kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

オーケストラの楽団員はもともと薄給。そこから切るのは「弱者から切る」「切りやすいところから切る」典型的な「橋下流」だ

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111203-OYT1T00483.htm

下流に文化団体、戦々恐々…交響楽団消える?


 知事時代、「文化は行政が育てるものではない」と公言してきた橋下徹・前大阪府知事が19日に大阪市長に就任するのを前に、市内の音楽や芸能関連の団体が戦々恐々としている。

 橋下知事当時、府が出していた補助金を全額カットされた大阪フィルハーモニー交響楽団(大フィル)や、「観賞したが、2度は見ない」と酷評された文楽団体などは、市から多額の補助金を受けているためだ。

 「補助金がなくなると、本当に大変なんです」

 大フィルの佐々木楠雄・常務理事は11月30日、市の担当者に電話で、楽団の厳しい台所事情を訴えた。

 指揮者の朝比奈隆さんが創設に関わった大フィルに対しては、市が「市の文化振興に不可欠」(平松邦夫市長)として補助金1億1000万円を支出。年約10億円の運営費の一部に充てられてきた。

 だが、橋下氏は知事時代、「行政や財界はインテリぶってオーケストラ(が大事)とか言いますが、大阪はお笑いの方が根付いている」と発言。大フィルへの年約6300万円の府補助金を2009年度から全額カットした。市長になった橋下氏が再び大なたを振るえば、運営難は必至で、「死活問題だ」と佐々木常務は焦りを隠さない。

 実際、橋下氏に年約4億円の府補助金をゼロにされた日本センチュリー交響楽団は今年度、橋下氏との合意で運営財源に回せるようになった基本財産20億円のうち、約2億6000万円を取り崩し、再生の道を探る。コントラバス奏者、坂倉健さん(53)は「このままでは大阪からオーケストラが消えてしまう」と危機感を募らせる。

 大阪市から年5200万円の補助金を受ける財団法人・文楽協会も憂鬱(ゆううつ)だ。

 橋下氏は09年8月、「文楽を見たが、2度目は行かない。時代に応じてテイストを変えないと、(観客は)ついてこない」と発言。07年度に3600万円あった府補助金は11年度、2000万円に減った。同協会の三田進一次長は「採算が難しく、行政が手を引くと土台が崩れる」と戸惑う。

 府や市など主催の「ミュージシャングランプリOSAKA」は、「トイレの神様」が大ヒットした植村花菜さんが02年に優勝し、メジャーデビューにつながった大会だ。しかし、府助成金は08年度に廃止され、大阪市が府分を穴埋めする形で負担してきた。関係者は「市の予算が削られれば、10周年の今年が最後の大会になるかも」と危惧する。
(2011年12月3日17時48分 読売新聞)


この読売の記事にもあるように、橋下は大阪府知事時代にも大阪フィルハーモニー交響楽団(大フィル)への年約6300万円の府補助金を2009年度から全額カットして物議をかもした。

文楽を見たが、2度目は行かない。時代に応じてテイストを変えないと、ついてこない」という橋下の発言は知らなかったが、要するに「オレ様に理解できない文芸には価値はない」と言っているに等しい。「独裁者」の面目躍如である。


ただ、それら以外で本エントリで指摘したいのは、オーケストラの楽団員の報酬である。大フィルの楽団員がどのくらいの報酬を得ているのかは知らないが、一般論として楽団員が薄給であるのはよく知られた事実だ。試しにググってみたら下記が引っかかった。

オーケストラの楽団員の年収はどのくらい? - オーケストラの楽団... - Yahoo!知恵袋


ここに書かれている内容がどのくらい妥当かどうかは知らないが、「ベストアンサー」に選ばれた人は、

ついでにハシモトをリコールしろ!ともいいたいですけどね!

と書いている。回答日は2008年5月28日だから、橋下が大阪府知事に就任してから間もない頃である。


要するにこの件は、橋下が大阪府立校の非正規職員350人の首を切った件や、大阪の私立高校に対する補助金削減の件に関する討論会で女子高校生を泣かせた件と同じで、「弱者から切る」、「切りやすいところから切る」という「橋下流」の典型例といえるのだ。