kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「小沢一郎」 vs. 「みのもんた」の権力闘争だよな

一方に小沢一郎の顔色ばかりをうかがって、烏合の衆と化している民主党の政治家たちがいて、他方に「善良な市民感情」を振りかざす野党やマスコミがいる。この図式は、私には「小沢一郎」と「みのもんた」の権力闘争にしか見えない。マスコミは批判能力が失われているという以前に、片側の「権力」に成り下がっているので、せめてネットで市井の人間が「権力者」たる小沢一郎みのもんたを批判するしかない。

検察審査会のくじで選ばれた一般市民11人が中立公正に判断したという建前になっているが、その胡散臭さを感じている人は決して少数ではないだろう。しかし、一方の権力者そのものであるマスコミは、決してそんなことは言わない。ベテランジャーナリストの岩下俊三氏は、そこを突く。
岩下俊三のブログ : 小沢を擁護したくないが、「起訴相当」は間違い。司法崩壊

まず前提として、個人的に小沢一郎が嫌いであることを表明する。生理的嫌悪感があることはこのブログでも何度も述べている。細川政権の時代から今に至るまで、彼との単独インタビューを幾度となくしてきた。職業柄仕方ないとは言え、同時空間にいること自体「キモイ」という理屈を超えた個人的な感情もあった。

にもかかわらず、このたび検察審査会が下した「起訴相当」に異議を唱えたい。

もちろん誰も小沢が潔白であると信じてはいまい。しかし日本が曲がりなりにも法治国家である限り、「疑わしきは罰せず」である原則は変えられない。厳正な捜査に基づき、法と照らし合わせて「裁判勝てると思われる充分な証拠が揃わないので」起訴せず、結果「推定無罪」とされていることは、言うまでもない。まして恣意的な起訴も起訴抑制も許されるべきではない。世に言う「市民感情」や「世論」という曖昧なもので、司法判断がなされることは、断じてあってはならないのである。しかも、もし市民感情や世論と言われているものの実態が、マスコミの捏造したものであるならば、それは「世論ファッショ」とも擬せられる忌むべきものに他ならない。

国会は国の最高機関である。司法も同じことだ。それが流動的かつ曖昧な、しかもその底流あるマスコミ制作「世論」が、何時の間に、最高機関となったのか私は寡聞にして知らなかった。検察審査会のくじで選ばれた「法律の専門家ではない一般の市民」11人が判断しただと、、、嘘つくにも程がある。その「市民」様を輔弼する法律のプロが何人もいる実態をなぜ隠す。そもそも、法律要件すら知らない素人が、その道のプロである検察にクレームをつけて「貴方が下した不起訴処分が疑わしいので、もう一回捜査しなさい」と法的に判断できるということが不自然であろう。

この件は当然地検でまた不起訴となって、二回目の検察審査会を経て「強制起訴」に持ち込まれたとしても、裁判で「無罪」が確定するであろう。しかし例え法的にはそうなっても、「人民裁判」のようなマスコミのつるし上げ「捜査」は延々と続き、「政治家」生命を絶つだろう。いままで判決が確定する前にこうした「世論」のリンチで、どれだけの「政治家」が政治生命を絶たれてきたことだろう。もちろんそれを「天罰」として片付けるのもひとつの見識かもしれない。だとしたら、司法制度まして司法の独立などという夢想を止めるしかないだろう。

〜政治家殺すにゃ刃物はいらぬ。捜査を何回もやればいい。〜所詮政治家とは土方みたいなものだろうが、、、。

何度でも言う、私は小沢が嫌いである。しかし矛盾や不条理はもっと嫌いである。個人的趣味や嗜好は人の自由であるけれど、今回の検察審査会が不偏不党だとは思えない。そしてその判断が、さも公正であるかのような「報道」は許せない。法の正義と政治世論とは別なものだ。

小沢を擁護したくないが、検察審査会の判断には断固抗議する。


私もまた、小沢一郎は嫌いだが、それ以上に検察審査会が「超権力」として振る舞うことに拒否感を持つ。そして、検察審査会自体、小沢一郎という権力者に対峙する、いま一方の権力とつながっている。これはもちろん陰謀仮説だが、おそらくこの仮説は正しいだろうという心証を私は持っている。

そもそも、日頃は権力に対峙する、チェックする、批判するといいながら、検察審査会が全員一致で「起訴相当」と議決するという極端な結果を出して、それを「善良な市民感覚」の発露だと自画自賛することを、もう一方の権力側が持ち上げる。これは露骨なプロパガンダだろう。そのことに疑問を持たないような姿勢こそが、郵政総選挙における小泉自民党の圧勝及びその結果生み出された小泉純一郎の独裁や、昨年の総選挙で圧勝した民主党における小沢一郎の支配を許してきたのだ。普天間基地問題でアメリカが高圧的な態度をとるのも、日本人には権力と向き合うことなどできず、強気に出て既成事実を作ってしまえば唯々諾々とそれに従い、その決定にいつまでも不満を持っている人々に共感するどころか「村八分」(仲間外れ)にする心性を持っていることを理解しているからだ。

根はすべて同じ。「長いものに巻かれろ」という日本人の心性が諸悪の根源である。