kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

原発事故調を骨抜きにしようとした経産省のふざけた構想を、菅直人首相が拒否

今朝の朝日新聞一面の記事より。


http://www.asahi.com/politics/update/0610/TKY201106100678.html

原発事故調「骨抜き」の動き 経産省画策、首相が拒否

2011年6月11日3時0分


 東京電力福島第一原発の事故調査・検証委員会(事故調)について、政府の国家戦略室が経済産業省の影響下に置く構想を菅直人首相に提示していたことがわかった。首相の辞任表明後に提示したもので、首相は原発を推進してきた同省が事故調の「骨抜き」を画策したとみて拒否した。

 同戦略室は民主党政権下で新設された組織で各府省の職員が出向し、内閣官房に置いているが、エネルギー政策については経産省の影響力が強い。今回の動きは、経産省が事故調の調査結果に影響力を行使しようと巻き返しを図った形で、今後、新政権が事故調の中立性をどう担保するかが問われそうだ。

 菅内閣は5月24日の閣議で事故調の設置を決定。事故調は内閣官房に置いて独立性と中立性を確保し、東電の監督官庁である経産省から離れた形で検証させるようにした。


これだけでは具体的なことはさっぱりわからないと思うが、実は紙面には記事の続きが掲載されている。以下手打ちで引用する。

 だが国家戦略室は今月6日、「革新的エネルギー・環境戦略について」と題し、同室が事務局となる新成長戦略実現会議の分科会「エネルギー・環境会議」の指揮下に事故調や原子力委員会を位置づけるーーとの構想を記した文書を首相に提出した。構想では、同会議の副議長に海江田万里経産相、メンバーに直嶋正行経産相、近藤洋介前経産政務官を起用し、経産省から出向した幹部職員が事務局を仕切るとした。

 首相は枝野幸男官房長官らと翌朝協議し、提案を拒むことを確認。7日の新成長戦略実現会議の配布資料から事故調に関する文言をすべて削除し、同日設置した「エネルギー・環境会議」のメンバーから直嶋・近藤両氏を外した。

 さらに、原子力安全・保安院経産省からの分離を議論する検討委員会の新設決定を明記。検討委の議論に、「東電に関する経営・財務調査委員会」の資産査定や財務内容の点検結果を反映させることも盛り込み、経産省を牽制した。

 ただ、新政権発足後、事故調への関与を狙う経産省の動きが再燃する可能性はある。首相が事故調の独立性を担保する立法措置をとらず、法的権限をあいまいにしたまま発足を急いだことが、経産省に巻き返す余地を与えた側面もある。

村松真次)


ここまで読まなければ記事の意味はわからず、だから「はてなブックマーク*1

『首相の辞任表明後に』『政府の国家戦略室が経済産業省の影響下に置く構想を菅直人首相に提示』出所もそれ以上の細部もない。原発村、経団連等が倒閣の横糸やってる確率は低くないが、これだけではなんとも。

などというコメントがつくことになる。asahi.comだけしか読まない方がこういう感想を持たれるのは当然だろう。思うのだが、朝日新聞社は「朝日新聞DIGITAL」の創刊に伴って、asahi.comには記事の全文を載せずにはしょる方針にでもしているのだろうか。

具体的な事実を示して経産省を批判する一方、末尾で菅政権が事故調の独立性を担保する立法措置をとらなかったことを批判するなど、バランスの取れた良い記事だと思うのだが、前半だけ切り取られたasahi.comの記事ではそれが伝わらなくてもったいない。だから、「朝日新聞DIGITAL」の契約などしていないし、今後も契約するつもりもない私としては、ブログで紹介してみたくなった次第である。