kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

赤川次郎、朝日新聞「声」欄で橋下を批判

朝日新聞(4/12)の投書欄「声」(東京本社版)に、作家の赤川次郎の投稿が筆頭に掲載されている。
タイトルは「橋下氏、価値観押しつけるな」。まず大阪府立和泉高校の教師の口元チェックの件から説き起こし、「なるほど、『密告の奨励』は独裁政治につきものである」と批判する。

次いで、府知事時代の橋下の文楽批判に言及する。こんなもの二度と見ないと言い放ち、補助金を削減した橋下は、「落語は補助金なしでやっている」と言った。赤川は書く。

舞台に座布団一つあればいい落語と、装置を組み、大勢の熟練の技を必要とする文楽を一緒にする非常識。客の数だけを比べるのはベートーヴェンとAKBを同列にするのと同じだ。
(2012年4月12日付朝日新聞「声」欄掲載・赤川次郎の投稿より)

赤川は自らの理解力を棚に上げて価値観を押しつけるのは「力強い指導力」とは全く別物であると主張したあと、下記の文章で投稿を結んでいる。

 過去に学ぶ謙虚さを持ち合わせない人間に未来を託するのは、地図もガイドもなく初めての山に登るのと同じ。一つ違うのは、遭難するとき、他のすべての人々を道連れにするということである。
(2012年4月12日付朝日新聞「声」欄掲載・赤川次郎の投稿より)


だが、この投稿も橋下にとっては「蛙の面に小便」だろう。現実の橋下の言動はもっと強烈だ。


http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120410-OYT1T01245.htm

橋下市長、楽団が1億補助金競うコンテスト提案


 大阪市橋下徹市長は10日の大阪府・市統合本部会議で、在阪の交響楽団などが1億円の公的支援を競うコンテスト案を提示した。

 起伏のある未舗装のコースをバイクで走るモトクロス場を大阪城公園内に特設し、レースイベントを開催する構想も提案した。今後、実現性を検討するという。

 補助金見直しを進める市の改革プロジェクトチームは大阪フィルハーモニー交響楽団(大フィル)への年1億1000万円の補助金の25%カット案を打ち出している。橋下市長は「補助金をもらうのが当たり前になっている。賞金1億円のコンテストを開き、楽団同士で競わせてはどうか」と提案。音楽イベントの開催など優勝楽団への特典にも言及した。

 また、大阪の知名度を世界的に高めるイベントとして、国特別史跡大阪城公園西の丸庭園でモトクロスレースを開催する案も明かした。市教委によると、特別史跡の現状変更には文化庁の許可が必要だという。

(2012年4月11日07時33分 読売新聞)


この記事を読んで、橋下に巣食う「暗い情念」のどす黒さを感じ、慄然とせずにはいられなかった。文楽やオーケストラに対する橋下のルサンチマンは「病的」の一語である。そんな橋下とヒトラーとの連関を論じない方が知的不誠実であると私は思う。


はてなブックマーク - 橋下市長、賞金1億円を競うコンテスト提案 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) の数多あるブクマの中から、最初から2番目についたブクマのコメント。

AmahaYui 大阪, 音楽, 橋下徹
ばっっっっっっっかじゃないのこのヒトラー(`´メ) その経費すらすでに無駄だろが。無駄無駄言って補助金削ったくせに。うちらの仲間を見世物にする気か。信じられんorz 2012/04/10


ブコメ中にある「うちらの仲間」という言葉については、ブクマ主さんの下記「はてなダイアリー」記事を参照されたい。
冷静になれない、そんな訳。 - 天衣無縫日記www


一方で、「脱原発で頑張る橋下市長を応援しよう」とか、「このままいけば、次期総理は橋下徹になるかも」などと言い出す人間が後を絶たないが、こういう人たちは「地図もガイドもなく初めての山に登る」ことを奨励しているも同然なのだ。