kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

ネーミングだけで失敗が予想できる「日本創新党」と「植草一秀」の共通項

ネーミングのダサさに吹いた。
http://www.asahi.com/politics/update/0418/TKY201004180137.html


ATOKでは、「日本送信塔」と変換してくれる。まさしくトンデモ電波政党にふさわしい。また、「日本新党」という政党が過去に存在したが、この4文字の真ん中に「創」という文字を割り込ませている。徳川家康にいちゃもんをつけられて攻め込まれそうだと思ったが、あいにく日本新党はもう存在しない。いずれにせよ、ネーミングの時点でこの新党の失敗は決定的だ、そう私は思った。

ところで、テレビ朝日小宮悦子が司会する番組で、この新党の宣伝をしていたが、製作の骨子を示すフリップに、「小さくて賢い政府」と書かれていた。これを見て、私は植草一秀が理想とするという「良い小さな政府」*1 *2を思い出した。「小さな政府」を理想とする点で、植草一秀と「日本創新党」は共通している。

その植草一秀は、最新のエントリ*3で阪大教授の小野善康を批判している。

 菅直人財務相が「増税しても税金の使い方によっては景気が悪くならない」と発言したが、この発言は小野善康大阪大教授の考えに引きずられているようだ。純粋経済学的な分析の視点に立てば、この発言は間違いである。

 菅直人財務相は適正なブレーンを確保して経済政策を立案しなければ、大きな失策を犯すことになるだろう。


小野善康教授については、『きまぐれな日々』で取り上げたことがある*4

たとえば小野善康著『景気と経済政策』(岩波新書、1998年)という本があり、ネット検索したらこちらに要旨が出ていた。小野氏は、不況期にこそ財政出動をせよ、不況期の財政赤字は余剰資源の有効活用ができるからかえって好ましい、不況期に必要なのは、政府が民間では吸収し得ない余剰労働力を積極的に使って、意味のある公共財を供給することである、国債発行は将来世代の負担になるというが、この議論自体にも多くの誤りがあり、特に不況期には負担にならないなどと主張している。


上記からリンクを張った小野教授の著書の要約を見る限り、植草一秀が小野教授を批判する理由がよくわからないが、小野教授が「好況が来たら、直ちに公共事業を減らすとともに、増税して国債を償還する(べきだ)」と主張しているところが、「良い小さな政府」論者、すなわちいついかなる場合にでも国民の分担(税金)は少なくあるべきだ、とする新自由主義者植草一秀には気に入らないのであろう。当然、好況期になれば所得税の課税ベース拡大などによって増税を図る、神野直彦教授の成長路線に対しても、植草は反対であろうと推測される。なお、小野教授が言う「増税」とは必ずしも消費税を意味するわけではないが、植草はあたかも小野教授が早期の消費税増税を主張し、菅財務相が小野教授に追随しているかのような悪質な印象操作を行っている。

ポピュリスト植草の面目躍如だが、そもそも植草のような主張は、裏を返せば政府の公共サービスは小さくても良いと主張していることを意味する。このことを、植草ブログの読者はよく認識すべきだろう。

そして、新自由主義者の植草には、是非とも「日本創新党」との共闘を表明していただきたいものだと思う。