kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「2019年台風19号」=「東日本大水害」に思う

 台風19号は、まさしく「東日本大水害」といえるほどの猛威を振るった。たまたま私が住んでいる東京東部は予想されたほどの降雨量ではなく、かつては「荒川放水路」と呼ばれていた荒川下流の氾濫は起きなかったしこの記事を書いているあとにも起きそうにもないが、あれは明治時代に起きた度重なる水害の対策として建造された人工河川というか、もっとはっきり言えば巨大な排水溝であり、当時はまだ東京東部である江戸川区江東区東部の人口が至って少なかったから建造が可能だった。それでも当時の人々に対しては強引な移転を強いたようだ。荒川放水路は1930年に完成し、それ以降、この放水路というか巨大排水溝の流域では洪水による被害は起きたことがない。たとえば下記サイトを参照されたい。

 

edogawa-photo.net

 

 しかし今回はこの旧称荒川放水路の氾濫さえ取り沙汰された。旧称放水路には含まれない荒川の上流では実際に氾濫が起きた。そして、1974年の大水害を受けて大規模な補修が行われ、まさか氾濫はあるまいと思われていた多摩川下流までもが一部で氾濫を起こした。台風襲来前、どんなに大規模な台風が来ても、長野県だけは日本アルプスに守られて安全地域にいる、などと誇示するかのようなツイートが発信されたのを見て、何言ってんだこいつ、と思って大いに鼻白んだが、その長野県でも千曲川が大規模に氾濫し、大きな被害が出た。数年前、奥秩父の山(甲武信岳)に登って「千曲川源流の地」に立ち寄ったことがあるが、今回はその奥秩父の山々に大量の降水があったらしく、それはもちろん荒川の中流以上にも増水をもたらしたが、千曲川にも大きな影響を与えたのではないか。「日本アルプスのご加護」だけでは長野県は守れなかったのだ。

 関東だけではなく、東北でも河川の氾濫はあちこちで起きているようだ。復旧は大変だろうし、安倍晋三は今回は公邸に詰めてはいたものの、初動の遅れは否めないだろう。しかしそれ以上に気になったのは、東京の中心部が危機に瀕した今回と、東京の中心部への影響はさほどないと思われていた従来の例との対応の落差だ。直近では、台風15号で多大な被害を受けた千葉県南部に対して、安倍政権も東電も、のみならず日本のマスメディアも実に冷淡だった。

 私自身、東京東部に住んでいて体験した今回は、身近な水害の脅威を感じることはなかったが、2004年当時住んでいた四国(香川県高松市)で何度も大型台風の襲来を受け、水害を身を持って体験した時に中央の政府(当時は小泉純一郎政権)やマスメディアの対応が冷淡だったことを思い出した。あの年には高松市中央部が高潮で浸水もしたが、同じ台風だったか別の台風だったか高松市の郊外を流れる河川の氾濫にも遭遇し、水浸しの路上で転倒してずぶ濡れになったりもしたものだ。香川県は普段水がなくて困っているが、いざ降ると簡単に川が氾濫する。2004年の台風では、JR予讃線の線路の下を潜るトンネルに水が溜まり、それに突っ込んだ乗用車の運転手が死亡する事故も起きた。そのトンネルが浸水していたために、台風が通過したあとのことだったと思うが、私は自転車で市の中央部に行くことができずに自宅に引き返したのだった。

 この時感じた政府や中央メディアの冷淡さは、首都圏内ではあっても東京の中心部からは遠い千葉県南部に対しても同じなんだなあというのが、先の台風15号の時に感じたことだ。あの時にも15年前の四国の台風を思い出したし、「棄民」という言葉も何度も思い浮かんだ。今回は、公邸に詰めていただけでも安倍晋三は合格点だ、などとする評価も見かけたが、それはたまたま今回は被害が東京中心部に及ぶ可能性があったからに過ぎず、総体的に見て安倍政権と日本の中央マスメディアの「棄民」的体質は、どんなに強く批判しても批判しすぎることはないと思う。

 しかし、腐った体質は何も政権や中央メディアだけではなく、政権批判派にも及んでいるらしいことを知った。以下、『広島瀬戸内新聞ニュース』より。

 

hiroseto.exblog.jp

 

ネット上の野党支持者で、NHKなどの報道について陰謀論が目立ちます。
昨日午前には
「大したことのない台風を煽っている」
「悪法が通るのを隠している」
など。
ひどいのになると
「気象兵器」論まで出ている。
今回の台風が強くなったのは明らかに気候変動で海水温が高いからでしょう。
根拠のない陰謀論は、野党の足を引っ張るだけである。
そして、良識的な無党派
「電波な支持者が多い野党よりは、腐っていても安倍か。」
と思わせるだけになりかねない。
改めて、根拠のない陰謀論を強く批判します。

 

出典:https://hiroseto.exblog.jp/28623221/

  

 陰謀論といい、その極端な例としての「気象兵器」論といい、いかにも「小沢信者」たちが言いそうな話だ。そういえば「小沢信者」の十八番は「地球温暖化陰謀論」であって、10年ほど前に私は、「小沢信者」はアメリカの共和党支持者や池田信夫(ノビー)と共闘するつもりか、と彼らを馬鹿にしたことがあったが、今ではノビーですらこの馬鹿げた陰謀論から撤退していることは前にも書いた。しかし、「小沢信者」どもの生態は相変わらずらしい。

 今回の台風の巨大化など、地球温暖化を含む気候変動の影響を考慮しなければいけないのは自明であって、だからこそ今までの基準では「数十年に一度」のはずだった災害が相次いで起きていると考えるべきだが、そんな理由も「小沢信者」に代表される一部の野党支持者・政権批判者には通用せず、彼らはせっせと安倍晋三とその不愉快ななかまたちに塩を送り続けているらしい。

 いい加減にしてもらいたい。

ノーベル化学賞に「リチウムイオン電池」開発の吉野彰さん(NHK)

 吉野彰氏が2019年のノーベル化学賞を受賞した。以下NHKニュースより。

 

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191009/k10012119571000.html

 

ノーベル化学賞に「リチウムイオン電池」開発の吉野彰さん

 

ことしのノーベル化学賞の受賞者に、スマートフォンなどに広く使われ、太陽発電や風力発電などの蓄電池としても活用が進む「リチウムイオン電池」を開発した、大手化学メーカー「旭化成」の名誉フェローの吉野彰さん(71)ら3人が選ばれました。日本人がノーベル賞を受賞するのは、アメリカ国籍を取得した人を含めて27人目、化学賞では8人目です。

ことしのノーベル化学賞に選ばれたのは、
▽大手化学メーカー「旭化成」の名誉フェロー、吉野彰さん(71)、
アメリカ・テキサス大学教授のジョン・グッドイナフさん、
それに▽アメリカ・ニューヨーク州立大学のスタンリー・ウィッティンガムさんの3人です。

吉野さんは大阪府吹田市出身で71歳。京都大学の大学院を修了後、旭化成に入社し、電池の研究開発部門の責任者などを務めたほか、おととしからは名城大学の教授も務めています。

吉野さんは、「充電できる電池」の小型化と軽量化を目指し、開発に取り組みノーベル化学賞の受賞者、白川英樹さんが発見した電気を通すプラスチック、「ポリアセチレン」を電極に利用する研究をしていました。

そして、今回、一緒にノーベル化学賞を受賞することとなったジョン・グッドイナフさんたちの研究成果に注目し、「コバルト酸リチウム」という化合物の電極と、炭素繊維の電極を組み合わせて昭和60年、現在の「リチウムイオン電池」の原型となる新たな電池の開発に成功しました。

小型で容量の大きいリチウムイオン電池は、今ではスマートフォンやノートパソコンといったIT機器には欠かせないものとなりました。

また、大容量の電気をためることができることから、電気自動車への利用や太陽光発電風力発電など、自然エネルギーの電気をためる蓄電池として利用が広がるなど、化石燃料を使わない社会の実現を可能にする地球環境にやさしい技術として高く評価されています。

こうした業績により、吉野さんは平成16年に紫綬褒章を受章したほか、平成26年に「工学分野のノーベル賞」とも呼ばれるアメリカの「チャールズ・スターク・ドレイパー賞」を、ことしはヨーロッパの特許庁が主催する「欧州発明家賞」を受賞しています。

日本人がノーベル賞を受賞するのは、去年、医学・生理学賞を受賞した本庶佑さんに続き、アメリカ国籍を取得した人を含めると27人目で、化学賞は、9年前の鈴木章さんと根岸英一さんに続いて8人目となります。

化石燃料必要ない社会 作り出すことも可能に」ノーベル委員会

ノーベル化学賞の受賞理由について、ノーベル委員会は、「リチウムイオン電池は、軽くて、再充電できる強力なバッテリーでいまでは小型の携帯電話やノートパソコン、電気自動車などあらゆるものに使われている。太陽光や風力などのエネルギーを十分ためることができ化石燃料が必要ではない社会を作り出すことも可能にする」としています。

グッドイナフ氏 最高齢受賞者に

ことしのノーベル化学賞の受賞者に、日本人の吉野彰さんとともに、アメリカのテキサス大学のジョン・グッドイナフ氏と、ニューヨーク州立大学ビンガムトン校のスタンリー・ウィッティンガム氏の2人が選ばれました。

グッドイナフ氏は、97歳での受賞となり、去年、ノーベル物理学賞を96歳で受賞した、アメリカのアーサー・アシュキン氏を抜き、すべての賞において最高齢での受賞となります。
 
NHKニュースより)

 

 吉野氏の業績なら私も昔から知っている。受賞は当然だ。ただ、吉野氏自身も言っていたと思うが、「化石燃料が必要ではない社会を作り出すことも可能にする」というのはいささか後付けの理由で、その可能性が言われるようになったのは近年のことだ。そもそも化石燃料云々は電気を発する発電の話であり、リチウムイオン電池は電気を溜め込む蓄電のデバイスだから役割が違う。リチウムイオン電池はエネルギー密度が高いから大容量の蓄電が可能だという話だ*1

 氏の受賞で、ネットでは例によって「日本スゴイ」と叫ぶネトウヨがあちこちから湧いて出たことには毎度のことながら閉口させられた。旭化成のサイト(下記)を見ればすぐわかる通り、氏が発明者になっている主要な特許は、1980年代から90年代の初めにかけて出願されている。30年前の業績なのだ。

 

www.asahi-kasei.co.jp

 

 近年、日本人のノーベル化学賞受賞が相次いだが、いずれもこの国が全盛期を迎えていた頃の業績による。その後新自由主義思想によって歪められた科学技術行政(特に「選択と集中」とかいうやつ)なども相俟って日本の科学技術の水準は急速に他国に置いて行かれるようになった。大学などでの研究だけでなく、企業の間でも「選択と集中」が一時大流行した。リチウムイオン電池にしても、この事業を「バスに乗り遅れるな」とばかりに後追いで手がける企業が雨後の筍のように多く現れた時期もあったが、それらの企業におけるこの分野の事業は既に大部分が淘汰されており、今やパナソニックなど一部の日本企業が生き残って奮闘しているにとどまる*2。その淘汰(リストラ)の過程では少なくない日本の技術者が韓国や中国に流れたりもした。政府も企業も大学も短期の成果ばかりを目指す新自由主義思想に侵された結果、すっかり日本の科学技術の世界的地位は低下してしまったといえる。

 はっきり言って、今の日本はスゴくもなんともない。30年後の今頃は、ノーベル化学賞受賞者が日本から出なくなって久しいという嘆き節ばかりが聞かれるはずだ。

*1:反面、それは爆弾を作るようなものであって、実際、携帯電話に内蔵されたリチウムイオン電池が爆発したというニュースに接する機会は少なくない。

*2:但し、この分野での日本の技術力は今なお高いけれども。

金田正一死去

 プロ野球史上最多勝利記録をもつ「カネやん」金田正一が死んだ。国鉄スワローズで353勝、読売で47勝の計400勝を挙げた。但し、1969年に読売で挙げた最後の1勝は「やらせ」だった。それはもう半世紀も前の話だ。私はテレビのプロ野球生中継で金田が投げるのを見たことはない。解説者としてはよく覚えている。国鉄スワローズの後身であるヤクルトを贔屓することは一切なく、現役時代の終わり頃に属した読売を熱烈に応援していた。もっともあの頃の日テレ系読売戦中継では誰もがそうだった。読売に一度も所属したことがない元阪神村山実(1998年死去)でさえ読売を応援していた。どこまでが本音でどこからが演技だったかはわからない*1

 金田正一の年度別の投手成績は、日本プロ野球機構のサイトで確認できる。

 

http://npb.jp/bis/players/71073801.html

 

 国鉄時代の2年目にあたる1951年から国鉄に在籍した最後の年である1964年まで14年連続の20勝以上で、最高は1958年の31勝。先発も救援もやり、先発投手の勝ち星を奪うこともしばしばだったと聞く。国鉄では誰も金田に逆らえなかったのではないか。

 そんな金田も、1965年の読売移籍後は一度も20勝を挙げられなかった。移籍2年目の1966年など、わずか4勝に終わっている。読売に移籍した投手にはありがちな話だ。9連覇初期の読売は異様に強かったから、金田のわがままも通らなかったのかもしれない。

 金田は、のちロッテオリオンズの監督になって1974年の中日との日本シリーズにも勝った。しかし今でも、金田といえば国鉄スワローズやロッテではなく、読売の投手として語られることが多い。弊害の多い「名球会」といい、日本プロ野球の歪んだあり方の象徴でもあった。もっとも晩年金田は「名球会」から追い出されたんだったっけ。

 もちろん金田正一プロ野球史上最高の投手だったのだろうが、あえて「読売帝国主義」の負の側面も書き記した次第。

 謹んでお悔やみ申し上げます。

*1:とはいえ元阪神村山実江夏豊は、「強い読売」に立ち向かった自分たちを誇りにしていた。明らかな「裏返しされた読売ファン」だった。ましてや金田は自ら望んで読売に移籍した。テレビ解説での彼らの読売応援は、多分に本音だったに違いない。

新潮社の百田尚樹「ヨイショ」(褒め殺し?)の懸賞金つき感想文応募企画、速攻で中止

 百田尚樹を「ヨイショ」して懸賞金をゲット!とかいう新潮社の企画は、結局速攻で中止された。「ほめちぎる読書感想文を募集!百田先生を気持ちよくさせて20名の方に、ネットで使える1万円の図書カードを贈呈!」とかいう、懸賞金総額20蔓延、もとい20万円のしょぼい「褒め殺し」の「キャンペーン」は、夢まぼろしのごとく消え去ってしまったのだった。

 

sumita-m.hatenadiary.com

 

 新潮社宣伝部のそもそもの呟き*2は既に削除されていたけれど、古寺多見氏のエントリーに引用されたものが残っている*3。但し、キモかわいくなくて端的にキモい黄金の百田尚樹画像を観賞することはもう叶わない。

 

 この文を読んで企画がポシャったことを知るとともに、はてなブログからリンクを張ったツイートが削除された後、引用したツイートがどのように表示されるかを知った。まあ「HTML編集」の画面から推測して、テキストは残るんだろうなと想像はついていたけど。

 ところで、「キモかわいくなくて端的にキモい黄金の百田尚樹画像」は思わぬところで「鑑賞」できるのだった。偶然知った。

 

 

 朝日新聞社のツイートが悪趣味にも「黄金の百田」の画像を貼り付けていたのだった。

「百田小説褒めたら賞品」 新潮社の宣伝、批判受け中止

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宮田裕介

 新潮社が作家・百田尚樹さんの新刊小説を宣伝するキャンペーンを始めたところ、SNS上などで波紋が広がっている。小説を「ほめちぎる読書感想文」を求め、百田さんを気持ちよくさせた人に賞品を出す内容だったためだ。批判が相次いだことなどから、同社は5日夜、わずか2日でキャンペーンを中止すると発表した。そもそもどんな意図で始めたのか。同社に見解を求めた。
 新潮社が作家・百田尚樹さんの新刊小説を宣伝するキャンペーンを始めたところ、SNS上などで波紋が広がっている。小説を「ほめちぎる読書感想文」を求め、百田さんを気持ちよくさせた人に賞品を出す内容だったためだ。批判が相次いだことなどから、同社は5日夜、わずか2日でキャンペーンを中止すると発表した。そもそもどんな意図で始めたのか。同社に見解を求め

「百田小説褒めたら賞品」 新潮社の宣伝、批判受け中止

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 新潮社が作家・百田尚樹さんの新刊小説を宣伝するキャンペーンを始めたところ、SNS上などで波紋が広がっている。小説を「ほめちぎる読書感想文」を求め、百田さんを気持ちよくさせた人に賞品を出す内容だったためだ。批判が相次いだことなどから、同社は5日夜、わずか2日でキャンペーンを中止すると発表した。そもそもどんな意図で始めたのか。同社に見解を求めた。

 同社が「読書がすんだらヨイショせよ #ヨイショ感想文求む」と題するキャンペーンを始めたのは4日。7月に発売された百田さんの最新小説「夏の騎士」について「ほめちぎる読書感想文を募集!」などとつづったツイートを同社の公式アカウントで投稿した。

 同社はまた、募集する感想文の「例」として、「王道は純粋なヨイショ」とツイッターで説明。「『国語の教科書にのせるべきだ』 読了後、最初に心に浮かんだ気持ちだ。この作品は人生に必要なすべてをおしみなく読者に与えてくれる。知らぬ間に涙が頰をつたっていた。『そうか。この本と出会うために、僕は生まれてきたんだ。』」との「見本」も提示した。

 10月25日までの企画で、「百田先生を気持ちよくさせた20名の方に、ネットで使える1万円分の図書カードを贈呈!」ともつづっている。

 これに対し、ツイッター上では…

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 新潮社が作家・百田尚樹さんの新刊小説を宣伝するキャンペーンを始めたところ、SNS上などで波紋が広がっている。小説を「ほめちぎる読書感想文」を求め、百田さんを気持ちよくさせた人に賞品を出す内容だったためだ。批判が相次いだことなどから、同社は5日夜、わずか2日でキャンペーンを中止すると発表した。そもそもどんな意図で始めたのか。同社に見解を求めた。

 同社が「読書がすんだらヨイショせよ #ヨイショ感想文求む」と題するキャンペーンを始めたのは4日。7月に発売された百田さんの最新小説「夏の騎士」について「ほめちぎる読書感想文を募集!」などとつづったツイートを同社の公式アカウントで投稿した。

 同社はまた、募集する感想文の「例」として、「王道は純粋なヨイショ」とツイッターで説明。「『国語の教科書にのせるべきだ』 読了後、最初に心に浮かんだ気持ちだ。この作品は人生に必要なすべてをおしみなく読者に与えてくれる。知らぬ間に涙が頰をつたっていた。『そうか。この本と出会うために、僕は生まれてきたんだ。』」との「見本」も提示した。

 10月25日までの企画で、「百田先生を気持ちよくさせた20名の方に、ネットで使える1万円分の図書カードを贈呈!」ともつづっている。

 これに対し、ツイッター上では…

「百田小説褒めたら賞品」 新潮社の宣伝、批判受け中止

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 新潮社が作家・百田尚樹さんの新刊小説を宣伝するキャンペーンを始めたところ、SNS上などで波紋が広がっている。小説を「ほめちぎる読書感想文」を求め、百田さんを気持ちよくさせた人に賞品を出す内容だったためだ。批判が相次いだことなどから、同社は5日夜、わずか2日でキャンペーンを中止すると発表した。そもそもどんな意図で始めたのか。同社に見解を求めた。

 同社が「読書がすんだらヨイショせよ #ヨイショ感想文求む」と題するキャンペーンを始めたのは4日。7月に発売された百田さんの最新小説「夏の騎士」について「ほめちぎる読書感想文を募集!」などとつづったツイートを同社の公式アカウントで投稿した。

 同社はまた、募集する感想文の「例」として、「王道は純粋なヨイショ」とツイッターで説明。「『国語の教科書にのせるべきだ』 読了後、最初に心に浮かんだ気持ちだ。この作品は人生に必要なすべてをおしみなく読者に与えてくれる。知らぬ間に涙が頰をつたっていた。『そうか。この本と出会うために、僕は生まれてきたんだ。』」との「見本」も提示した。

 10月25日までの企画で、「百田先生を気持ちよくさせた20名の方に、ネットで使える1万円分の図書カードを贈呈!」ともつづっている。

 これに対し、ツイッター上では…

新潮社、百田尚樹の最新「小説」の「ヨイショ感想文」を募集(呆)

 これはひどい

 

 

 しかし、新潮社のこのツイートには「ヨイショ感想文」なんて書いてある。「ヨイショ」って普通、批判や揶揄の意味で使われる言葉だろ。

 

 このサンプルなんかを見ると「褒め殺し」かと思ってしまう。

 

 

 だが残念ながら、新潮社は「本気」で百田を「ヨイショ」する「感想文」を募集してるんだろう。

 これもまた「批判する言説の絶え果てた『崩壊の時代』」の一コマ。

20世紀以降の気候変動(地球温暖化含む)に人為的影響が強いことは不動の定説/tanpei1130さんとのコメント欄でのやりとりより

 このところ毎年のように思うのだが、若い頃(私が念頭に置いているのは、最初に上京した1980年から1993年頃までの間のことだ)に比べて、東京(や横浜など)の首都圏の夏は、異様なまでに長くなった。

 昨年と今年の夏は、ゴキブリや蚊が異様に少なかった。特別に酷い酷暑だった去年は、そのことがテレビのニュース番組でも話題になったが、今年も梅雨明け後は、一昨年まで夏によく見かけた路上を這い回るゴキブリが、昨年同様に少なかった。昨年も層だったが、暑さのピークを過ぎてからよく見かけるようになった*1。昨今の猛暑には、ゴキブリまでもが音を上げているのかと思った。

 そしてここ数日の蒸し暑さ。偏西風の蛇行によるという話だが、衣替えの季節で出先への外出時に必要になったスーツにネクタイの格好をした昨日(3日)は、外の空気の蒸し暑さに汗をじっとりかいて不快極まりなかった。天気予報を見ると、今日と明日は昨日以上に気温が高くなって30度を超える猛暑日になるらしい。10月に猛暑日なんて、昔は考えられなかった。今年は5月末にも猛暑日が続いたことがあって、5月としては異例の猛暑だとかテレビで言っていたが、いつの間にか、1年の半分を占める長い長い夏と、普通の冬と、ごく短い春と秋からなる四季の国になってしまった感がある。ことに今年は梅雨が長かった影響か、湿度がとても高い夏だったので、夏季の平均気温自体はおそらく今年より高かったであろう昨年の夏よりも、もっと疲労が蓄積した。

 もちろん猛暑の要因には「たまたまの」偏西風の蛇行もあろうし、東京の場合は人口の過剰な集中によるヒートアイランド現象の影響が強くあるに違いないが、それらを差し引いても気候の変動が極端に激しくなったように思われる。地球温暖化を含む気候変動が議論されるようになって久しいが、ここ数年、それがはっきり体感できるようになってきたと感じる。

 

 今日は、少し前に公開した下記記事に対するコメントを取り上げる。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 この記事で私は、平河エリ氏の下記ツイートを引用した。

 

 

 上記に引用されているグラフを見れば一目瞭然、科学者たちは気温の観測結果を、「自然起源強制力のみを用いたシミュレーションのモデル」と「自然起源と人為起源の両方の強制力を用いたシミュレーションのモデル」とそれぞれ比較し、後者によく当てはまっていると結論を出している。だから、下記ツイートを皮切りに何往復かやりとりした「民主主義万歳」氏(エンジニアの人らしい)の一連のツイートを「知性的な立場とは言えません」と一蹴している。

 

 

 しかるに、グレタ・トゥーンベリさんを取り上げたこの日記の記事に、下記のコメントをいただいたのだった。

 

tenpei1130

 

私は今の地球温暖化の議論に疑問を抱いています。それは温暖化の最大原因を二酸化炭素濃度の増加に求めている点です。もしも地球がこれまで氷河期を何度か経験したことをkojitakenさんが認めていらっしゃるとしたら、その後は温暖化をしたことも認めていらっしゃるはずです。その温暖化当時も今のように何らかの原因で二酸化炭素を排出していたのでしょうか?二酸化炭素濃度が温暖化の直接原因でないとすれば現在の対策は修正されなければなりません。私は何の根拠も無く「太陽の運動と地球内部の運動」が最大要因のような気がして、それなら対策は難しく、適応策を検討すべきと考えています。なお、人間の自然に対する影響は減らすべきだと考えます。ご意見伺えればうれしいです。

 

 このコメントに私は切れ、下記のように返答した。

 

id:kojitaken

 

tanpei1130さん>

コメントありがとうございます。しかし、いただいたコメントには全く同意できません。

理由は、あなたのコメントには、この記事からリンクを張って紹介した下記平河エリ氏のツイート(https://twitter.com/yomu_kokkai/status/1176691099873640448)に引用されている、温暖化に対する人為的影響のデータ(3枚のグラフに示されている)に対する反論が全く書かれていないからです。

ましてやあなたは、

>何の根拠も無く「太陽の運動と地球内部の運動」が最大要因のような気がして

などと書かれていますが、これは議論する姿勢がないと言っているも同然であって、論外です。

 

 この返答はコメントをいただいたあと、たまたま在宅していたのですぐに書いた。すると数日後、下記の返事を頂いた。

 

tenpei1130

 

私の表現が稚拙でkojitakemさんに議論を求めているように取られたら謝ります。私が言いたかったことは、もしも産業革命以前にも地球が温暖化したことがあったとすれば今回も同じことが起こっている可能性はないか?という自分の疑問に「こういう理由でそれは違うんだよ。」といつかkojitakenさんの温暖化の記事で教えて頂きたいと思ったのです。氷河期がなぜ終わったかとか縄文時代はなぜ暖ったかという理由が探せなかったものですから。こういう投稿は初めてで短くしようとしたらさらに稚拙になったようです。ご不快の念を抱かせたとすればお許しください。

 

 こういう反応をされると、それこそ困ってしまいます。というのは、私はtanpei1130さんの最初のコメントを読んで確かにカチンときましたが、tanpei1130さんに悪意を持ったわけでは全くないからです。むしろ、気候変動に全く関心を持たないか、またはブログ主の私を怒らせるのを恐れてコメントしない人たちよりも、反応していただいただけでも大いにありがたいと思っています。

 

 しかし、ちょうど平河エリ氏がエンジニアである「民主主義万歳」氏に対して、

資料も読まずに「思いつき」で疑問をツイートして、まるでいろんな議論があるかのように主張されるのは、知性的な立場とは言えません。

と指摘されたのと同じことを、tanpei1130さんのコメントを読んで思いました。

 

もしも産業革命以前にも地球が温暖化したことがあったとすれば今回も同じことが起こっている可能性はないか?という自分の疑問に「こういう理由でそれは違うんだよ。」といつかkojitakenさんの温暖化の記事で教えて頂きたいと思ったのです。

とのことですが、平河エリ氏がツイートで引用したグラフに20世紀以降の地球温暖化に与えた人為的な影響が大きいことがはっきり示されていて、まともに議論しようとする態度を持った人であれば誰でも、グラフから了解できる事柄だ、というのが私の返事になります。そのシミュレーション自体に問題があるかもしれないと思われる場合は、根拠を持ってそれを主張する必要があります。科学者の世界にも「同調圧力」は強くあり、データをモデルに合わせて捏造するケースもしばしばあるからです。地球温暖化懐疑論者から「クライメートゲート事件」などと騒がれた問題もかつてありました(この件には懐疑論者にとって否定的な結論が既に出ているようですが)。

 

 私としては、まずまともに議論しようとする姿勢を持って下さい、としか言いようがありません。地球温暖化を含む人為的要因による気候変動を否定したがるのは、今やアメリカの共和党支持者や日本の「小沢信者」の一部しかいない絶滅危惧種になっています。10年くらい前にはノビー(池田信夫)も「地球温暖化陰謀論」を唱えていましたが、今やノビーですら、勝ち目のないこの立場から撤退しています。

*1:蛇足だが、今年はG球団がプロ野球セ・リーグで優勝しやがった。

酷暑で棄権続出の世界陸上 批判止まず「開催決めた人間は今ごろ涼しい部屋で寝てる」(デイリースポーツ)

 TBSが毎晩世界陸上なんか放送してやがるが、全く見る気にならない。news23をやってないから仕方なく昨夜(10/1)は日テレのnews zeroを見たが、有働由美子が全然良くない。この人はやはりNHKでバラエティやってなんぼの人だ。以前有働が仕切るようになる前にこの番組を見た時、日テレにしてはまともなニュース番組やってるじゃないかと思ったが、その頃よりもずっと悪くなっている。news23星浩がアンカーになってから相当に悪くなったが、安倍政権のメディア支配の弊害はどの放送局にも及んでいるんだなあと改めて思った。

 世界陸上に話を戻すと、酷暑で競技の棄権者が続出しているようだ。以下、デイリースポーツから引用する。

 

https://www.daily.co.jp/general/2019/09/30/0012746642.shtml

 

酷暑で棄権続出の世界陸上 批判止まず「開催決めた人間は今ごろ涼しい部屋で寝てる」

 

 「陸上・世界選手権」(29日、ドーハ)

 

 過酷な環境下での競技が続く、マラソン競歩のロード種目の選手からは大会への批判が相次いでいる。ここまで3日間を終え、女子マラソン、男女50キロ競歩、女子20キロ競歩が行われたが、暑さを考慮しての“真夜中”開催にも関わらず、気温は30度以上、湿度70~80パーセントでの悪条件の中でのレースが続き、棄権者が続出。今後にダメージを残しかねない消耗戦を強いられた選手からは厳しい声がとんでいる。

 大会初日の27日にスタートした女子マラソンは出走68人のうち28人が途中棄権。完走率は過去最低の58・8パーセントとなった。優勝したチェプンゲティッチ(ケニア)のタイム2時間32分43秒は07年大阪大会の2時間30分37秒よりも2分遅い歴代最遅記録。英BBCによると5位だったマズロナク(ベラルーシ)は、レース実行に踏み切った国際陸連を批判。「アスリートに敬意がない。多くのお偉方がここで世界選手権をすることを決めたのだろうが、彼らはおそらく今、涼しい場所で寝ているんだろう」と、皮肉った。

 また、ロシアメディア「スポルトエクスプレス」によると、22位でゴールしたトロフィモワ(ロシア)は、レース後に「非人道的な環境だった」と語った。自身のインスタグラムで「10キロで少女たちがまるで“死体”のように道路に横たわるのをみた」と、嘆いた。日本のある代表コーチは「昼間にやっていたら死人が出ていたかも知れない」と、つぶやいた。

 翌28日にスタートした男子50キロ競歩を制した日本の鈴木雄介富士通)の優勝タイムは4時間4分20秒。17回目を数える大会で初めて4時間を超えた。大会記録だった2年前のロンドン大会の3時間33分12秒より30分以上遅い。スタートした46人のうちゴールしたのは28人。完歩率は60・8パーセントでやはり4割がゴールできず。鈴木ですら、残り10キロからは内臓へのダメージで歩きながら給水ができず、立ち止まって水分を補給した。

 銅メダルを獲得したダンフィー(カナダ)「かなり馬鹿げた、クレイジーな気象条件だった」と、振り返った。29日の女子20キロ競歩は当初23時半スタートだったものを、23時59分にずらした。それでも気温は32・3度、湿度も75・2パーセント。優勝タイム1時間32分53秒はこれもまた歴代最遅タイムだった。

 天気予報によれば、この状況は当面続くと見られる。残るロード種目は10月4日の男子20キロ競歩と、10月5日の男子マラソン。史上最も過酷な戦いは続く。

 

(デイリースポーツ 2019年9月30日)

 

 それは来年の東京五輪で繰り返される。この記事を読んだ誰もがそう思ったのではないか。

 カタールは「世界一の金持ち国」とやらだから、どうせ無理な大会招致をしたのだろう。日本では「お・も・て・な・し」などとプレゼンした人(私はあれで、一気にこの人の印象が最低ランクに落ちた)が下手したら「未来の総理大臣夫人」かと思うとぞっとする。果たして、来年の五輪を選手や観客の死者なしで乗り切ることはできるのだろうか。