政局の話は、内閣不信任案否決以来、小沢信者が一気におとなしくなってしまって、代わりに読売や産経など右翼マスコミが自民党を応援する声が大きくなっている。TBSの『サンデーモーニング』で、保守系の大宅映子もそれに沿った発言をしていた。
一方、岸井成格は、菅直人の8月退陣は見えている、菅首相には解散をするつもりなんかなくて、求心力を保つために駆け引きをしているだけだと言ったあと、菅直人よりもむしろ政争に明け暮れる自民党を強く批判するコメントを発した。
私もほぼ同感で、不信任案が否決された時からずっと「菅直人は8月に退陣する」ものだと思っているから、それでも「早く辞めろ」とばかり叫んで政争に明け暮れる自民党に呆れ返っている。こんなていたらくだから、「菅降ろしに原発の影」という東京新聞の憶測報道に説得力が出てくるとは、これまた何度も書いていることだ。これでは、自民党がわざわざ菅直人を「脱原発のヒーロー」に祭り上げてやっているようなものだ。
それにしても、ここまで岸井成格と意見が合ってしまうとは気持ち悪い。4、5年前には、というよりつい最近まで、岸井成格ほど腹立たしいテレビのコメンテーターはいなかったのに。
ところで、小沢一派があまり表に出てこなくなったのはむろん小沢一郎の意向によるものだろうけれども、小沢一派の方が自民党と比較するとまだしも賢明だと思ってしまう。今は、政局でギャーギャー騒ぎ立てるべき時ではない。だから小沢一郎やその配下の者たちは自らを抑えている。
ところが、そういう教祖様の思惑さえも理解できないのがブログや陰謀論系掲示板やTwitterなどに棲息する「小沢信者」の中の急進派であって*1、たとえばこのところ当ブログがよく叩いている『反戦な家づくり』のブログ主など、飯田哲也は菅直人の応援団で、その飯田哲也と社民党の福島瑞穂がべったりなのが気になる、などと言っている。
http://twitter.com/#!/sensouhantai/status/82287056889446400
上記Twitterは、どんなに叩いても叩き尽くせないほど愚かしい。だから何度も叩いているのだが、こんな人間が「脱原発」の足を引っ張っていると思うと、心底腹が立つ。飯田哲也と福島瑞穂は、もう10年以上前から連携している。
もっとも、飯田哲也と小沢信者が「水と油」であること自体は当然だと思う。
下記新刊本から引用する。
原発社会からの離脱――自然エネルギーと共同体自治に向けて (講談社現代新書)
- 作者: 宮台真司,飯田哲也
- 出版社/メーカー: 講談社
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宮台 全体の情報空間が歪んでいます。政治家だけでなく、国民もエネルギーについて、温暖化について、民主政治について、先進国の国民であれば当然歴史的に踏まえているべき議論を、踏まえていない。それどころか、いまだに一部論壇誌では、20年遅れの温暖化懐疑論がさも新しい事実や真相のように喧伝されているのが現状です。根が深いです。
飯田 温暖化懐疑論の人たちは根本的に知性が欠けているとしか思えない。
「脱原発」派のわれわれは、小沢信者など置き去りにしてひたすら前に進むしかない、そう強く思う。
*1:小沢信者の大半は、エントリ冒頭にも書いたように、すっかりおとなしくなってしまっている。