kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

枝野が会見。恐れていた水蒸気爆発ではなく水素爆発で、格納容器にダメージはなく、放射線量も上がっていないとのこと。それならなぜもっと早く言わなかったのか

http://mainichi.jp/select/science/news/20110313k0000m040054000c.html より。

東日本大震災:福島第1原発爆発 専門家の見方


 巨大地震の被災地の原発で起きた突然の爆発と建屋崩壊。一体何が起きたのか。専門家は水素爆発または水蒸気爆発が起きたのではないかとの見方を示している。

 経済産業省原子力安全・保安院は、12日午後6時すぎに開いた会見で、爆発の場所が、1号機の原子炉が入っている原子炉建屋か、発電用タービン建屋か調査中としている。

 吉川栄和・京都大名誉教授(原子炉安全工学)は、「何らかの原因で原子炉格納容器から漏れだした水素が、空気中の酸素と反応して起きた水素爆発ではないか」と推測する。燃料棒に使用するジルコニウムは1100度を超えると、水と反応しやすくなる。その反応の結果できた水素が、何らかの原因で格納容器の外部に漏れだし、空気中に含まれた酸素と反応して爆発した可能性があるという。吉川名誉教授は「情報が少ないが、現時点ではそれが一番考え得る仮説だ。1986年4月26日のチェルノブイリ原発事故(旧ソ連)では、溶融した燃料が水と接触して水蒸気爆発を起こした。爆発の様子を映像で見る限り、水蒸気爆発とは考えにくい」と話す。

 長沢啓行・大阪府立大名誉教授(生産管理システム学)は「発電用タービンの部品を冷やすために使う水素が、地震の揺れによって漏れ、空気と反応して爆発、タービン建屋が破壊された可能性が考えられる。タービン建屋と原子炉建屋はつながっており、原子炉建屋側にも破壊が及んでいれば、東京電力などが炉心を冷やすために計画している海水注入が難しくなるかもしれない」と懸念。「炉内が沸騰状態になっていると、水位を測定する計器が実際より高めに出る傾向がある。計器の数値がどこまで信じられるかも課題だ。原発敷地境界の放射線量はかなり高く、原子炉建屋内で水素爆発が起き、天井が落ちた可能性も否定できない」と分析する。

 一方、原子力資料情報室の上沢千尋研究員は「水蒸気爆発が起きたのではないか」と話す。「炉心が冷却できず、原子炉圧力容器内の圧力を下げることに失敗して、水位が下がった空だき状態が続いた。ある程度の量の燃料棒が溶けて水と反応し、爆発した可能性がある。今後、放射性物質が大量に放出されることになれば、チェルノブイリ原発事故と同様の最悪のシナリオになる」と懸念する。


このように、専門家の見解も分かれていたのだが、先ほど行われた枝野の会見によると、原発の爆発は水素爆発だったという。放射線量も、15時29分の1015マイクロシーベルトのあと、15時36分に爆発が起きたが、15時40分には860マイクロシーベルトに下がり、その後、18時05分には70.5マイクロシーベルトに下がったという。格納容器も破損していなかったとのことだ。

これなら、メルトダウン炉心溶融)は起きたとはいえ、チェルノブイリ級の大惨事まではいかない希望が持てる。考えられ得る最悪の事態ではなかったことになる。つまり、当ブログは流言飛語を撒き散らしたとの汚名を着てしまうのかもしれないが、夕方の枝野らの会見を聞いていたら、政府は情報隠しをしているのではないかと勘繰ってしまったのだ。なにしろ、NHKに出ていた関村氏でさえ、最悪の事態を想定していたのだから。

だが、そういうことだったのならどうして政府(枝野)は情報をもっと早く発信できなかったのか。特に、線量の数値はもっと早く公表してほしかった。原子炉の廃炉をひたすら回避しようとしたとしか思えない東電の対応ともども、不信感を抱かざるを得ない。