今晩8時からのNHK大河ドラマ『江』は「本能寺の変」。その放送開始と同時に、テレビ画面の最上部に、愛知県知事選の大村秀章と名古屋市長選の河村たかし当確、それに名古屋市議会解散成立のニュースが表示されるだろう。大村と河村の優勢はマスコミが報じる通りだし、市議会解散は投票率にかかわらず有効投票の過半数の賛成があれば即日解散されるから、これが否決されることはあり得ない。
これが「本能寺の変」の放送と同時に表示されるところが面白い。「敵は本能寺」ならぬ「敵は名古屋にあり」と言いたくなる。
ただし、明智光秀謀反の知らせを聞いて、備中高松城(現在の岡山市北区にある)から直ちに引き返して光秀を討った秀吉のように、直ちに河村と大村を討つことはできない。河村と大村は、おそらく名古屋市民・愛知県民の絶大な支持を得ているだろうからだ。インターネットで情報の流れは早くなったが、武力で反対者を討伐する野蛮な時代ではなく、言論の力で反対者を倒さなければならないから、その点では時の流れはむしろ遅くなっているといえる。ある種の謀反者といえる小泉純一郎が「郵政総選挙」で得た絶大な議席をひっくり返すまでには、4年の歳月を要した。
現在、絶大な支持を得ている大村だが、いまでも「大村秀章」を検索語にしてGoogle検索をかけると、下記記事が上位に表示される。
きまぐれな日々 自民党の「年金問題の切り札」・大村秀章の醜態
これは4年前の記事だが、大村秀章に対する悪評は、何も私が書いたブログ記事だけに限らず、「大村秀章」でググると、「他のキーワード」として「大村秀章 バカ」というのが必ず出てくる。4年前には、大村秀章といえば「民主党の長妻昭議員にテレビ討論で木っ端微塵に論破されて涙目になっていた、あの恥さらしの自民党議員」というのが世間の標準的な認識だった。
その大村は、河村たかしと組んで「減税」を声高に叫ぶ候補者だが、国政に関する各候補者のスタンスを中日新聞が紹介している。
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/ele_aichi/list/201101/CK2011012702000180.html
もちろん、「減税日本」が推す候補者だから、大村が消費税増税に反対しているのは当然だが、大村はTPP参加に賛成しているほか、5人の候補者の中で、憲法9条改正をまっこうから訴えている唯一の候補者である。
だが、TPP反対派や9条護憲派が多い「小沢信者」*1から、そんな大村を批判する声はほとんど聞かれない。大村は河村たかしの盟友であり、河村は小沢一郎の側近議員らから支援を受けているから、小沢信者の「敵味方思考」によれば、大村は小沢の味方の味方、すなわち「小沢側の人間」ということになるからだ。
とんだダブルスタンダードとしかいいようがない。