々一人一人の意識だと思っています。

みなさま、どうもありがとうございました。

 

出典:https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5d16b75ce4b03d61163ba209

 

  政治、そして世の中を変えるのは山本太郎ではないのだ。

*1:今後、山本太郎元号政治団体を「山本」または「山本党」と表記することにした。なお、安倍晋三が事実上決めた現在の元号はこの日記の「NGワード」として使用しないことにしているので、引用文を除いて政治団体の正式名称は用いない。

*2:但し最近の選挙の傾向として、いざ蓋を開けると共産党は情勢調査での数字より若干少なめの議席になる場合が多い。

山本太郎、参院選比例区で「特定枠」を2つ使い、比例で党が320万票獲得しなければ自らが議席を失う「身を切る改革」を断行

 昨夜(7/3)は遅く帰って『news23』で途中まで放送された7党の党首討論で、持ち時間を無視する安倍晋三の傍若無人さに憤慨したり、TBSが小川彩佳をスカウトした効果が初めて出たなと思ったりしたが(小川氏の仕切りぶりはなかなか良かった)、それらよりも気をとられたのは、ネットで知った山本太郎(の元号政治団体)の参院選戦略だった。党首討論には出なかった山本太郎の動きこそ、サプライズに値した。以下朝日新聞デジタルから。

 

www.asahi.com

 

れいわ山本太郎氏、比例区で出馬 特定枠にALS患者ら

 

 政治団体「れいわ新選組」の山本太郎代表(44、参院議員)は3日、東京都内で記者会見し、参院選比例区から立候補することを表明した。前回2013年の参院選では東京選挙区から立候補して当選した。山本氏は「6年前と同じ1議席でいいのか、私は納得がいかない。1議席をより増やせるという市民の力を示していく必要がある。目標議席は5。政党要件をクリアしたい」と述べた。

 また山本氏は、比例区で個人の得票に関係なく優先的に当選できる「特定枠」を活用することも表明。1位に筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の舩後靖彦氏(61)、2位に重度障害のある木村英子氏(54)を充てる。

 れいわの擁立候補者は計10人。山本、舩後、木村の3氏以外は次の通り。(いずれも新顔、敬称略)

 【東京選挙区】野原善正(59)=創価学会

 【比例区蓮池透(64)=北朝鮮による拉致被害者家族連絡会元事務局長▼安冨歩(56)=東大東洋文化研究所教授▼三井義文(62)=元コンビニオーナー▼辻村千尋(51)=環境保護NGO職員▼大西恒樹(55)=元外資系銀行員▼渡辺照子(60)=元派遣労働者

 

朝日新聞デジタルより)

 

 山本太郎比例区に転出することは、数日前からその気配がきわめて濃厚になっていたから驚きはないが、「特定枠」を2つも使って、山本氏自らは比例区で政党(元号政治団体)が3議席以上の当選者を出さなければ議席を失う決断をしたことが最大の驚きだ。つまり、比例区で「山本太郎」の個人名で投票しても、まず最初に当選するのは舩後靖彦氏、2人目は木村英子氏であって、3議席を確保して初めて山本氏が議席を守るのだ。

 

 

 先日、山本氏が参院での麻生太郎らへの問責決議案の投票を棄権した時、誰よりも痛烈に山本氏を批判した「国会ライター」の平河エリ氏が、誰よりも大きな感嘆の声をあげたことが目を引いた。

 

 

 

 斉藤里恵氏は立憲民主党比例区候補で、幼少時に完全失聴し、2009年に刊行した自著の『筆談ホステス』で一躍有名になった。2015年に旧みんなの党系の「日本を元気にする会」から東京都北区区議選に出馬して当選したが、今回の参院選立憲民主党からスカウトされた。立民支持層の中には、山本太郎元号政治団体に対抗して、斉藤氏の個人名で投票しようと考える人が増えるかもしれない。また横沢高徳氏は2010年のバンクーバーパラリンピックの日本代表として活躍した元チェアスキー選手で、岩手県選挙区の野党統一候補(無所属)だ。山本氏の決断は、岩手県選挙区での横沢氏の得票を上乗せする効果も期待できる。

 

 全体に、山本太郎政治団体の候補者選定からは、これまでの政治から切り捨てられて(疎外されて)きた層から選ぶという明確なコンセプトが感じられた。これを『広島瀬戸内新聞ニュース』は「当事者主義」という言葉で表現している。

 

hiroseto.exblog.jp

 

派遣労働者、そして、ALS当事者を擁立。当事者主義がよく伝わってきました。
 
「当事者主義」かつ「庶民のメシ」重視の新選組

新選組の候補擁立は、徹底した「当事者主義」と感じた。こういう勢力が政党要件を満たすことは意義が大きいと思う。そして、いわば「庶民のメシ」を最優先する姿勢は、既存野党(特に日本共産党以外)の尻に火をつけ、国民民主党辺りからもそれなりに面白い政策も出ている。
党首討論には出られなかったが、現時点でそれなりの影響を与えていると思うし、政党要件を満たしてほしいと期待する。野党に対する「庶民のメシ」に冷たいイメージが変わる契機になればと思う。(安倍総理はもっと庶民のメシに冷たいのだが巧妙に隠している)
(なお、さとうしゅういち自身は、比例区日本共産党を軸に応援も新選組に期待、選挙区は無所属で、国民、立民、社民推薦の森本しんじさんを軸に応援します。)

 

出典:https://hiroseto.exblog.jp/28441291/

  

 山本太郎三宅洋平だの三橋貴明だのを担ぐのではないかとの私の懸念は幸いにも外れた。また、山本氏はやれ前川喜平を担げだのと有名人の名前ばかり挙げていた「山本太郎信者」たちの願望も外した。それどころか、自らを3議席当選しないと議席を守れない立場に追い込んだことで、「政治は特定のカリスマに依存して行うものではない」との強いメッセージを発したと私は受け取った。これは大いに評価しなければならない。やれ小泉純一郎だの小沢一郎だの細川護煕だの小池百合子だのと、今世紀に入ってからの選挙ではあまりにも「カリスマ依存」の度が過ぎて、民主主義が本来のあり方からどんどん逸脱してきていた。カリスマに頼る政治が行われるのはとんでもなく悪い時代なのだ。ヒトラーのドイツがその最悪の例だし、日本でも(今もひどいが)小泉純一郎の「郵政総選挙」(2005年)の前後は最悪だった。

 一昨年の衆院選では枝野幸男が「草の根民主主義」を口にしたが、「立民信者」たちはその枝野をも担ぎ上げてしまった。そして、「山本太郎信者」には、各党や書く政治家が抱える「信者」たちの中でも飛び抜けて個人崇拝度の強い狂信的な人間が多い。今回の山本太郎の決断は、山本氏自身が自らの「信者」たちに挑戦状を叩きつけたかに見える。

 前述のように、誰よりも痛烈な皮肉を山本氏に対して放った平河エリ氏が、誰よりも真率さの感じられる感嘆の声を挙げたことにはまことに印象深かった。批判すべき時には全力で批判し、感心した時には率直に心情を吐露する。これこそ自由な精神のあり方だと感心した。政治に関心を持つ者は平河氏のあり方を見習うべきだ。

 なお私は現在東京都に在住しているので、東京選挙区において当選の可能性が出てきた日本維新の会の音喜多駿を落とすための「戦略的投票」を迫られることになった。先日読んだ三春充希氏の『武器としての世論調査』にその「戦略的投票」の話が載っていて(同書236-240頁)、例示されているのがまさにその2016年選挙区における東京選挙区であり、それは私自身がまさに実践した投票行動だった。あの選挙で私は、当時のおおさか維新の会公認の田中康夫を落選させるために、「鼻をつまんで」民進党公認の小川敏夫に投票し、その甲斐あって小川氏は最下位で当選、田中は落選したのだった。

 

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 この『武器としての世論調査』は広く読まれるべき本だ。特に、世論調査が世論を誘導するものだとか、ましてや「ムサシ」による「不正投票」だ、などと言い募りたがる傾向のある人たちは必ずこの本を読まなければならないとさえ思う。

 先日(6/29)、くりぃむしちゅー上田晋也が土曜日早朝にTBSでやっていた『サタデージャーナル』が最終回を迎えた。私は、『リテラ』などがほめそやすほどにはこの番組も「くりぃむ上田」も買っていなかったのだが(何よりコメンテーターを務めていた元TBS政治部長の龍崎孝は露骨な保守派だ)、番組の最後に上田氏は良いことを言った。以下、『晴天とら日和』から引用する。

 

blog.livedoor.jp

 

 上田晋也かく語りき。

 

 最後に、また当たり前のことを言わせていただこうと思いますが、
 私は政治、そして世の中を変えるのは政治家だとは思っていません。

 政治、世の中を変えるのは、我々一人一人の意識だと思っています。
 みなさま、どうもありがとうございました。

 

 私はこの言葉を耳にして、初めて上田氏への認識を改めた。数年前に水曜日の深夜だったかにやっていた『サタデージャーナル』の前身番組、たしか『ニッポンの過去問』といったかと記憶するが、あの番組は同じTBSなのに『サンデーモーニング』よりずいぶん右寄りだなあと思ったものだ。しかしそれから数年、『サンモニ』が見るも無惨に右傾化したのに対して上田氏はみごとな成長を遂げたようだ。

 上田氏の言葉を借りるなら、政治、そして世の中を変えるのは、カリスマ政治家ではない。そのことを山本太郎は「自らの身を切る」形で訴えたように見える。

 これまでカリスマに依存する「信者」のあり方を露呈させてきた山本氏の支持者たち、あるいはネット言論に流されているだけにしか見えない人たちが自らを変えていけるかどうか、それは今後にかかっている。

 なお私自身は山本太郎政治団体は名前に元号を冠している時点で全く支持しないし、比例区の投票は社民党吉田忠智の名前を書くと前から決めており、その投票行動を変えるつもりはない。しかし、東京都選挙区においては、音喜多駿(維新)と、あわよくば武見敬三(自民)をも落選させるための戦略的投票に切り替える。誰に投票するかは、候補者の主張や公約と選挙情勢によって判断する。

 

【追記】(2019.7.6)

 記事の最後に公言した「社民党吉田忠智候補への投票」は止めて、社民党の党名または他の候補者名で投票することにしました。理由は、吉田候補もまた天皇主義者の一人であると認めざるを得ない事実を教えていただいたことによります。

山本太郎は参院選で比例区から出馬する可能性が高いようだ

 参院選だが、どうやら元号政治団体山本太郎比例区から出馬する気配が濃厚だ。それを「スクープ」して「速報」した「ジャーナリスト」もいた。

 私は山本太郎を批判することが多いが、上記が本当なら評価できる。比例区に出て政党支持率を自民や立民や共産と競うというのはまっとうな判断だ。6年前の参院選三宅洋平が落選した時、比例代表制をdisった田中龍作なる大馬鹿者がいたが、その比例区に候補者を絞る(のだろうと想像する)のは、今後絶対に盛り上げるべきだと私が信じる選挙制度の議論にも貢献できるかもしれない。ただ、元号政治団体が東京選挙区に三宅洋平を立てるなどの暴挙に出れば以上の評価は覆す。それをやったら徹底的に批判する。

 まあこの三宅洋平だの、一時山本がつるむ気配を見せた極右の三橋貴明だのを擁立しなければ、とりあえず最低ラインはクリアする。どう考えても「薔薇マークキャンペーン」の方向性とは合致しない安冨歩の擁立を除けば、これまで発表した候補者も悪くない。なんといっても山本太郎は未熟だと思うし、山本自身が「保守ど真ん中」を自称する保守丸出しの人間だから支持などは全くしないけれども(特に6年前の秋の園遊会での前天皇への「直訴」事件は言語道断だ)、「未熟な保守」なりに頑張っていると評価はできる。特に経済政策には一定の評価ができる(消費税減税を争点にすることに強くこだわったことは評価できないが)。

 なんといってもあまりに絶望的な時代だから、少しでも希望を見出したい。だから言うのだが、私は仄聞したに過ぎないけれども山本太郎が支持者に「自分を疑え」と言ったらしいことは評価できる。小沢一郎はこんなことは絶対に言わなかったし、もちろん安倍晋三小池百合子小泉純一郎も言わない。山本太郎と同様、思想信条的にはゴリゴリの保守である枝野幸男は「草の根民主主義」を口にしたが、山本は枝野と並んで「安倍や小沢や小池や小泉よりはマシ」だと評価できる。但し、「山本太郎信者」(「ヤマシン」)や「枝野(立民)信者」のありようは、「安倍信者」「小沢信者」「小池信者」「小泉信者」と何も変わりない。

 私が言いたいのは、いくら強く支持していても、決して支持する政党なり政治家なりを「盲信」してはいけないということだ。支持する政治家であっても疑わなければならないし、批判すべき時には批判しなければならない。山本太郎麻生太郎らへの問責決議案投票を棄権した時、「ヤマシン」たちはこれを批判せず、他の野党や「野党共闘」の旗振り役たちを猛烈に批判したが、山本太郎自身は自身の「信者」の声よりも批判者たちの声に耳を傾けて、安倍晋三の問責決議案の議決には参加して賛成票を投じた。この意味を「ヤマシン」たちはよく考えるべきだ。なお、「ヤマシン」なる罵倒表現を用いてこんなことを書いても説得力はないと言われるかもしれないが、彼らの実態と彼らが垂れ流す害毒の大きさを考える時、この表記を改めることはできない。

 なお、私は参院選比例区では社民党に投票する*1。だから山本太郎元号政治団体はライバルだ。社民党は政党要件喪失の危機に瀕しているといわれるが、今回は今後どのような変貌を遂げるか未知数のライバルにエールを送っておく。

*1:3年前と同じく、吉田忠智の個人名で投票することにずっと前から決めている。