正力松太郎や小沢一郎に関する生々しい本を読んでいる合間に、下記の本を読み終えた。
- 作者: 内橋克人
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2011/05/18
- メディア: 文庫
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現在では「反新自由主義」の論客として知られる内橋克人40代の頃の著書。内橋は神戸新聞記者を出発点とし、1967年に経済評論家に転じた。70年代後半に書かれたこのシリーズは、当初サンケイ出版から刊行されたが、内容的にはかつてNHKで放送されて大人気を呼んだ『プロジェクトX』を思わせる、メーカーの主に技術者たちによる奮闘物語だ。この第2巻で取り上げられているのは小西六(のちコニカを経てコニカミノルタ)、東レ、三菱電機。
内橋克人は、80年代前半に原発を取り上げ始めた時にも、原子炉のトラブル解決に苦闘した技術者たちの奮闘物語を描いていた。しかし、原発の問題点を知るに及んで、徐々に原発自体に懐疑的になり、現在ではすっかり反原発論者になっている。
その内橋の原点を知る意味では興味深い。読んだのは第2巻だけだが、7月までに岩波現代文庫版で第4巻まで出ている(全6巻)。