kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

たいしたことのなかった朝日新聞(大阪)丑田滋記者の橋下徹批判記事

橋下をぶち切れさせたという朝日新聞(大阪)に丑田滋記者が書いた記事は、たいしたものではなく、ありきたりの橋下批判に過ぎなかった。

橋下を切れさせたのは、見出しに「ハシズム」という言葉を使ったからか。「ファシズム」を「(独裁主義)」とするなどの丑田記者の認識も疑問だし、これでは「橋下を撃つ」効果的な記事にはなっていない。朝日の東京本社版に載らなくても仕方のない記事だとさえ思った。(この記事は、東京本社発行3日付の第2社会面にも載った)

そんな記事に威丈高に噛みつく橋下や、それに拍手喝采する大阪のみならず全国の人たち。「閉塞感」だけを理由にできないと思う。いまや橋下を支持するのは「勝ち馬に乗る」ことと同義とさえ思われる。「バスに乗り遅れるな」という私の大嫌いな言葉を思い起こさせる。


http://digital.asahi.com/articles/OSK201203010219.html

ハシズム」人気のわけは? 口撃受けた4氏が分析


 その政治手法への批判をものともせず、橋下徹大阪市長は世論をぐいぐい引きつけている。産経新聞は1月、「日本のリーダーとして最もふさわしい」とする世論調査の結果を掲載。記者団に感想を求められた橋下氏は「聞いて下さいよ。ハシズムと言って批判している人に」。そこで聞いてみました、橋下さん人気の理由――。

■北大・山口教授、中島准教授

 まず訪ねたのは北海道大大学院の山口二郎教授(政治学)。「既成政党が低迷して、政治の軸が見えないから、期待が高まっている」と分析する。

 朝日新聞の2月11、12日の世論調査では民主党の支持率が17%、自民党が12%。一方で、次の衆院選大阪維新の会が国会で影響力を持つような議席を「取ってほしい」と答えた人は54%にのぼった。

 「既得権益」との対決構図をつくり、冷遇されていると思っている人たちから喝采を浴びる――。山口氏は、橋下氏がそんな政治ショーを演じ続けているように見える。

 1月15日、橋下氏とともに出演したテレビ朝日の「報道ステーションSUNDAY」。山口氏が大阪都構想や教育改革に異論を挟むと、橋下氏は「学者がちまちま言う」「いかにも学者の意見」などと攻撃。作家の渡辺淳一氏が「しばらくやらせたい」と言うと、「現実を知っている小説家」と持ち上げた。

 物事を単純化し、レッテルを貼って切り捨てる。「ケンカとしては橋下さんの勝ちでしょう」と山口氏は言う。ただ、批判勢力を徹底的に排除する言動に、戦後米国に吹き荒れた思想弾圧「マッカーシズム」を感じるという。

 次に、山口氏の研究室の向かいにある北大公共政策大学院の中島岳志准教授(政治思想史)の部屋を訪ねた。

 「東日本大震災で政府への信頼は失われ、不安を抱いた国民に『救世主待望論』が出ているのでは」と中島氏は言う。

 2大政党の低迷で有権者は有力な選択肢を失った。そこに橋下氏が「既存体制の破壊」を掲げ、公務員や労組など分かりやすい敵を提示してきた。「みんなが期待しているのは『一発逆転ガラガラポン』。個別の政策への支持ではない」と中島氏はみる。

内田樹氏、香山リカ

 平松邦夫・前大阪市長の特別顧問だった神戸女学院大名誉教授の内田樹(たつる)氏(フランス現代思想)も橋下氏の攻撃対象だ。「次々と敵をつくらなければ橋下氏は支持を維持できない『自転車操業』。国政進出の話を出してきたのも同じ理屈だ」と指摘する。

 「ある種の危機や病理を抱いている一つの証拠だと思ってしまう」。精神科医香山リカ氏は、橋下氏の手法に触れて、こう発言したことがある。すると、橋下氏からツイッターで「一回も面談もしたことがないのに僕のことを病気だと診断した。サイババ(超能力で病を治したと注目を集めたインドの宗教家)か」。

 香山氏は言う。「特定の病気と断定したのではない。白か黒かでしか判断できない人は、大きな不安を抱えていることがある。二者択一を迫る政治家が支持されるのは、有権者が不安定な状況に追い込まれているからではないか」

 朝日新聞朝日放送の2月18、19日の府民を対象にした世論調査で、教育基本条例案などへの賛成が高かったことを受け、橋下氏は「あの人たちの反対をやれば、多くの民意をつかむ自信がある」と香山氏らをやり玉に挙げた。

 「ここまで来ると単なる中傷。橋下さんの言動は、自分と少し異質なものをたたく風潮とフィットしているのかもしれない」。香山氏は社会の空気を心配している。

■取材の記者は

 「既得権益」があると見なした人を「敵」に仕立て、時に口汚いと思えるほどの言葉も使いながら徹底的にやりこめる。橋下氏お得意の手法には、違和感を持っていた。

 今回取材した4氏は、橋下氏のツイッターで「文系大学教授」とひとくくりにされ、「役立たず」などと激しく批判されている。昨年11月の大阪市長選で相手陣営についたことも影響しているのかもしれないが、非常に感情的な言葉が並ぶ。山口氏は「基本的に礼儀を知らない言葉遣いだ」と不快感を示す。

 4氏に共通していたのは、そんな攻撃的な手法をとる政治家が全国的に受け入れられる現状への危機感だった。中島氏は「行政サービスを受けている以上、あらゆる国民が既得権益者」と指摘した。橋下氏に拍手喝采を送っている人が、ある日突然、「敵」にされるかもしれない。(丑田滋)

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■「独裁」かけた造語

 リーダーシップを重視し、「日本の政治で一番重要なのは独裁」とも発言した橋下氏。名付け親は不明だが、「ハシズム」は、そんな政治手法とファシズム(独裁主義)とをかけた造語とみられる。

 昨秋の大阪ダブル選前に大阪市で開かれたシンポジウム「『橋下』主義(ハシズム)を斬る」や、出版された「橋下主義(ハシズム)を許すな!」で知られるようになった。山口、中島、内田、香山の各氏はそのシンポに出たり、著者になったりした人たちだ。

 シンポ実行委員会のメンバーは「以前から市職員らの一部で『ハシズム』は使われていた。橋下氏の一種強権的な動きや主張を表すのにピッタリだった」と説明する。

 橋下氏は「やらなければ実行力がないと言われ、やれば独裁だと言われるなら、やって批判を受ける方がいい」(昨年10月4日)と述べている。

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■橋下氏の記者団への発言要旨

 《1月16日、産経新聞などの世論調査結果への感想を問われ》

 あれで聞いてくださいよ、香山リカさんとか、中島さんとか、山口さんとか、ハシズムと言って批判している人に、どうなのかといって。

 《2月20日、朝日新聞朝日放送世論調査で教育基本条例案など政策への賛成が伸びていたのを受けて》

 山口、中島、内田、帝塚山のなんとかの、香山さんとかの、あの人たちに感謝。あの人たちの反対をやれば、多くの民意をつかむ自信があります。あの人たちの反対をすれば、多くの人が納得するということがわかりましたから。ああいう貴重なセンサーを大切にしないといけませんね。

朝日新聞デジタル 2012年3月2日03時00分)