kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

槙原と馬原/ホームで連敗した「巨大戦力」のチーム

プロ野球日本シリーズホームチームが第1戦と第2戦に連敗したのは2000年以来だが、その2000年の日本シリーズと今年の日本シリーズは、第1,2戦に関する限り実によく似ている。

ホームチームが「巨大戦力」と形容され、リーグ戦で圧倒的な成績を残したチームであること。唯一の泣き所が抑え投手であるといわれていたこと。第1戦で、「巨大戦力」のチームが先制しながら同点に追いつかれ、懸念されていた抑え投手が決勝ホームランを浴びたこと。その抑え投手の名前まで似ている。11年前は「槙原」、今年は「馬原」だ。「まきはら」と「まはら」。槙原は「ダメ魔神」とか「負け原」などと言われてバカにされていたものだ。ついでに、「巨大戦力」の相手チームを率いるのはともに現役時代に三冠王に輝いた大打者である点も同じだ。

今でも覚えているのは、槙原がニエベスに決勝2ランを打たれた第1戦をスタンドで観戦した「巨大戦力」のチームのオーナーが怒り狂って監督の采配を批判したコメントを発したことだ。下品きわまりないそのコメントは一般紙でも報じられた。同じ人物は今年の日本シリーズ第1戦の前日に勃発した内紛劇における片方の主役になっている。

あの年は、「巨大戦力」のチームが第2戦でも監督の継投ミスで逆転負けした。私はテレビ東京系のスポーツニュースで結果を知ったが、解説の江夏豊が狂喜乱舞していたことをよく覚えている。王貞治を終生のライバルとした江夏は、このシリーズでダイエーに全面的に肩入れしていたようだった。ちなみに、江夏と同じチームに属していた村山実は既に没していたが、村山は長嶋びいきで有名だった。それはともかく、このシリーズの第1戦と第2戦は「監督の差が出た」と評されたものだ。私もまさか読売のホームゲームでダイエーが連勝するとは全く予想していなかったので、江夏と一緒になって狂喜乱舞した。

しかし、それはぬか喜びだった。「巨大戦力」のチームにとっては、DH制が採用されているパシフィック・リーグのホームゲームの方がよほど戦いやすかったのだ。第3戦からの敵地3連戦は、監督采配の影響以前に戦力の差が出て「巨大戦力」のチームが3連勝し、余勢を駆って最初の2試合では苦杯を喫したホームゲームの第6戦にも圧勝したのだった。

あの年と今年が違うのはそこで、今年の第3戦から第5戦までは投手が打席に立つ読売リーグのチームのホームゲームである。それならソフトバンクは不利なのか。いや、そうとばかりも言い切れない。

「巨大戦力」に敗れた前年の1999年には、ダイエーホークス中日ドラゴンズの本拠地・ナゴヤドームで行なわれた第3戦から第5戦に3連勝して福岡移転後初の日本一に輝いていたのである。