朝日新聞は首相・菅直人の年頭会見にいたくご満悦だったようだ。
http://www.asahi.com/paper/editorial20110105.html#Edit1
以下、上記リンク先の1月5日付朝日新聞社説の冒頭部分を引用する。
首相年頭会見―本気ならば応援しよう
まずは「その意気や良し」としておこう。今度こそ、ぶれず、ひるまず、掲げた目標をやり遂げてほしい。菅直人首相が年頭の記者会見で、政権の今年の重点課題を明確にした。
環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加を念頭に置いた「平成の開国」、消費税引き上げを含む税制と社会保障の一体改革、政治とカネの問題へのけじめ――の3点である。
迷走してきた政権運営を立て直し、政党政治への国民の信頼を取り戻す。その足がかりとして、TPPと消費税に政策目標を絞り込んだ首相の問題意識を私たちは共有する。(後略)
朝日新聞が消費税率を上げよ、TPPに参加せよと普段から社説で論じ、首相・菅直人は忠実にこれに従う。あたかも、朝日新聞の論説委員たちが菅政権の政策を決めているかの観がある。
政局大好き人間たちが熱中している「菅対小沢」の政局でも、朝日は全面的に菅を応援する。
首相が二つの政策課題とともに、政治とカネの問題へのけじめを掲げたのは当然だ。その第一歩として、通常国会が始まる前に、小沢一郎氏の政治倫理審査会出席を実現する。それがすべての出発点である。
(前記リンク先の朝日新聞社説より)
そして、夜にはテレビ朝日の『報道ステーション』に出演。朝日新聞本紙には恥ずかしくて載せられないようなネオリベむき出しの質問を古舘伊知郎がしているが*1、とんだプロレスである。こんな経済右派側からの批判は、菅直人にとっても朝日新聞本体にとっても痛くもかゆくもない。
昨年12月15日付で、前主筆・船橋洋一が朝日新聞を退社したのだが、朝日の主張は全然変わっていないようだ。そして、かつてより大きく右傾化した朝日の主張に忠実なポチが、首相・菅直人である。そのようにしか見えない。
バックに朝日がついているから、小沢一郎なんか怖くないさ。報道ステーションで饒舌を繰り広げる菅直人を見ていると、そんな印象を受ける。
*1:国会議員の定数を削減せよとか公務員の人件費を削減せよとかいう話。