kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

テレビ朝日も読売・中曽根・角栄が犯した犯罪的原発推進行為の映像を流した

TBSのサンデーモーニングに続いてテレビ朝日のサンデーなんとかを見るのは、「サンデープロジェクト」以来の習慣だが、司会の小宮悦子に政治家の議論を仕切る能力がないため、ゲストに政治家が出演することが少なくなっている。しかし今日は、例外的に民主党玄葉光一郎自民党石破茂が出演していた。

玄葉は、原発事故発生4日目、2号機から大量の放射性物質が放出された日の朝に、原発事故に関して楽観的な見通しを口にしていた新自由主義者で、自民党石破茂ともども「安全な原発推進論者」の立場を明確にしていた。玄葉と石破の立場に明確な違いはなく、これでは討論番組にならない。もっともガチンコの論争になった場合、先にも書いたように小宮悦子には仕切る能力はないからこういう人選になったのかもしれない。小宮は、その代わりに玄葉を「ポスト菅候補」と持ち上げる、どうしようもないKYぶりを発揮していた。

私はもともと玄葉光一郎石破茂も全く買っていない。2人とも、「原発推進」と「原発反対」の二項対立しかなかったことが、これまで原発推進政策が無反省に進んだ原因だと主張していたが、とんでもない詭弁である。

この二人の主張を聞きながら、私は「新自由主義でも社民主義でもない『第三の道』」という、トニー・ブレア菅直人の議論を思い出していた。菅直人はその後、『第三の道』を「公共事業頼みでも新自由主義でもない道」と定義し直したが、かつて菅直人トニー・ブレアと同じ意味で『第三の道』という言葉を用いており、その時代の民主党の政策といえば、ほかならぬ新自由主義だった。

それと同じで、玄葉光一郎石破茂の主張は「安全な原発推進論」から一歩も出るものではなかった。冗談ではない。対立構図は「原発推進」対「脱原発・反原発」しかあり得ない。私は「脱原発」の立場に立っている。

番組では、中曽根康弘、読売新聞の「ポダム」こと正力松太郎、それに田中角栄が犯した犯罪的な原発推進行為の映像を流していたが、同時に中曽根康弘へのインタビュー映像も流してバランスをとった。

番組でも指摘されていたように、「国策民営」の地域独占の電力会社が原発を建設、運転するというスキームを定めたのは読売新聞社主の正力松太郎だった。さらに石油ショック翌年に「電源三法」を成立させた田中角栄の犯罪的行為も忘れてはならない。「電源三法」とは電源開発促進法、電源開発促進対策特別会計法(当時)、発電用施設周辺地域整備法の三法を指すが、一言でいうと原発を誘致した自治体を「シャブ漬け」にしてしまう仕組みを定めた法律であり、田中角栄の「日本列島改造論」の一環をなす。たとえば柏崎刈羽原発の場合、税収は1995年がピークで、以後どんどん交付金は減らされていくのだが、「シャブ漬け」とは、再び交付金を得ようとして原発を増設せずにはいられなくなるという「電源三法」の仕組みのことだ。これを形容するのに「シャブ漬け」以上にピッタリくる喩えはなく、番組でも関係者がこの言葉を用いていた。

小沢一郎はこの田中角栄の直弟子であることをよく認識しておこう。

原子力村」という言葉があるが、原発を誘致した地元の自治体も、広義の「原子力村」に数え入れられるべきではないか。現に、先月行われた下北半島青森県東通村の村議選では、原発に関する議論がタブーとされた。文字通りの「村八分」が東通「村」で行われたのである。東通原発でも、東北地方太平洋沖地震の余震によって電源の一時喪失という事態が起きたのだが、原発推進は、実際に放射能漏れが起きるまで延々と惰性で続くものらしい。

村議選、というより統一地方選後半戦の投開票日の直前に、こう書いて東通村を非難したら、『きまぐれな日々』のコメント欄に、非公開(鍵コメ)で「被災地の人たちの対立を煽るようなことを書くな」とのお叱りをいただいたが、私は書き続ける。いかな過疎地の「村」に住む民といえど、自治体の人々だけではなく、青森県全体、東北地方全体、日本全体、さらには地球全体の将来を左右する責任を持っているのである。もっと青森県全体で、東北地方全体で、そして日本全体で活発な議論を行うべきだ。そして、原発推進勢力とのしがらみの強い政治家たちを再び政権につけてはならない。

以上は東北地方の話だが、「シャブ漬け」になっているのは今話題の浜岡原発のある静岡県御前崎市も同じだ。ここの住民が原発推進発言をする映像を見て、こいつらが目の前にいたら殴ってやりたいと思ったことを白状しておこう。

その浜岡原発推進のお墨付きを与えた人物の名前が番組で流れていた。フジテレビジョン初代社長にして元経団連理事を務めた、地元出身の水野成夫(みずの・しげお, 1899-1972)である。水野は原発を「泥田に金の卵を産む鶏」に喩えたという。

現在、必死になって原発推進政策の維持を訴えているのが読売新聞と産経新聞である事実を考えると、正力松太郎水野成夫は死して40年、今も影響を保ち続けていることがわかる。今こそ、その害毒を消し去るべき時だ。