朝日新聞(1/10)の11面に主筆・若宮啓文が書いている特集記事「70年代を悔やむ」の中で、79年総選挙との自民党「40日抗争」のあと、「野党はせっかく実現した伯仲国会の果実を減税に求めるばかりだった」とある。当時の野党第一党・社会党は「減税真理教」に走っていたのか。だとすればその罪は極めて重い。
1979年の総選挙は、当初大平正芳首相が一般消費税の導入を公約に掲げようとして世論の反発に遭ってこれを撤回。選挙は総理大臣がぶれた自民党が大敗し、衆議院の勢力は解散前に引き続いて与野党伯仲になった。そのあとの国会だから、もはや争点は大平が一度引っ込めた一般消費税ではなく、若宮の文章を信じれば、おそらくは所得税などの減税を当時の野党第一党・社会党が要求していたと思われる。当時の論戦を再検証する必要があるけれども、これでは社会党が新自由主義への道を開いたも同然だったといえるのではないか。