すっかりプロ野球中継を見なくなったので全然知らなかったのだが、スポーツニュースを見ていたら、巨人の松本という打者が「天秤打法」をやっているではないか。これには驚いた。
私は少年時代、大洋ホエールズ・近藤和彦の「天秤打法」が大好きで、よく真似したものだ。私が「天秤打法」を知った頃は、既に近藤の引退直前だったが、それでも強烈な印象を受けた。
私は生まれも育ちも関西で、プロ野球といえば阪神と巨人しかないような土地柄だったが*1、子供の頃の私は大洋ファンにまではならなかったけれど、近藤和彦や松原誠、のちにはシピンやボイヤーといった強打者が固める大洋打線が好きだった。当時の大洋は、巨人、阪神に次ぐ3位が定位置で、なかなか強かった。それが証拠に、『巨人の星』では、主人公の巨人・星飛雄馬、宿命のライバルである阪神・花形満に次ぐ「第三の男」左門豊作は大洋ホエールズの選手だった。星一徹・オズマの中日は4番目の球団で、広島とヤクルトにいたっては無視されていたのである。それはともかく、関西にいながら阪神でも巨人でもなく、大洋打線を好んでいた私には、のちにアンチ巨人兼アンチ阪神*2になる下地がその頃からあったのかもしれない。