kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

フジテレビの中継がひどかった日本シリーズ第1戦

日本シリーズ第1戦は延長戦(10回)の末、中日が福岡ソフトバンクに2対1で勝った。昨年の千葉ロッテ対中日は第4,6,7戦の3試合をテレビで見たが、そのいずれもが延長戦にもつれ込んだ。そして今年の第1戦も延長戦になった。

今年は気合を入れて第1戦から見たが、昨日から読売の内紛の記事を2件書いたので、「日本シリーズから目をそらさせようという読売の陰謀」(笑)に乗らないためにもと思ってフジテレビでやっていた試合の中継を見た次第。統一球を用いた今年のレギュラーシーズンにも多く見られた投手戦で好試合だったが、ひどかったのはテレビ中継だった。

そもそもフジテレビのアナウンサーが実況していた時点で「だめだこりゃ」と思った。福岡で開催される試合なのだから、地元・福岡のホームチームへの思い入れのある実況の方が良かったと思うのだが、日テレやフジが日本シリーズで福岡のゲームを中継する時は、なぜかいつもキー局のアナウンサーがしゃしゃり出てくる。

福岡移転後のホークスが本拠地で日本シリーズ第1戦を開催するのは3度目だが、最初の1999年(対中日)は日本テレビが中継した。この中継を私は見ていないが、聞くところによると普段読売リーグの試合の実況しかやったことのないアナウンサーはホークス(当時はダイエー)の選手について全く知らず、解説の長池徳士氏に教えてもらっては感心していたそうだ。

二度目の2003年(対阪神)は地元RKB毎日のアナウンサーが第1戦を実況したようだが、私はNHK-BSで見ていた。この試合は現在では「プロブロガー」になってしまったダイエー・斉藤と、後に渡米して全く結果を残せなかった阪神・井川の両エースがともに打たれ、シーソーゲームの熱戦の末、ズレータのサヨナラ安打でダイエーが勝った。この試合も印象的な好試合だったが、Wikipediaで調べると長嶋茂雄がゲスト解説していたらしい。だが、読売の絡まない試合だったので、長嶋の解説も悪印象を残すことはなく、それが証拠に長嶋が解説していたことさえ忘れていた。この年はNHK-BSで甲子園の試合も合わせて計4試合を見たが、どの試合においてもアナウンサーのスキルは高く、中継の印象は悪くなかった。

現在はBSが見られない環境だから、地上波が頼りなのだが、今日のフジはアナウンサーも解説陣も最悪だった。特にともに好投した和田毅チェン・ウェイン両投手に対する論評には呆れた。序盤から飛ばした和田には最初は絶賛していたものの、中日の和田一浩に同点ホームランを打たれたあたりから実況と解説のトーンが一変した。私は、ホームランを打たれて動揺した和田が、次の谷繁の打席でも初球、2球目と球が浮きながらも、みごとに気を取り直して谷繁以降を抑え、次の8回にも先頭打者に安打されながらも得点を許さなかったことが印象に残った。そして、そんな和田の投球は称賛されてしかるべきだと思ったのだが、解説者は「2安打しか打たれていないけれどももっと打たれているような印象がある」などとほざいて和田にケチをつけていた。何言ってるのかと思ったよ。少なくとも私はそんな印象は全く受けなかった。ここは崩れることなく投球を絶妙に切り替えて相手に勝ち越しを許さなかった和田をたたえるべき場面だった。

和田と同じ8回を投げて同じく1失点に抑えたチェンにも解説陣は難癖をつけ続けていた。確かにチェンは立ち上がりが不安定だったが、そのことばかりをいつまでも言い続けていた。初回に先頭打者の川崎に安打を打たれながらも中軸を抑えたチェンの投球に対する論評はなされなかったし、その後も調子が悪い、悪いと言い続けていたが、結局チェンは11三振を奪ったのだった。

攻撃の作戦の論評にしても、走者が出たらバントで送れの一点張りで、やれ工夫がないのと両軍ベンチの悪口ばかり言っていたが、池田や高木がベンチに入るチームはさぞかし強いんだろうよと皮肉の一つも言いたくなった。

8回裏にはこんなシーンもあった。捕手の細川に代打・オーティズが出た時だ。カメラはホークスベンチで細川と和田が会話しているシーンを映し出していたが、捕手だけではなく、8回までに119球を投げた和田もここで交代するんだなとテレビを見ていた誰もが思ったはずだ。しかしアナウンサーも解説者もそれには触れず、9回表のマウンドにファルケンボーグが上がって初めて驚いたように「和田、交代です」と言っていた。8回裏のカメラワークは、明らかに和田の交代を暗示し、実況にそのことについて触れるよう促すものだったと思うのだが、実況のアナウンサーも解説陣もそれを無視したのだ。日本シリーズの初戦でここまでレベルの低い実況を見せつけられると嫌になる。テレビ中継がこのていたらくだからプロ野球人気が下がるんだよと言いたくなった。

試合はリリーフ投手陣の差が出て中日が勝ったが、和田、チェン、ファルケンボーグ、浅尾の両軍投手陣の好投が印象に残った。唯一いただけなかったのは馬原で、この投手は何年前だったか阪神との交流戦に何試合か出てきて、そのすべての試合で打ち込まれていた悪印象が強かったから、今日もどうかと思ったのだが、果たして谷繁に大飛球を打たれたあと、小池に決勝ホームランを打たれた。それにしても、内川、多村、谷繁、小池が両軍のスタメンに名を連ねた試合には、ベイスターズファンの方々は複雑な思いだろう。しかも試合の決着をつけたのは小池だった。

元ベイスタ戦士の話はともかく、レベルの高い投手戦を繰り広げた両チームに対して、実況のフジテレビアナウンサーと解説の池田親興高木豊の両名はあまりにお粗末だったと言わざるを得ない。選手たちのプレーのレベルの高さとアナウンサーや解説者のレベルの低さとの落差はあまりに大きかった。今回は日本シリーズ第1戦だったから我慢して見たが、今後彼らが出てくるプロ野球中継は、見ないか、さもなくば音声を消して見ることにしようと思った。