kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

泊原発と北海道新聞と高橋はるみと

定期点検中だった泊原発が営業運転に入った。元通産官僚の北海道知事・高橋はるみが、菅政権の任期中に原発再稼働の実績を作るべく、菅直人首相が辞意を表明して気力が萎えている隙を狙ったものと考えて良いだろう。

この件で、今朝(8/18)の毎日新聞社*1のタイトルは「泊原発 リスク評価は万全か」、朝日新聞は「泊原発の運転―次は厳しい新基準で」*2。朝日の方が再稼働容認の色合いが強いが、その後に批判も行なうという、朝日伝統の "Yes, but" の論調だ。より批判的なトーンが強い毎日の社説も、

定期検査の最終段階にあたる調整運転が5カ月以上続く異例の事態が解消されたとはいえ、疑問は残る。

と書いており、基本的には朝日と同じ "Yes, but" と見て良いだろう。単に "Yes" の部分が短くて "but" の部分が長いだけだ。


ところで、この件に関して北海道新聞の論調が甘いとする意見があるが、北海道新聞は1999年に、当の泊原発3号機建設に関して北海道電力が社員に号令を動員して「やらせ」の意見を出させた一件をスクープし、連日紙面で北電批判の大キャンペーンを張ったことがあった。10月8日付夕刊の一面トップで報じたあと、連日にわたって朝刊でも夕刊でも関連記事を大きく掲載して北電を批判し続けたのだ。朝日や毎日にはこんな根性はない。

それでも泊原発3号機の建設を止めることはできず、2009年に同機は営業運転を開始した。

原発立地の町村の首長は言わずもがなだが、北海道民高橋はるみなんかを3期も知事に選んでいるようではどうしようもないのである。特に3期目の知事選は、東日本大震災直後の今年4月に行われた。私は当時、統一地方選は全国的に数か月繰り延べにすべきだと思っていたが、今では、北海道知事選に限らず、統一地方選を何か月繰り延べにしたって結果は変わらなかっただろうと思う。

世論調査では「反原発脱原発」が7割から8割を占めるといいながら、そういう意見を持った人間が、地方選では自公が推す候補者に投票する。そして原発維持ないし推進派の候補者が当選する。原発を止めることができるのは立地自治体の首長なのだから、こんな投票行動をとっている限り、「脱原発」など夢のまた夢としか言いようがない。