国の借金、貸し手は誰? - 非国民通信 を読みながら思う。
ですが、よく考えてください。日本政府が発行している国債の95%は国内で購入されているのです。基本的に国債は日本人が買っているもの、そう考えて間違いありません。そして「国の借金」と、何の疑問もなく語られていますが、誰かが借金をする以上、他の誰かがお金を「貸して」いるわけです。では誰が国にお金を貸しているのでしょうか? 言うまでもありません、日本人がお金を貸しているのです。
この当たり前のことを認識していない人があまりにも多いようだ。
私は前々から、神野直彦著『財政のしくみがわかる本』を国民必読の副読本とすべきだと言っている。正しく積極財政を主張している植草一秀氏は、なぜこの本を推薦しないで、ソエジーの陰謀論本なんかを推薦するのだろうか。そして、なぜ自らの主張に反する政策を進めようとしている鳩山政権を批判しないのだろうか。
- 作者: 神野直彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/06/22
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同書131〜132頁より。
誰から借金をしているのだろう
政府が大幅な財政赤字を出して、財政赤字の解消あるいは財政再建が問題になっている、ということを、新聞などで目にするでしょう。この財政赤字の問題を考える場合に重要な点は、これまでもお話ししてきましたが、政府は企業でも家計でもなく、いずれの経済主体でもないということです。そのことを認識して考えなければなりません。
企業が借金している意味と家計が借金している意味が違うように、政府が借金している意味も、企業が借金をしている意味と家計が借金をしている意味とは、まったくちがっています。政府はいま大きな借金をかかえているといっていますが、政府は誰から借金をしているのでしょうか。政府は国民から借金しているのです。
(神野直彦 『財政のしくみがわかる本』(岩波ジュニア新書、2007年) 131〜132頁)
このことは、何度でも周知し続けるしかないようだ。