kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

民主党3議員が離党表明、第2の「改易クラブ」誕生か

「野ダメ」(野田佳彦)の消費税増税に抗議して、3人の民主党議員が離党を表明したという。


http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&rel=j7&k=2011122700702

民主3氏、反増税で離党へ=「10人規模」で新党目指す


 民主党内山晃衆院議員(千葉7区、当選3回)は27日夜、野田政権の消費増税方針に反発して離党する意向を明らかにした。同日は斎藤恭紀衆院議員(宮城2区、同1回)も離党を表明。中後淳衆院議員(比例南関東、同1回)も離党の意向を固めた。最終的に若手議員ら「10人規模」(内山氏)が行動を共にするとみられる。既に同党を除籍(除名)された松木謙公元農林水産政務官(北海道12区)とも連携し、年内から年明けの新党旗揚げを目指す。
 政府の八ツ場ダム建設再開決定に反発して離党届を提出した中島政希衆院議員(比例北関東)に続いて離党者が出ることで、野田佳彦首相の求心力低下は避けられない。大詰めを迎えた消費増税論議の行方に影響を与えることも確実で、政権の混迷が深まりそうだ。
 内山、中後両氏は小沢一郎元代表のグループ、斎藤氏は鳩山由紀夫元首相のグループに所属している。政党交付金は1月1日現在の所属議員数などを基に算出される。同16日までに総務相へ届け出る必要があるため、内山氏らは政党要件を満たす国会議員5人以上の新党結成を急ぐ考えだ。
 内山氏は27日夜、衆院議員会館で記者団に対し、消費増税に関し「2009年の衆院選で国民に約束したことをほごにしている」と強調。28日に離党届を執行部に提出するとともに、記者会見して離党の理由などを明らかにする考えを示した。斎藤氏も27日午後、国会内で樽床伸二幹事長代行と会い、離党の意思を伝えた。 
 若手らの離党の動きについて、小沢氏は慎重とされ、26日に斎藤、中後両氏と面会した際は自重を求めたという。ただ、小沢氏周辺は27日、「若い人たちは野田政権がマニフェスト政権公約)と違うことをやっているので、我慢できなくなっている」と述べ、離党の動きは止まらないとの見方を示した。


時事通信 2011/12/28-00:17)


私が思い出したのは、2008年の「改革クラブ」(「改易クラブ」と揶揄された)のことだった。政権末期には似たようなことがあるよなあと一瞬思ったのだが、よくよく考えてみれば「改革クラブ」は当時野党で1年後に政権交代を実現させることになる民主党から小沢一郎批判派が分派した動きだった。彼らが姫井由美子に逃げられて赤っ恥をかいたことは忘れがたい(笑)。

今回は、明らかに手を拱いていては次の総選挙で「落選確実」の連中が分かれて出ようとしている動きだが、小沢一郎が慎重な姿勢を見せていることからも明らかなように、小沢一郎の利益に合致する動きではない。小沢は、あくまで民主党内で多数派を形成して、来年の「野ダメ」による解散を阻止した上で民主党を割って出ようと考えているはずだ。だから、名前も聞いたことがないような議員たちの動きは、小沢にとって歓迎できるものではないのではないか。

かつて、河野洋平新自由クラブ江田三郎社会市民連合(のち社会民主連合)はそれなりに支持されたが、最近の政治家の分派や離党は、「みんなの党」を例外として、平沼赳夫与謝野馨のような大物たちでさえほとんど支持されていない。「みんなの党」にしても、渡辺ミッチーの倅にして新自由主義的主張で名を売っていた渡辺喜美の、最初は「劇団ひとり」と揶揄された行動だった。今回の民主党議員たちの動きが世論に評価されるかといえば、とうていそうは思えない。もし橋下徹が国政に進出するようなことがあったら、橋下と組みかねない連中ではないかと思える。私はもちろん「野ダメ」野田佳彦だの前原誠司だのの「松下政経塾」の連中を全く支持しないが、かといって「泥舟」からいかに逃げ出すかだけしか考えていないように思える連中も支持する気など全く起きない。

報道で名前が挙がっている民主党議員のことを私はほとんど知らないので、2009年総選挙の時に毎日新聞の「えらぼーと」に回答した内容から傾向を見てみた。


まず内山晃
http://mainichi.jp/select/seiji/09shuinsen/mai/kaihyo/area_meikank.php?mid=A12007002002


憲法9条改正の賛否には「無回答」。それだけならともかく、「核武装」についても「無回答」だ。但し集団的自衛権の政府解釈見直しには反対しており、ボスの小沢一郎*1と意見が異なっている。また、「環境税」創設にも反対しており、この点でも小沢と意見が異なる(小沢一郎は「環境税」創設に賛成している。もちろん私も賛成だ)。


次いで鳩山派の斎藤恭紀
http://mainichi.jp/select/seiji/09shuinsen/mai/kaihyo/area_meikank.php?mid=A04002001001


集団的自衛権の政府解釈見直しを求める「解釈改憲派」らしいが、それと大部分の民主党議員がそうであるように「比例区定数削減」を推進する立場であることの他は、特に気になるところはない。


小沢派の比例区選出議員・中後淳
http://mainichi.jp/select/seiji/09shuinsen/mai/kaihyo/hirei_meikank.php?mid=D04002001012


やはり「解釈改憲派」。小泉純一郎の「構造改革」を支持しているから、新自由主義的な傾向もありそうだ。比例区選出のくせに、「比例区定数削減」を支持している。


おまけ。松木謙公
http://mainichi.jp/select/seiji/09shuinsen/mai/kaihyo/area_meikank.php?mid=A01012002002


この人は右翼だと思っていたが、憲法9条改正に反対で、集団的自衛権の政府解釈見直しにも反対だから、字面通り受け取れば、「解釈改憲派」であるボスの小沢一郎とは一線を画していることになる。


先に離党表明した鳩山派の比例区選出議員・中島政希
http://mainichi.jp/select/seiji/09shuinsen/mai/kaihyo/hirei_meikank.php?mid=D03002033033


この人こそゴリゴリの右派で、9条改憲派にして集団的自衛権の政府解釈見直しにも賛成。また、鳩山派議員のくせに「環境税」創設に反対している。


以上見てきたが、ぱっとした議員はいない。特に、中後淳中島政希比例区選出議員だから離党するなら議員辞職すべきだろう。私は別に民主党が壊れていく分については自業自得だとしか思わないが、「泥舟」から逃げ出そうとしているだけにしか見えない彼らを支持する気にも全くなれない。「第2の改易クラブ」を作るなり何なり、勝手にしやがれと思うだけである。