kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

したたかな橋下徹。大阪府独自の朝鮮学校助成を示唆(追記あり)

高校無償化の朝鮮学校除外の件は、政権のガン・中井洽が言い出したものだが、これを煽ったのが橋下徹だった。城内実も国会で何かほざいたらしいが、私のような物好き以外にはほとんど注目されていない。

結局、政府はとりあえず朝鮮学校を対象から除外し、第三者機関に朝鮮学校の教育内容を検証させるとという馬鹿げた決着のつけ方をした。第三者機関が日本の高校の教育課程に類すると判断した場合は、実質無償化の対象に加える可能性もあるとのことだが、「日本の高校の教育課程に類する」との判断が下されることは、「第三者機関」の検証を待たずとも明らかだし、その間朝鮮学校を高校無償化から除外するという事実だけは残るのである。もちろん、こんなことは世界的には非常識とみなされる。また人種差別撤廃委員会から批判されるかもしれない(少し前に、何人かの委員が朝鮮学校の無償化除外の動きに懸念を表明した)。

一方、橋下徹は下記のパフォーマンスを展開している。
http://www.asahi.com/kansai/sumai/news/OSK201003130011.html

朝鮮学校、総連と一線を」橋下知事 学校側は検討約束

 高校無償化制度の対象に朝鮮学校を含めるかどうか議論になっている問題で、大阪府橋下徹知事は12日、同府東大阪市大阪朝鮮高級学校など朝鮮学校2校を視察し、学校を運営する法人理事長や学校長らと会談した。知事は法人側に対し、府独自の補助金を出す条件として、在日本朝鮮人総連合会朝鮮総連)との関係を絶つことや、北朝鮮の指導者を崇拝するような教育をしないことなどを要望。法人側は対応を検討すると約束した。

 橋下知事は、国が朝鮮学校を無償化制度から除外した場合でも、法人側の回答次第では府独自に助成する方針だ。
asahi.comより)


朝鮮学校の教育に介入しながら、国が朝鮮学校を無償化の対象から除外している間に、先手を打って大阪府独自の助成を行うことを示唆するなど、政府の先手を打っている。

まことに悪知恵がよく働くやつであって、まるでかつての東尾修の投球術みたいだ。内角高めのブラッシングボールで政府や朝鮮学校をのけぞらせておいて、外角低めの変化球で打ち取るやり方。先に朝鮮学校の無償化対象除外や、府内の朝鮮学校に対する既存の「外国人学校振興補助金」の打ち切りを示唆しておいて、あとからこんなことを言い出すのだから。こういうしたたかなやつが、右翼側・新自由主義側にいて、拍手喝采を浴びるのだからたちが悪い。「友愛」を看板にしている鳩山政権はいい面の皮である。

鳩山政権は、橋下の悪行は何も見習う必要はないけれども、橋下の行動のスピード感は大いに見習うべきだと思う。鳩山政権にはあまりにもスピード感が欠ける。以前鳩山由紀夫民主党代表を務めた2002年に、党運営に失敗して民主党の支持率を一桁パーセントにまで落としてしまった失態を今回も繰り返しているようにも見える。鳩山首相は退陣すべきではないかと思うようになってきた。

[追記]
予想通り、人種差別撤廃委員会は、高校無償化の対象から朝鮮学校を除外するのは、日本が1995年に締結した人種差別撤廃条約違反に当たるとして、15日にも日本政府に対し、改善を勧告する見通しになった。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100313k0000m010140000c.html

まったく、とんだ恥さらしである。