kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「コタツミカン」ではなくて「コタツブタ」らしい

http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100407/1270572802 より。

カウチポテト」という言葉が(日本で)言われ出したのは1980年代前半のことで、日本風に言いかえたらコタツミカンだねとか言っていた。


80年代前半。その頃だよねえ。私は「カウチ(couch)」という英単語を知らなくて、「なんだ俺の知らない単語を使いやがって」と思った記憶がある。こんな死語を持ち出して人の悪口を言う kaetzchen の言語感覚もまた、80年代前半当時から全く進歩していないことがうかがわれる。

ところで、ネット検索していたら、こんな記事を見つけた。


http://homepage3.nifty.com/tak-shonai/intelvt/intelvt_022.htm

もうほとんど 「死語」 になりかけているので、安心して例に出させていただくが、「カウチポテト」 という言葉が初めて紹介された時も、かなりヒドかった。憶えておられる方も多いだろうが、「カウチ (寝椅子) にねそべって、ポテトチップスを食べながらビデオ三昧する人たち」 という紹介のされ方だった。

まともに英語を学んだ人なら、ここで頭の中に 「?」 が 3つくらい浮かんでこなければならない。原語は "couch poptatoes" である。 「寝椅子のイモたち」 である。どうも、「ポテトチップスを食う人」 ということではなさそうだ。仮に、動詞的に 「カウチポテトする」 という意味で使われるなら、"do couch-potato" とかいう言い回しになるはずで、それなら potato は複数形にならない。

調べれば簡単にわかることなのだが、"potatoes" には、「つまらないやつ、くだらないもの」 という意味がある (なぜか、複数形で使われるようだ) 。だから、「カウチポテト」 の 「ポテト」 は、ポテトチップスのポテトではなく、「日がな一日寝椅子でビデオばっかり見ているつまらないヤツ」 そのものを指しているのだ。たまたま、そういう種族はスナック菓子と清涼飲料水ばかり口にしているので、「ポテトがポテトを食っている」 という洒落的な感覚もあったかもしれない。

カウチポテト」 は本当は、単に日本語でも言うところの 「こたつネコ」 とか 「座布団ブタ」 と同じような言い回しだったのである。これなんかは、最初の紹介のされ方がいい加減だったために、今でも誤解されている例である。「死語」 を紹介しているウェブページでも、「カウチポテト」 は 「カウチポテト(名) : ポテトチップをつまみながらソファでビデオ鑑賞すること」 とされている。ああ、既に古典的誤解になってしまった。


これは2002年の記事で、リンクを張られている「『死語』を紹介しているウェブページ」はリンク切れになっている。そこで、「ネット左翼」(笑)の大好きな植草一秀センセの盟友・ソエジー副島隆彦)に誹謗中傷された*1 *2ことでも知られる研究社の英和辞典*3を見ると、なるほど下記のようにある。

couch potato
cóuch potáto
―【名】【C】 《口語》 カウチポテト 《余暇はテレビばかり観る人》.
[ソファーにジャガイモのように寝そべってテレビばかり見ていることから]


なるほど、「ジャガイモを食べながら」ではなく、「ジャガイモのように寝そべって」である。「『こたつネコ』 とか 『座布団ブタ』 と同じような言い回し」という指摘は正しいようだ。

余談だが、「こたつネコ」というと高橋留美子の『うる星やつら』を思い出してしまう私なのであった。