kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

ヤクルト、中日に4年ぶり負け越し

中日 4-1 ヤクルト(最終戦ナゴヤドーム:中日11勝10敗3引き分け)


これだけは避けてほしいと思っていた事態になってしまった。ヤクルトがナゴヤドームで行なわれた中日との最終戦に敗れ、4年ぶりに中日に負け越してしまったのである。

3年前以来、「ヤクルトは中日に強い」というのがチームの財産だった。落合中日の8年間のうちもっとも成績が悪かった2008年にヤクルトは勝ち越すと、翌2009年には開幕直後から中日をカモにして、オールスター明け最初の神宮での中日3連戦の初戦と2戦目を勝った時点で対戦成績を11勝3敗とした。しかし、3戦目に惜しい試合を落とすと、この年の残り試合では一転して中日にコテンパンにやられ、15回戦から23回戦までの9試合はなんと1勝8敗。一時はクライマックスシリーズ進出さえ危ぶまれたが、最終戦に勝って辛うじて中日戦の2年連続勝ち越しを決めた。ヤクルトは阪神との3位争いにも勝って、ようやくクライマックスシリーズ初出場を決めたのだった。しかしナゴヤドームで行なわれたクライマックスシリーズ第1ステージでは中日に負けた。

昨年は読売リーグの球団の中では唯一ナゴヤドームで五分に渡り合い、それぞれ同ドームで中日に2勝10敗と大敗した読売と阪神をあざ笑っていたのだが、それも中日が読売戦と阪神戦を中心にしたローテーションを組んだためにヤクルト戦が手薄になったためだということくらいはうすうすわかっていた。

今年の対中日14回戦終了時点で、対戦成績は9勝2敗3引き分け。しかし、私は7月7日付の日記*1で、

中日戦は1回戦から9回戦まで9試合連続で神宮、10回戦以降の15試合中12試合がナゴヤドームという、「行きはよいよい、帰りはこわい」の恐怖の日程だから、ホームではできる限り貯金が欲しい。

と書いていたのだった。この時点で既に、9月以降2度も予定されていたナゴヤドームの対中日4連戦を警戒していたのだが、その懸念が現実になってしまった。サッカーファンと違ってプロ野球ファンはホーム/ロードの有利不利に鈍感なファンが多過ぎると思うが、統一球が導入されて投手戦が増えた今年は、例年にも増してホームチームのアドバンテージは大きい。

今年の対中日本拠地最終戦となった15回戦は、ヤクルトが2点をリードしながら中日・平田に逆転ホームランを浴びて負けた。ヤクルトは翌日から阪神3連戦があり、その初戦に村中が先発したのだが、村中とは阪神に弱く中日に強い投手である。これまでこの日記で何度も書いたことだが、なぜ小川監督は村中を阪神戦ではなく、その前日の中日15回戦に先発させなかったのか。この試合はヤクルトのローテーションの谷間だったが、だからこそ村中の登板を1日早めて(といっても中5日)、中日との本拠地最終戦に万全を期すべきだった。

中日が優勝する直前、読売系の日本テレビで、落合監督が「少しでも勝てるチャンスがあったら必ず勝ちにいく。それをおろそかにしていたら必ずしっぺ返しを食う」と言っていたことを紹介していた。ヤクルトが中日にとどめを刺すチャンスをおろそかにしたといえるのは、この対中日15回戦だった。今年の読売リーグのペナントレースの流れを変えた試合を挙げよといわれたら、私はこの試合を挙げるだろう。ベストを尽くして負けた試合とはとうてい思えないだけに、なおさら悔いが残る。

結局今年のヤクルトは、ナゴヤドームで2勝9敗1引き分けと惨敗した。昨年、読売と阪神が同ドームで喫した2勝10敗とほぼ同じ成績。要するに「落合竜」は直接の優勝争いのライバルのチームを迎えたホームゲームには目の色を変えてくるということだ。中日が優勝した後、読売の原監督は「今年のウチは中日に勝ち越したけど」などと言っていたが、昨年のヤクルトだって中日に15勝8敗1引き分けと大きく勝ち越した。しかしいずれのシーズンも優勝したのは中日だった。

今日の最終戦で腹が立ったのは、中日のエース吉見が4点をリードした5回から登板して2イニングを抑えただけで18勝目を挙げて最多勝のタイトルを確定させたことだ。これは中日の悪しき伝統であり、かつて小松辰雄が2度最多勝のタイトルを獲った時にも使った手だ。2度目の1987年当時、監督は星野仙一で、当時の中日の4番が移籍1年目の落合博満だった。落合はこれまで星野のやったことをほぼ全否定する采配を振るってきたが、このせこい最多勝タイトルの獲り方だけは星野の手口を踏襲した。私は別に読売の内海が単独最多勝を獲れば良いなどとは決して思わないが、こういう後味の悪い手口は勘弁してほしいし、ヤクルトが4年連続の中日戦勝ち越しのチャンスを逃したばかりか、こんなことまでもやられるとは腹が立ってしかたがない。

しかし、あの15回戦で手抜きさえしなければ中日に負け越すこともなかったのに、と思うと、その怒りも半ばヤクルトベンチへと向かうのである。このあとクライマックスシリーズもあるが、シリーズでの展望を得るためにも、今日は負けてはならない試合だった。このざまだと、中日はクライマックスシリーズ第1ステージではヤクルトに勝ってほしいと思っているのではないか。読売相手では苦戦は必至だけれどもヤクルト相手なら楽勝。そう中日に見くびられても仕方ない終盤戦のヤクルトだった。