kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

日本経済を行き詰まらせたい経団連、労組、それに「真正保守(笑)」

http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20091019 経由にて知る。

共同通信の記事。http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009101801000445.html

以下引用する。

温室ガス25%減でも所得増 20年にプラス76万円

 日本の2020年の温室効果ガス排出量を国内対策だけで1990年比25%減らす場合、光熱費の上昇を見込んでも、世帯当たりの可処分所得は経済成長などに伴い2005年に比べて76万円増えるとの試算が、前政権による削減中期目標の検討過程でまとめられていたことが18日分かった。

 強力な対策を取っても所得増は可能だとの試算は、新政権が打ち出した25%削減の論議に好影響を与える可能性がある。

 試算は、対策を取らないと国内総生産(GDP)が05年から20年に約21%成長することが前提。90年比で排出量を25%削減する場合はGDPの伸びが約17%に鈍化するが、世帯当たりの可処分所得は05年の479万円から20年は555万円(約16%増)となり、76万円の増加を確保できる。

 排出量15%削減では575万円(約20%増)に、麻生太郎前首相が掲げた8%削減なら584万円(約22%増)になるとされた。経済モデルにより可処分所得の試算値は変わるが、厳しい地球温暖化対策を取っても可処分所得の伸びが続くことが明確に示されていた。

 同じ枠組みで試算すると、対策を何も取らない場合の排出量は4%増え、可処分所得は591万円となる。麻生前首相は6月に中期目標を「8%削減」と決めた際、25%削減では対策を取らない場合に比べ家計負担が36万円も増えるとだけ説明していた。

 削減に伴う負担分だけが強調されていたとの批判があったが、可処分所得の伸びは前提条件などにより大きく変わり、経済学的に意味がないとの意見が強く、金額は明示されなかったという。

 関係者によると、この試算には対策の進展によるハイブリッドカー太陽光発電パネルなどの価格低下は想定しておらず、この効果を見込めば可処分所得はさらに増えることが予想される。
2009/10/18 21:23 【共同通信

これは、『日経エコロミー』9月17日付の飯田哲也氏のコラム
http://eco.nikkei.co.jp/column/iida/article.aspx?id=MMECcm000015092009&page=2
にある、

 さて本題に戻ると、前回指摘した通り、総選挙の途中の8月25日には、「民主党案なら190兆円が必要」という、「経産省試算」とされる霞ヶ関からのリークと思われる記事が掲載されている(産経新聞8月25日朝刊)。また、「国民負担が年36万円増える」といった記事も見られる。いずれも前政権が主催していた「中期目標検討会」で出された数字なのだが、メディアも役所のリークをうのみにせず、もう少し冷静に見なければならない。

 「数字」自体の問題は次に取り上げるが、仮にこの数字が正しいとしても、「追加費用190兆円」というのは、住宅・建築物の断熱やエコカーなどへの投資や消費であるから、まさに「グリーンなGDP国内総生産)」を年3%程度、押し上げるものだ。また、「年36万円負担」というのは、まるで今よりも「貧しくなる」印象を与えるが、そうではない。たんに基本ケース(05年比マイナス4%)と20年時点で比較した相対値であって、現状(05年)から見ると、「90年比25%削減シナリオ」でも、1人当たり年76万円も「豊かになる」(可処分所得が増える)という試算なのだ。

という指摘を受けて、共同通信の記者が前政権が主催していた「中期目標検討会」の資料を当たって裏を取り、記事にしたものと思われる。

どうして9月17日付のコラムの裏が今頃取られて記事になったのかとも思うし、そもそも8月25日という衆議院選挙の直前に、経済産業省が情報をマスコミにリークし、当時産経新聞はこれを「民主党案なら190兆円が必要」などという見出しをつけて記事にして、上記飯田哲也氏に8月25日付コラムで「ここまでくると、露骨な選挙妨害である」とまで書かれていたのである。産経新聞の記事が出た当日付のコラムであり、飯田氏はさすがの迅速さであるが、本当はこのタイミングでこそ、今回の共同通信の記事のような経産省へのカウンターが求められたのである。

結局、経産省産経新聞の必死の抵抗もむなしく、総選挙は自民党の惨敗、民主党の圧勝に終わって、民主党は公約の「グリーンニューディール」政策を推進できるか、メディアや国民からチェックされる立場に立ったわけだが、当然ながら私は大いに結構なことだと思っている。しかし、ネット右翼はそうではないらしく、前記『vanacoralの日記』の記事からもリンクが張られている http://14471.iza.ne.jp/blog/entry/1276659 には、シンポジウム「10・17 日本解体阻止!! 守るぞ日本!国民総決起集会」(草莽全国地方議員の会など主催)に張られた「日本経済弱体化と国民にツケを回す「CO2 25%削減」はやめろ!」という横断幕が写し出されている。当ブログにも、「真正保守(笑)」から下記のようなコメントが寄せられている。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20091018/1255843503#c

日本李登輝友の会会長・小田村四郎氏の発言です。ここでは、CO2の25%削減は国内だけで削減することは不可能なので、後進国・低開発国との排出権取引によって、つまり中国に対して莫大な(日本の)税金を無償で提供することになり、それは日本の国益にかなうものではないからというのが理由です。YouTube の動画「10.17国民総決起集会 日本李登輝友の会会長 小田村四郎」(※)で 2:05 辺りから、その発言があります。
(※) http://www.youtube.com/watch?v=p_3_aGGfZs8

地球温暖化対策は慎重にすべきです。もしかするとCO2は削減する必要が全くない、無駄なことかもしれないのです。それを示しているのが次の動画です。8 ページもあるので全部見るのは大変ですが、非常に有益です。とりあえず最初の1ページだけ 題名と URL を載せます。YouTube の動画「地球温暖化の謎 〜 博士も知らないニッポンのウラ #39 part1/8」 http://www.youtube.com/watch?v=wvpcOmTZo5w 日本は罠にはまらないようにすべきです。

なお私はこのコメントで紹介された動画は見ていない。悪しからず。

とにかく、この事例からわかったことは、vanacoralさんも言われるように、

単純に「ミンスの唱えるものは何でも嫌い」か、もっと突き詰めて「環境問題はブサヨの主張だから嫌い」なんでしょうなあ。

ということだと思う。『きまぐれな日々』に寄せられた拍手コメントには、

z : たしか経済というのは、新たな市場とか投資先がないと行き詰まるのではなかったかと。温暖化対策は既存の設備をスクラップビルドして新たな市場を切り開くビジネスチャンスであり21世紀の公共投資ととらえるべきではないでしょうか。

という指摘がある。その通りだと思うし、経団連やそれに尻尾を振る電力総連、電機連合、それに「真正保守(笑)」たちは、日本経済を行き詰まらせたい、というより行き詰まりかかっている日本経済を立て直したくないかのようだ。

新自由主義者たちはその点多少は賢明であって、たとえば河野太郎民主党政権の「温室効果ガス25%削減」の目標を支持している。ところが、一部の民主党シンパたちが大好きな城内実がこの件について何か発言したという話を聞いたことがない。

ともにろくでもない新自由主義者と「真正保守(笑)」だが、新自由主義者の方がいくぶんましだと私が考えているのは、こういうところにも一因がある。格差や貧困の問題を解決するためには経済成長が必要だという考え方においては、あるいは私は新自由主義者たちと同じかもしれない。ただ、彼らが所得の再分配を否定することを、私は強く批判するものである。経済成長のためには、適切な所得の再分配も必要不可欠なのである。