kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

プロスポーツと殺人

昨日(17日)、W杯サッカーでアルゼンチンに大敗した韓国の最初の失点はオウンゴールだったが、W杯のオウンゴールというと思い出すのが16年前のアメリカ大会のことだ。

優勝候補の一角といわれたコロンビアの選手がオウンゴールを犯して開催国・アメリカに敗れたのだが、ショッキングな事件が起きたのはその直後だった。帰国したディフェンダーの選手が射殺されたのである。

その試合は大番狂わせだった。当時アメリカは弱いと見られていて、決勝トーナメントに進んだことがなかった。そのアメリカが開催国になり、主催国として初めて決勝トーナメントに進めない国になることは確実といわれていたのである。なぜ覚えているかというと、当時日本がW杯開催に名乗りを上げることになっていたからだった。日本は、決勝トーナメントどころか、予選を突破したことさえなかったが、日本より先に予選を突破できない主催国になると見られていたのがアメリカだったのである*1

アメリカはこの1勝が決め手となって不名誉な第一号は免れたが、オウンゴールを犯した選手は、おそらくサッカー賭博に関係した勢力の差し金によって命を落とした。

サッカーに絡んでは、殺人どころか戦争まで起きたことがあること(1970年のメキシコ大会予選のホンジュラスエルサルバドル戦をきっかけにした「サッカー戦争」)を知ったのもその時だった。

ところで、日本のプロ野球に絡んでも殺人事件が起きたことがある。私が知っているのは下記の二例である。以前書いたことがあるかもしれないが、覚えていないので改めて書く。

まず、1976年の日本シリーズ、巨人対阪急戦で、初戦から3連敗した巨人が3連勝して対戦成績をタイにして、最終戦も巨人有利と見られていたが、阪急が勝って日本シリーズ連覇を達成した日、優勝を喜ぶ阪急ファンを見た巨人ファンが逆上して、阪急ファンを殺した。この事件は大阪で起きた。当時は関西にも巨人ファンが多かった。

もう一つの例は、1982年のセ・リーグ首位攻防戦の中日対巨人戦で、大量リードを許した中日が、土壇場の9回に巨人のエース・江川を打ち崩して同点に追いつき、延長戦の末サヨナラで巨人を下した夜、東京で祝杯をあげていた中日ファンを巨人ファンが殺した。この時代、東京で巨人ファンを挑発するのは危険だったのだろう。

以上の二例は、いずれも殺人を犯した加害者が巨人ファンだったが、もちろん阪神や中日のファンの気性が荒いことは当時から有名だった。そして、それ以上に危険だといわれていたのが広島で、また聞きだが、近所に住むセ・リーグの審判が、「広島に行くのは嫌だ」(関西在住のセ・リーグの審判は、名古屋や広島に出張しなければならなかった)と漏らしていたという話を聞いたことがある。初優勝を遂げる前の広島ファンは本当に熱狂的で、微妙な判定でカープが敗れた日には、巨人や阪神などの相手球団の選手を乗せたバスを広島ファンが取り囲んで騒ぎ、宿舎に帰らせなかったという話が時々あった。

*1:結局、2002年大会で日本も韓国も予選を突破し、南アフリカが貧乏くじを引くはめになりそうなことは周知の通り。