kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

化粧品のコマーシャルをきっかけに「悲しき天使」のルーツを探ってみた

ようやく「AC」のコマーシャル一辺倒から解放され、テレビにも普通のコマーシャルが流れるようになった。

その中で、化粧品のコマーシャルに使われている歌に聞き覚えがあった。確かロシア民謡かなんかじゃなかったっけ、と思ったが、調べてみると1968年に当時18歳の無名の歌手、メリー・ホプキンが歌って大ヒットした "Those Were The Days"、日本でも「悲しき天使」の邦題で森山良子や南沙織がカバーした有名な歌であることがわかった。

それではロシア民謡じゃなかったのかというと、ロシアの「民謡」でこそなかったものの、ロシア革命直前にロシア人が作った歌が原曲であることもわかった。原曲のタイトルは "Дорогой длинною"(長い道を)という。メロディーがロシア民謡によく似ているせいか、「ロシア民謡」と誤って伝えられ、日本の音楽の教科書にもそう記載されたことがあるそうだ。だから私もどこからかそれを知って誤解していたものらしい。

この件を調べていて行き当たったブログ記事で、特に興味深かったものを紹介する。引用すると長くなるので、リンクのみ張る。非常に興味深い内容なので、リンク先をご参照いただければと思う。2007年1月の記事である。


Those Were the Days... : 私たちは20世紀に生まれた


「悲しき」カヴァー・ヴァージョン : 私たちは20世紀に生まれた


悲しき天使はどこから来たか : 私たちは20世紀に生まれた


「長い道」の旅路の果て : 私たちは20世紀に生まれた


一連のこれらの記事に行き当たる前に、私はYouTubeで森山良子や南沙織岩崎宏美辛島美登里新妻聖子木之内みどり、クラシック歌手の鮫島有美子、それにメリー・ホプキンやヴィッキーらの歌を聞き比べた*1。ロシア語の原題で再びYouTubeにアクセスし直すと、日本やアメリカとは違って男性歌手が歌った動画が多いことにも気づいたが、その理由も上記のブログ記事を読んでわかった。これは、旧ソ連から西側に亡命した男性歌手が西側で広めた歌だったのである。


ところで、この歌のルーツについては、昨年10月に朝日新聞の別刷り「be」が記事にしていた。記事が載った日、上記ブログのアクセス数が急増したらしい。


「悲しき天使」の辿った長い道 : 私たちは20世紀に生まれた


私は朝日新聞を購読しているけれども、別刷りは読まずに捨てることが多いのでこの記事には気づかなかった。このブログで音楽関係の記事を書く時に、この朝日の別刷りに書かれていたことが、確かこれまでにも2回あって、これで3度目だ。「島唄」の一部に沖縄音階が使われていない件と、戦時歌謡の件だったと思う。


最後にこの歌の動画を3点添付しておく。




*1:飛び抜けて最低だったのはいうまでもなく木之内みどりである。