kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「天皇陛下はユダヤ財閥の傀儡だぞ」 = 戦争中からあった「ユダヤ陰謀論」

ジョン・W・ダワーの『昭和』を読んでいるところ。


昭和――戦争と平和の日本

昭和――戦争と平和の日本


この本の第4章「造言飛語・不穏落書・特高警察の悪夢」に興味深い記載がある。『特高警察』昭和17年6月号からの引用として、下記のような「不敬言辞」が紹介されているのだ。

俺は召集されても天皇陛下の為めに死ぬのは厭だ
日本は皇室を倒さんと本当の幸福は来ないのだ
天皇陛下ユダヤ財閥の傀儡だぞ*1

(ジョン・W・ダワー『昭和』(みすず書房、2010年) 118頁)


O.ヘンリー氏を思い出してしまったことはいうまでもないが、「反ユダヤ思想」は昔から結構根強いようだ。

*1:「『特高警察』昭和17年6月分:18」という引用元の文献が示されるとともに、「これらの侮蔑的言辞には、反ユダヤ思想がときおり現われる」(以下略)と付記されている。