kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

信頼されている有名人が安易にブログを書く弊害(「池田香代子ブログ」論)

このところ、当ブログで「プチ池田香代子バッシング」を繰り広げている形になり、もともと池田さんが翻訳した本の愛読者だった私としては、少し心苦しいところもあるのだが、池田さんが「護憲派」として信頼されてきた人で、現在も池田さんの主張に耳を傾ける人が多いことを考えると、そんな有名人がろくろく調べもしないで安易にブログ記事を書くことを、厳しく批判せざるを得ない。これは、市井のブロガー同士の批判合戦とはわけが違う。

昨日もちょっと書いた、池田さんの「熊にドングリを」*1については、私自身意識が低く、「はてなブックマーク*2で批判コメントが多数ついているのを知らなければ、読み飛ばしてしまったに違いない記事だが、それでも、もし私が池田さんの立場で「日本熊森協会」から情報提供を受けた場合、「日本熊森協会」について調べものをした上で、本当に賛意を表するに値すると判断してからブログで記事にしただろう。

熊森協会については、安易に野生動物に餌をやることで、生態系の破壊をもたらすという本質的な問題が一番大きいようだが、「熊援護」が原理主義と化して、人命を守るために熊を射殺したハンターへの誹謗中傷に走ったり、なぜかニセ科学にかぶれたりするトンデモぶりも、生態系の破壊をもたらす運動同様、厳しく批判される必要がありそうだ。

この件について昨日書かれたブログ記事として、下記エントリを紹介する。
http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20101101


詳しくはリンク先をご参照戴きたいが、安易な野生動物への餌やりがもたらす悪影響が主要な論点だ。

ここでは、熊森協会の人たちの暴走を批判した、コメントへの書き込みを引用して紹介する。コメントを寄せたのは、ブログ『日々是雑感』*3を運営されている、泉ヶ丘さんと仰る方である。

 某協会につきましては、私は全否定するものではないものの、その主張や活動の大部分にかねてから疑問を持ち、昨年起きた乗鞍・畳平スカイラインでのツキノワグマによる大量加害事故が発生した際には、襲われている人を助けようとして重傷を負った方を誹謗中傷する見解をUPするのを見て、拙ブログではその言動を監視して批判することをしておりました。
(現在、名誉棄損などで訴訟されるリスクを回避するために表現を全面修正中です)。

 多面的に物事を考えもせず、自分の気分感情を充足させるためだけに、他人の都合を考えもしない。
 ・・・そんな連中が、近年、急速に増えてきたように思います。某協会だけが問題なのではなく、そういう輩が増えて来ている象徴に過ぎないのでは?と脱力している最近です。


池田香代子さんが安易に賛意を表したのは、そういう団体らしい。

そもそも、本業の翻訳活動はともかく、池田さんのブログ記事は安易すぎる。素人のブロガーだってやっている調べものを、池田さんはろくすっぽやらない。だから、私がかつて批判した例だけでも、池田さんご自身が訳した『ソフィーの世界』の邦訳出版年まであやふやな、時系列がデタラメの記事を書いたり*4若泉敬の著書も読まずに若泉敬論を書いたり*5してきた。

「ふざけるな」と言いたい。池田さんには、ご自身が「護憲派」として多くの人々から信頼を受けていることをよく自覚して、「たかがブログ」などと安易に考えて記事を書き飛ばすことなどせず、せめて少しくらい下調べをしてから記事を書いていただけないものか。

現状では、池田さんのブログは、単に護憲派のみならず日本の社会、経済、政治、そして人々の暮らしにとって、百害あって一利なしである。