kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

阪神タイガースの「読売巨人」化

巨人対中日の、プロ野球セ・リーグ「クライマックス・シリーズ」は、これまでのところ中日のワンサイドで、早くも「王手」をかけたが、東京ドームのチケットは完売したにもかかわらず、レフトスタンドには空席が目立つらしい。

これは、阪神の第1ステージ突破を当て込んだ阪神ファンがチケットを買ったものの、中日に負けてしまったため、阪神の出てこない試合など見に行けるものか、とばかり球場に足を運ばなかったのだ、などと言われている。

チケットを買った阪神ファンが、巨人ファンなり中日ファンにチケットを譲るか売るなどしそうなものだが、おそらくプロ野球ファン自体が減っているため、誰もチケットを買ってくれないなどの事態が生じたのだと思う。いまやプロ野球で一番人気のあるチームが阪神タイガースであることは、おそらく巨人ファンでさえ認めるだろう。

人気面で盟主の座を巨人から奪った阪神だが、FA選手の獲得に血道をあげるところまで巨人に似てきたようだ。大阪発行のスポーツ紙は、阪神が広島カープの新井や黒田、中日ドラゴンズの福留の獲得を検討していると報道している。いちおう黒田や福留は大阪出身という口実はあるが、他球団の大黒柱だし、新井に至っては広島出身のカープの選手で、阪神は札束でほっぺたをひっぱたこうとしているわけである。

こうなると、かつての巨人とやることは全く変わらない。阪神のフロントが「金ならなんぼでも出すで」と言ったとスポーツ紙が報じるなど、昔を知る者にとっては隔世の感がある。かつて阪神は、優勝したら選手の給料を上げなければならないから、優勝争いをして2位にとどまるのが良いとフロントが考えている、と批判された球団だった。実際、2リーグ分立後、阪神が巨人を2位に抑えて優勝したシーズンは一度もない。阪神は巨人との一騎打ちには常に敗れてきた球団である。さらに、阪神、巨人、中日の三つ巴になっても必ず巨人が勝つというジンクスもあり、今年も(レギュラーシーズンでは)それが当てはまってしまった。この状況について、「金のない阪神では金満巨人に勝てない」と長年言われてきたのだが、いまや放映権料の収入が激減した巨人より、阪神の方が資金に余裕がある球団になった。かつては、高級住宅街を沿線にする阪急対庶民的な阪神、という私鉄沿線の対照もあったが、阪急と阪神経営統合した今となっては、それも色あせている。

その上、補強の金には糸目をつけないとばかり、ダボハゼのようにFA選手に食いつく阪神の姿は、本当にみっともない。かつて、4番打者をかき集めてチームバランスを崩した巨人がいい笑いものになったが、阪神はその巨人と同じことをやろうとしているように見える。