離党が報道されている民主党議員11人のうち、鈴木宗男の「大地・真民主党」に行く参院比例区選出の横峯良郎と、小沢一郎とは反りが合わず、どうやら独立した行動を起こしたらしい衆院北関東比例区選出の中島政希を除く109衆院議員の主義主張を2009年の毎日新聞「えらぼーと」への回答結果から抽出し、まとめてみた。その結果わかったことを下記に記す。
- 新党は実質的な「改憲政党」になる。憲法9条改正を主張する議員が
43名、集団的自衛権の政府解釈見直しを求める議員が65名。9条改正に反対し、集団的自衛権の政府解釈変更も必要ないと答えた「護憲派」議員は、ただ1人石田三示(いしだ・みつじ)のみ。それどころか、核武装の検討を容認する議員が2名いた(三輪信昭、渡辺義彦)。同様の回答をした民主党候補は4%しかいなかったから、「新党」の2022%が「核武装の検討を容認」というのは、かなり異様な軍事タカ派勢力であるといえる。- 任期中の消費税増税には全員が反対。
- 企業・団体の献金に反対する議員が4名いる。民主党候補全員で同様の回答をした人は6%しかいなかったから、「新党」の
4044%が「企業・団体献金を容認」というのは、かなり異様な企業または労組寄りの勢力であるといえる。- 「小泉構造改革」を「全否定」すると答えたのは斎藤恭紀と渡辺義彦の2名のみ。但し渡辺は企業・団体献金を容認しているほか、製造業への派遣禁止に反対し、最低賃金1000円にも反対する「経済タカ派」である。おそらく「小泉構造改革」は「改革が中途半端だった」という認識なのだろう。これを勘案すると、本当の意味で「小泉構造改革」を全否定する回答をしたと評価できるのは斎藤恭紀ただ1人である。民主党候補全体を見ると、64%が小泉構造改革を「全否定」すると回答していたことを考慮すると、かなり異様な新自由主義的勢力であるといえる。
- 個々の議員を見ると、ともに東海比例区選出の小林正枝、三輪信昭の両議員が露骨に企業寄りであり、近畿比例区選出の渡辺義彦は軍事極右にして新自由主義者という最悪の政治家である。
こんな政治家たちがどの面下げて「マニフェストを守れ」などと言えるのか、私には信じられない。
「えらぼーと」への回答でもっとも笑えたのは、問7の「衆院選後の政界再編が取りざたされています。当選した議員が所属政党を変えることは問題だと思いますか」への回答だ。なんと、渡辺義彦以外の議員98名が「問題だ」と回答している。つまり、彼ら自身が「公約」を破っているのだ。唯一「問題ではない」と答えたのが極右にして新自由主義者の渡辺義彦であることも笑える。そして、この選択肢を選んだ大物政治家として、小沢一郎の名前が挙げられるのである。
とんだ茶番劇である。「方舟」議員たちよ、恥を知れ!!!
[追記](2011.12.30)
衆院北関東比例区選出の中島政希議員は小沢・鳩山グループの議員たちとは別行動で離党したとみられることがわかったので、記事を一部書き換えました。