http://www.asahi.com/politics/update/1118/TKY201011180169.html より。
2010年11月18日11時33分
仙谷由人官房長官は18日の参院予算委員会で、「自衛隊は暴力装置」と述べた。その後、「実力組織」と言い換えた上で、発言を撤回し、謝罪した。
「暴力装置」の表現は、かつて自衛隊を違憲と批判する立場から使用されてきた経緯がある。
この発言は、世耕弘成氏(自民)の質問に対する答弁で飛び出した。世耕氏は、防衛省が政治的な発言をする団体に防衛省や自衛隊がかかわる行事への参加を控えてもらうよう指示する通達を出したことを問題視し、国家公務員と自衛隊員の違いを質問。仙谷氏が「暴力装置でもある自衛隊は特段の政治的な中立性が確保されなければならない」と語った。
世耕氏は仙谷氏に対し、発言の撤回と謝罪を要求。仙谷氏は「用語として不適当だった。自衛隊のみなさんには謝罪致します」と述べた。
これは、直前に取り上げた読売のプロ野球報道なんか比較にならないくらいひどい記事で、一瞬産経かと目を疑った。もっとも、朝日がこんな記事を書くくらいだから、読売や毎日だって同じような表現を使いそうなものだけれど*1。
それにしても、
こんな文章が朝日新聞に載るのか。私はネットより先に朝日の夕刊でこの記事を読み、直前にネットで見たZAKZAKの記事*2とほとんど変わらない表現に絶句した。
自衛隊が「暴力装置」って、そんなのそうであるに決まってるじゃん。実質的に軍隊である自衛隊どころか、そもそも、「あらゆる政治行動の原動力は権力(暴力)である」と述べたのはマックス・ウェーバーだ。ましてや殺傷能力のある武器を持った自衛隊が暴力装置でないはずがあろうか、と考えるのがごく自然であり、何も右翼週刊誌に「赤い官房長官」などと揶揄される仙谷由人ならずとも、ごく一般的な人が使ったって何の不思議もない、ごく当たり前の認識だと思うのだが、この発言に、すっかり極右政党と化した自民党*3がかみつき、仙谷はやすやすと謝罪し、朝日が、
などと「右」側に同調して追い討ちをかける。
あまりにひど過ぎないか。