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橋下、ついに原発再稼働を容認

橋下がついに原発再稼働を容認した。


大飯原発、橋下市長が夏だけの再稼働案に言及 :日本経済新聞

大飯原発、橋下市長が夏だけの再稼働案に言及
「容認ではない」とも強調


 橋下徹大阪市長は19日、大阪市内で開いた関西広域連合の会合で、関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)を夏の電力需要のピーク時に限定して再稼働させる案に言及した。橋下市長は再稼働を「容認したわけではない」と強調する一方で「ゼロか100かの議論ではなく、フル稼働に向けた動きを少しでも食い止めるためのぎりぎりの提案」とした。

 関西広域連合の同日の会合には細野豪志原発事故担当相と斎藤勁官房副長官が出席し、政府が4月にまとめた新たな安全基準を説明して再稼働に理解を求めた。閣僚が関西地域の首長らが集まる公式会合に出席し、再稼働への政府の考え方を示したのは初めて。

 原発相は会合で政府の安全基準について「原子力規制庁の発足が遅れていることはおわびするが、現時点でやるべき事は前倒しで導入している」と強調した。ただ知事らからは安全確認に万全を期すべきだとして早期の再稼働に慎重な意見が目立った。

 注目を集めたのが橋下市長だ。これまで大飯原発3、4号機の再稼働を政府が「妥当」と判断したことを受けて「政治家が安全を確認できるわけがない」と発言するなど再稼働への反対を表明。政府の最終判断が近づいていることを踏まえ、新たな考え方を示したとみられる。

 橋下市長の提案について、京都府山田啓二知事も賛成する意向を示した。一方、兵庫県井戸敏三知事は「技術的な問題もあり、関西広域連合としての検討課題にはならないのではないか」と指摘。関西電力八木誠社長は「安全性が確認されたプラントは安定的に稼働させていただく」と否定的な見解を示した。

 橋下市長の提案について原発相は「供給サイドの責任者ではない」などと述べた。

日本経済新聞 2012/5/19 23:09)


言い訳のように「『容認ではない』とも強調」などという見出しをつけられているが、これは例の「20000%ない」と同じ意味の反語だろう。これが再稼働容認でなくていったい何だろうか。いや、容認というより積極的な「再稼働提言」と言うべきかもしれない。

この記事は、公開された当初、「大飯原発、橋下市長がピーク限定再稼働案に言及」となっていたのが、「夏だけの」に訂正されたものだが、日経のレベルも落ちたものだ。原発は運転を開始したり停止したりするのに日数を要することくらい誰でも知っている。「ピーク時」の数時間だけスイッチを入れ、それ以外の時間帯にはスイッチを切るなどという芸当はできない。二、三日前、朝日新聞に昨年3月の東電管内の計画停電を「昨年夏」と平然と書いていた。書いた記者も東電管内にいたはずなのになあと呆れた(翌日、訂正記事が載った)。

一度「原発のスイッチを入れる」(by 森永卓郎)と、最低でも数か月間は動かし続けることになる。そして、それが「夏だけ」にとどまるはずがなく、惰性で動かし続け、それがトリガーになって各電力会社の原発が次々と再稼働される流れになることは火を見るより明らかだ。

しかし、そうなったところで、橋下は「夏の電力需要のピーク時に限定して再稼働させることを提案しただけだ」と開き直るか、または何も言わないに違いない。世論の関心も原発から離れ、橋下は原発問題を人気とりに利用するだけ利用して、あとはそんな看板など捨て去ってしまうのだ。

脱原発に頑張る橋下市長を応援しよう」などと甘いことを言っているからこういう手痛いしっぺ返しを食う。何度も書くが、「掌返し」は橋下の十八番である。橋下に対しては「全否定」あるのみ。欠片ほども橋下を評価してはならない。


[追記]
この日経記事についた「はてなブックマーク」に面白いコメントがあった。

BUNTEN 技術, ネタ, 政治
橋下氏に遠慮してか、カッコ付きで発言を紹介せずぼかしてあるが、「兵庫県井戸敏三知事」の発言からは橋下氏の提案は"短時間で稼働と停止を繰り返す"という趣旨であったように読める。 2012/05/20

なるほど。そう考えれば日経の記事に最初「ピーク限定」という見出しがつけられていたらしい理由もわかる。橋下の原発に対する認識がそのようなものであった可能性があるようだ。そんな人間が口にしていた「脱原発」っていったい‥‥