kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

ベートーヴェンと橋下

赤川次郎は知る人ぞ知る「クラシック音楽大好き人間」で、だからこそ朝日新聞への投書で橋下を批判して

舞台に座布団一つあればいい落語と、装置を組み、大勢の熟練の技を必要とする文楽を一緒にする非常識。客の数だけを比べるのはベートーヴェンとAKBを同列にするのと同じだ。

と書いた。

赤川の投書は朝日の大阪本社版には掲載されなかったらしい。大阪に住む橋下がまだ反論していないのはそのせいだと思われる。以前、ナベツネ渡邉恒雄)の批判にびびって反論までタイムラグがあった時とは事情が違う。橋下はいずれ赤川次郎にかみつくのではないか。

ところで、音楽に限らないが、芸術作品にはしばしば人間の心に潜む暗い闇が投影されており、それを感知できる受け手の心を震撼させる。逆に言えば、そういったどす黒さを作品に閉じ込めるのが芸術家の仕事といえる。ベートーヴェンの音楽にもそういうところがある。

一方、橋下やヒトラーのような人間は、そうしたエネルギーを解き放ち、社会を破壊する。いってみれば「逆芸術家」のようなものだと思う。

だからこそ、橋下は芸術を憎む。そんな橋下が解放しようとしている「破壊のエネルギー」を「閉じ込める」ことこそ、日本に住む人間のなすべき仕事である。