kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

河村たかしと小沢一郎の「減税」

しばらく前に、共同通信がこんなことを報じていた。
http://www.47news.jp/CN/201009/CN2010090701000740.html

名古屋の解散リコール苦戦気味 署名集め、11日で2割未満


 名古屋市議会解散の直接請求(リコール)の署名活動を進める河村たかし市長の支援団体「ネットワーク河村市長」は7日、先月27日から11日間の活動で、5万5245人分の署名が集まったと発表した。

 リコール手続きを進めるには、1カ月で有権者約36万6千人の署名を集めなければならない。期間の3分の1が過ぎた段階で、必要数の2割にも達していないことについて、同団体の鈴木望代表は「人手が足りず苦闘しているが、悲観はしていない。エンジンがかかれば集まる」と強調した。

 今後は街頭の署名会場やボランティア協力者を増やすなどして巻き返しを図るという。

 河村市長は記者会見で「減税恒久化や議員報酬半減への支持は高く、市民の問い合わせも多い」と話し、活動の手応えと署名者増に自信を見せた。


2010/09/07 19:20 【共同通信


この記事についた「はてなブックマーク*1に、私は「ざまあみろ」というタグをつけたが、

ふーん。 地元マスゴミがあおってないから?

というコメントをつけた方がおられたので、そういえば中日新聞河村たかしをどう報じているのだろうかと思った。

ちょっと調べた限りでは玉虫色の報道しかしておらず、私には中日新聞は河村に甘過ぎるとしか思えなかったが、それでも橋下徹マンセーする大阪のマスコミよりはましなのだろうか。

集まった署名数についてはその後発表はないようだが、引き続き注視したい。

何度も何度も書くけれども、小沢一郎民主党議員の一部秘書が、河村が進める名古屋市議会のリコール運動に協力しているという毎日新聞の報道*2を、特に私は問題視している。

このことにこだわっている人間はほとんどいないようだが、これは小沢一郎の目指す政治の方向性を知るためには欠かせない件だと思っている。なぜならこの政策は、小沢一郎は「サービスの大きな政府」を目指す政治家ではないことをはっきり示すものだからだ。

その意味で、民主党代表選の論点として小沢一郎が「所得税と住民税の大幅減税」を記者クラブ主催の公開討論会で言い出しながら、それをその後強調しなかったのは残念だ。この政策の是非の議論は、税制改革の方向性とも絡む、大きな論点となるはずなのに。

しかも、小沢一郎民主党議員の秘書が河村のリコール運動を支援しているとなると、その成否はよけいに注目される。7日の報道のように、署名が集まらず河村が苦戦しているとなると、小沢一郎が「所得税と住民税の大幅減税」を強く打ち出さなかった理由がうすうすわかる。

要するに、減税政策への支持は必ずしも強くないのである。つまり、減税で国民をたぶらかす、古い新自由主義のやり方が通用しない時代になっている。菅直人が言い出した消費税増税の件で消費税の逆進性が注目されたが、この時同時に所得税の累進性も注目されたのだ*3。このことを認識する国民は増え、「減税」といえば飛びつく、という時代ではなくなったのだが、小沢一郎はこの流れに立ち遅れている。

一括交付金で財源を捻出するという件も同じで、福井県のスキー場の例の一点張りで支持を集められると思っていたらしい小沢一郎の感覚には驚き呆れるばかりだ。このことは、『日本改造計画』を上梓した自民党時代の1993年から、新生党新進党自由党を経て、2003年に民主党に合流するまでの間に小沢一郎が掲げていた主張が、今でもすんなり受け入れられると小沢一郎自身が考えていたことを意味する。

一括交付金の件がターニングポイントになって、代表選の情勢が菅直人有利に傾いたとする分析もある。私は、一括交付金の件は、それ以前から勢いのなかった小沢一郎の足をさらに止めただけだと考えているが、政策でもアピールできなかった小沢一郎は、いよいよ苦境に追い込まれたようだ。

結局、小沢一郎自民党時代や自由党時代から何も変わっていなかった。だから強い支持が得られなかったのである。あとは田中角栄譲りの集票力がどこまで効くか、小沢一郎の勝利はそれだけにかかっている。