kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

金大中拉致事件を「政治決着」させた時の首相は田中角栄だった

1973年というのは、時代の転換点となる年だった。言わずと知れたオイルショックの年だが、金大中事件が起きたのもこの年、「福祉元年」宣言が行われたのもこの年だ。時の首相は田中角栄。「福祉元年」宣言は評価できるにしても、金大中事件を政治決着させたのは、田中の悪行だったと言わざるを得ない。
そもそも、大平正芳は本当の「ハト派」だったが、田中には福田赳夫中曽根康弘ほどではないものの、タカ派的傾向があり、憲法を改定するために小選挙区制を導入しようとして(いわゆる「カクマンダー」)、世論と朝日新聞をはじめとするマスコミの反発に遭って取り下げたこともあった。
田中角栄の功罪については、もっと冷静に評価する必要がある。新自由主義を批判するあまり、田中角栄をことさらに持ち上げる風潮は危険だ。