kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

若泉敬晩年の壮絶さが印象に残る

買ってからかなりになる本だが、ようやく読み終えた。


「沖縄核密約」を背負って 若泉敬の生涯

「沖縄核密約」を背負って 若泉敬の生涯


印象に残るのは、故佐藤栄作首相の密使として、沖縄返還に絡む日米の「沖縄核密約」にかかわった若泉敬晩年の壮絶さだった。この本は、全体の3分の1の分量を持つ、第4章と第5章が面白い。遅々として進まない読書だったが、この2章だけは今日一気に読んだ。若泉の最期は、故人の思いに反して、「立つ鳥跡を濁さず」とはいかなかった。

典型的な保守のイデオローグだった若泉敬の政治思想には、私はこれっぽっちも共感を持てなし、「他策」がなかったとも思わないけれども、若泉敬という人間は、私に強烈な印象を与えた。


この本と、若泉の著書『他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス』の2冊は、池田香代子さんにも是非読んでいただきたいと思う。


他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス 〈新装版〉

他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス 〈新装版〉