kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

尖閣ビデオ問題と、極○テトラゴン「安倍・城内・平沼・稲田」の主張

尖閣ビデオ問題は、あまり取り上げたくない話題なのだが、ここぞとばかり右翼連中が大攻勢をかけている現状では、対抗言論の論陣を張らざるを得ない。

まず、当ブログにid:AmahaYuiさんからお寄せいただいたコメント*1より。

AmahaYui 2010/11/12 14:19

あえて言う。


こんな→http://bit.ly/a73GEp
ことをいう人に総理にはなってもらいたくないですよ。
これは言っちゃったらサイテイだろ。


誰のことかと思ったら安倍晋三だった(笑)。

ビデオ流出職員を称賛=「逮捕するのはおかしい」―自民・安倍氏

時事通信 11月11日(木)19時19分配信


 自民党安倍晋三元首相は11日配信のメールマガジンで、中国漁船衝突ビデオを流出させたと名乗り出た海上保安官について「日本の正統性を国民と世界に示した」とたたえた。一方で、映像を非公開とする判断を主導した仙谷由人官房長官に言及し「ひざを屈して日中首脳会談をやりたがる男と、どちらが愛国者か答えは明らかだ」と批判した。
 安倍氏はまた、「保安官を逮捕するのはおかしくないかと友人から問われたが、その通りだ」とも指摘した。 


安倍晋三というと私が反射的に思い浮かべるのは、安倍のほか、城内実平沼赳夫稲田朋美が形成する「極○テトラゴン」だ。麻生太郎を入れてペンタゴンにしろ、という人もおられるかもしれないが、動機が不純な麻生はこれには入れたくない。で、彼らの反応も調べてみた。まず御大・平沼赳夫から。ソースはJCASTニュース*2

たちあがれ日本平沼赳夫代表は同10日、映像流出行為は「義憤を感じて」のことだろうとしつつ、担当閣僚や首相の「秘密漏えい」への責任を明らかにする必要があるとして、「辞任を含めて強く要求したい」と退陣を求めた。


あれあれ、平沼御大は安倍晋三よりいくぶん慎重なんだ。

次は、先月『きまぐれな日々』のアクセス数を大きく押し上げた、いまや酷使様たち最大の希望の星、稲田朋美センセだが、尖閣問題ではいろいろ発言していたにもかかわらず、ビデオ流出問題に関する発言は見つからなかった。2ちゃんねるの「稲田朋美等を徴兵して戦闘地域に送り込むスレ9」*3には、

尖閣ビデオ流出でほくそ笑んでそう、稲田センセイ。

と書かれてはいるけれど*4

さて、真打ちはわれらが城内実大センセである。なにしろセンセは、「日本熊森協会」の向こうを張って、「センカクモグラを守る会」のシンポジウムに出席して、

我が国の固有種、センカクモグラを当たり前のように守るという議連を立ち上げる。これは右だ左だ、リベラルだなどという問題ではない。

と、お得意の「右も左もない」という持論を開陳しておられる*5


脱線するが、この件について調べてみると、面白い事実に行き当たる。「森の虎じろう」さんと仰る保守の方が書いた記事「尖閣諸島と生物多様性」経由で、横畑泰志・富山大学準教授らによる論文「尖閣諸島魚釣島の生物相と野生化ヤギ問題」に行き当たった。以下引用する。

魚釣島にヤギが導入されたのは 1978年で,日本の民間政治団体によって雌雄各1頭が与那国島から持ち込まれ,故意に放逐された.導入の目的は,同時に行われた建造物(一般には「灯台」と呼ばれている)の設置とともに,「領有権の主張のための既成事実づくり」とされている(1993年6月3日付中日新聞).これ以前にも魚釣島でヤギが野生化していたことがあると伝えられていたが(高良,1954),何らかの理由で死滅したものと考えられる.ヤギが持ち込まれた翌年の1979年には,沖縄開発庁の主導による上陸調査が行われ,雌雄の成獣と 2 頭の幼獣,計4頭が目撃されている(池原・安部,1980;白石・荒井,1980).1991年に行われた現時点で最新の上陸調査では,洋上から島の南斜面だけで約 300 頭が目撃されているが(横田,1998),この頭数は採食のため森林から出てきた個体のみを数えたものであり,実際には北斜面や森林の中にさらに他の個体がいた可能性が高い.
1999年には朝日新聞社の航空機による上空からの現地取材が実現し,著者らも同行した.詳細はYokohata(1999)および横畑・横田(2000)で報告したが,島の北西部の崖上に存在していた草地の拡大や,ビロウ林の林縁植生の消滅が観察された.


この「日本の民間政治団体」というのは、おそらく城内実センセらの強い味方に当たる人々だと思うが、やっていることは一部護憲派から絶賛されている「熊森」と変わらない。なるほど右も左もなく、城内センセの慧眼は素晴らしい。

で、そんな城内実センセだが、極○テトラゴンの中でも、尖閣ビデオ流出問題に関する熱心さは突出しており(だからテトラゴンは決して正方形にはならない)、自らのブログに3つもエントリを上げている。

そのうち2件目*6では、城内センセはこう書いている。

中国の文化大革命時代の「造反有理」、今の「愛国無罪」は行き過ぎにしても、「おまえら役人どもはよけいなことは言わずに黙っとれ」という官邸の箝口令の下に国民に本当の真相を知らせたいという、日本の正義感のある一公務員(?)のやむにやまれぬ大和魂は評価できると思う。


これは犯人判明前の記事だが、「行き過ぎにしても」と言いながら、センセが実際に書いていることは「造反有理」、「愛国無罪」の論理だ。なるほど、「徴農」論者の稲田朋美と気が合うはずだし、城内センセの論理は、尖閣ビデオの流出を「ネットの勝利だ」と歓迎して気炎を上げ、藤沢数希をマンセーするozw信者とも親和性が強いことがよくわかる。

そして、3件目のエントリでは、ついに城内実センセはビデオを流出させた人間(のちに海保職員と判明)を愛国の英雄として高らかにうたいあげた。


◎ 政 治 ◎ 尖閣ビデオ流出その三 « 城内 実(きうちみのる) オフィシャルサイト

 ビデオ流出の張本人が那覇地検なのか海保なのかは分からない。が、このビデオを流した者は、己の身の危険(国家公務員法違反)をかえりみずに日本国民いや、世界の良識ある市民のみなさんに、菅ー仙谷ラインが隠蔽しようとした中国漁船の乱暴狼藉を働いた真相を知らせようとしたという点では、近年まれに見る勇気と覚悟をもった国民栄誉賞ものの英雄ではあるまいか。


ブログ記事を書き進むにつれて、気分の高揚を隠せなくなる城内実大センセの「信念ブログ」は、やはり第一級のエンターテインメントであり、そんじょそこらの政治ゴロにはとても真似できないと感じ入った次第だ。

で、異常の、もとい以上の四人を見てきたところ、テトラゴンの中でももっとも突出しているのが城内実大センセ、次いで安倍晋三平沼赳夫稲田朋美の順番ということになろうか。もっとも、これは軽薄さの順番であるともいえ、実は彼らの中で最も警戒すべきは稲田朋美センセなのではないかと思う今日この頃である。