kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

パートタイム労働法は1993年制定、2007年改正だが、「世直し大工」氏の主張は相変わらず理解不能。「風太」さんにもご高説を賜りたい

「世直し大工」(id:yonaosi)氏から返答はいただいたものの、相変わらず疑問点だらけである。

まず、パートタイム労働法だが、制定されたのは自民党・宮澤内閣時代の1993年である。解説記事を見ると、労働条件の最低基準を定めた労働基準法を、その当時増えてきたパートに対しても、正社員同様に適用することを企業に促すのが立法の狙いだったとされている。

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20111118/1321574371 で紹介した「世直し大工」氏のコメントに書かれている「『パートタイム労働法』が改正され」と書いているのは、「制定され」の誤りであろう。同法の初めての大きな改正は安倍内閣時代の2007年だったからである。


「世直し大工」氏は、「パートタイム労働法」が「改正」(正しくは「制定」)されたために、

結果、企業は直接雇用形式を取りやめ、第3者が雇用者である派遣労働に変わっていったのです。

と書くのだが、1985年の労働者派遣法制定当時は対象の業種は限られていたはずである。当時は13業種であり、すぐに16業種に増えたあと、1996年の法改正で対象が26業種に増えた。この時代は「特定業種に限り派遣労働を認める」というポジティブリスト方式だったが、小沢一郎が連立与党(自由党)にいた時分の小渕政権時代の1999年に、「特定業種に関しては派遣労働を認めない」ネガティブリスト方式に変わり、派遣労働が原則自由化された。企業が「派遣労働に切り替えた」とすれば、この1999年の法改正以降であったに違いないが、この時点でも製造業はネガティブリストに入っていた。製造業の派遣労働を解禁されたのは2003年の改正(施行は2004年3月1日)であり、これがここ数年ずっと問題視されてきたにもかかわらず民主党が自公や経団連に屈して製造業の派遣禁止を法改正から外したと報じられているところのものである。なお、現在でも建設業はネガティブリストに入っており、派遣労働の対象外業務である。

以上の経緯を考慮すれば、「世直し大工」氏の主張は全然筋が通らない。http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20111117/1321540451 で紹介した『きまぐれな日々』への「世直し大工」氏のコメントを以下に再掲するが、嘘八百、デタラメの限りだとしか思えない。

 民主党のていたらくぶりは古寺多見さんのおっしゃる通りですが後半の製造業派遣「原則禁止」削除の記事については古寺多見さんの知識のなさに呆れてものが言えません。この法律のお陰で「人夫出し」と呼ばれる日雇い派遣会社が多く潰れました。建築業というのは親方一人、職人数名の超零細企業の寄せ集めで成り立っているのです。
 通常の仕事であれば職人達でまかなえますが、材料の搬入など人出が必要な時には対応出来ません。
そのために現場で動ける「人夫」が重宝されていました。
 多くの親方(社長)は職人として働いており、3日前の人員確保など考えてる暇などありません。作業当日の朝「3人必要だ」といえば簡単に調達出来た「人夫出しの仕事」のお陰で仕事が成り立っていたのです。そこに集まる労働者も毎日現金収入が得られ、通常のアルバイトより高額な日給(8000円〜1万円程度)の所得を得ていました。

民主党が出したこの法案はこの日雇い労働を規制する法案で、この法案のお陰で多くの労働者は路頭に迷う事になったのです。

民主党の「岡田」がこの法案に反対したのは親族である「イオングループ」の影響です。
 これは人材派遣方以前からあったパートタイマー改正法案が施工され 企業とパートタイマーが直接雇用できなくなり、そのため「人材派遣会社を作り派遣社員としてパートタイマーを働かせる事になったのです。
現在スーパーなどで働いているパートさんは法律上「派遣社員」になります。昔からあった契約社員もこの悪法である改正パートタイマー法のお陰で派遣会社に属する「派遣社員」になりました。その結果所得は激減しました。
今の日本の雇用体系は「正規雇用社員」と「派遣労働者」の二種類だけなのです。

経団連」がどうのこうのと言う前に何故、「派遣社員」が増加したのかをきちんと調べてから発言して下さい。あまりにも無知としか言い用がありません。 

2011.11.17 03:58 世直し大工


「世直し大工」氏にはこの言説の正しさを示す証拠の提示を引き続き求めたい。また、「世直し大工」氏の言っていることに思い当たるふしがあるらしい「風太」さんにもご高説を賜ることができれば幸いに思う。


なお、このエントリも『きまぐれな日々』にトラックバックしておく。