kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「天皇の政治利用」の件で、自民党にブーメランか?

天皇の政治利用」の件が大騒ぎになってきた。

こういう政治思想的な問題になると、『日本がアブナイ!』と私は波長がかなり合う。と言ってももちろん私の方がより「左」ではあるけれども。
天皇会見1ヶ月ルール騒動に思うこと(1)~羽毛田会見の不思議&保守が総攻撃開始? : 日本がアブナイ!

 ただ、果たして、この件は、ここまで大騒ぎしたり、問題視
されるべきことかと言えば、そうであるとは思わない!(**)

 むしろ、マスコミがこの件を大きく取り上げたり、羽毛田長官
や政治家などがアレコレ言うことによって、中国側だけでなく、
誰より、天皇陛下が、心やすらかに公務ができなくなることを
懸念するところもある。(-"-)

 そして、実は、このニュースを見た時、真っ先に「あ〜あ、
また、何で、ウヨ保守が喜んで攻撃しそうなことを、わざわざ
やってくれちゃったのよ〜」と、ぼやいてしまったのだが。
 今回のことで、ここぞとばかりに自民党や保守勢力が、批判を
浴びせて来ていることには、辟易とさせられる部分も大きい。(-"-)

<保守勢力が、この件を利用して、鳩山内閣小沢幹事長
アレコレ批判するのは、逆の意味での、天皇の政治利用だと言える
面があるんだけどな〜。(・・)>

もちろん自民党の政治家がこの件を大騒ぎするのは「天皇の政治利用」にほかならない。

 このニュースを見て、mewが、すごく不思議に思ったことは、
何故、羽毛田長官は、11日に緊急会見を開いて、わざわざ、
公の場で、こと細かに経緯を語ったり、鳩山内閣を批判するような
発言をしたりしたのかということだった。(**)

私は「不思議に思った」というより、羽毛田という男は「真正保守」の一派なんだなと直感した。

 そして、案の定、この件に関して、特に保守系のメディアや
政治家などが、次々と批判を呈して来たのを見て、mewは、
ますますため息をつきたくなってしまった。(-"-)

 中でも超保守系の人たちにしてみれば、天皇は国体or国家元首
であるべき最重要な存在であるが。中国は敵視&嫌悪している人
が極めて多いだけに、これは格好の攻撃材料になる。^^;

 しかも、もともと超保守系の人たちは、民主党政権が、中国との
外交関係を重視していることを批判する部分が強いのだけど。
 近時は、外国人参政権への警戒感が強まっている上、たまたま、
羽毛田長官の会見が、民主党小沢幹事長が、大訪中団と共に、
中国を訪れていた時期と重なったこともあって、まさに「ここぞ」
とばかりに、批判の矛先を向けて来た、(>_<)

 超保守派の代表格である安倍晋三元首相も、素早く反応。(・o・)
 12日には、早速、自分のメルマガに批判を載せ、14日には
安倍氏が新会長になった真・保守政策研究会をはじめとする
保守系団体のメンバーを集めて、緊急会合を開き。さらに、記者
団の取材に応えて、次のように述べたという。

『安倍元首相は14日朝、「(民主党の)小沢幹事長、あるいは
鳩山首相が自分たちのために、国益ではなく自分たちのために、
今まで守ってきたルールを破った。天皇陛下を政治利用したと、
こう断じざるを得ない」と述べた。
 また、今回の会見は、小沢幹事長が140人以上の国会議員を
率いて中国を訪問したことと「セットだと思わざるを得ない」と
主張した。その上で、「今からでも遅くないから、中国側に会見
を取り下げてもらうべきだ」と述べた。<日テレニュース14日
より>』

そもそも、復古的憲法改正を目指す安倍とか城内実*1が、「天皇の政治利用」を批判すること自体どうかしている。安倍や城内はいつから「象徴天皇制」の支持者になったのだろうか。彼らの論法は象徴天皇制支持者の論法にほかならないのだが、その矛盾を突かずに「天皇の政治利用」の批判に同調する「リベラル」たちもどうかしている。

ところで、批判を受けている小沢一郎鳩山由紀夫もまた改憲論者だ。但し、天皇主権への復帰を目指す「復古的改憲論者」ではない。そして、より強烈なタカ派だと見られている前原誠司(やはり復古的改憲論者ではない)が、こんな発言をした。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091216k0000m010046000c.html

天皇陛下特例会見:元首相、自民党も要請…前原国交相発言

 天皇陛下と中国の習近平国家副主席との会見が特例的に設定された問題で、前原誠司国土交通相は15日、「元首相、自民党の方から要請が首相官邸に届いたということで、我々がルールを曲げたということではないと聞いている」と述べ、元首相から会見を実現するよう要請があったとの見方を示した。自民党から「天皇の政治利用」との批判が出ており、けん制する狙いがあるとみられる。

 これに関連し、平野博文官房長官は同日の記者会見で「コメントは差し控えたい」と述べるにとどまった。岡田克也外相は「いろんな人のところにいろんなことを言ってきたと聞いているが、私のところには来ていない。事実かどうか承知していない」(同日の記者会見)と語った。

 一方、自民党谷垣禎一総裁は事実関係は把握していないとしたうえで「前原さんが何のためにそんな発言をしたかつまびらかでないが、まさに『顧みて他を言う』ことではないか」と批判した。

毎日新聞 2009年12月15日 19時44分(最終更新 12月15日 21時12分)

この前原発言で、「2ちゃんねる」は大騒ぎになっているらしく、中には「前原はまた偽メール事件と同じくガセネタをつかまされた」などと言っている人たちもいるそうだ*2。しかし、それはネット右翼の願望に過ぎないだろう。

「偽メール事件」の頃、「ブーメラン」といえば民主党お家芸だったが、いまや自民党民主党のお株をすっかり奪った。今回も、谷垣禎一安倍晋三は、いい面の皮だった、ということだろう。

それにしても、もとは「保守本流」の出でありながら「真正保守」路線を走る谷垣はイタい。現在の路線のままだと、自民党にも谷垣自身にも明日はない。