kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

橋下の「なし崩し原発再稼働」の狡智が「成功」しつつあるのか?

言わんこっちゃない。


http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120521-OYT1T00554.htm

橋下氏の大飯原発臨時稼働案、官房長官は否定的


 藤村官房長官は21日午前の記者会見で、関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に関連し、大阪市橋下徹市長が電力需給逼迫(ひっぱく)時に限って稼働させる提案をしていることについて、「電力需給の厳しさだけを踏まえた臨時的稼働を念頭に置いているわけではない」と述べ、否定的な考えを示した。

 藤村氏はその理由を、「原子力を直ちに止めれば、LNG(液化天然ガス)の買い増しなど燃料コストの増加による電気料金引き上げは避けられない。経済や国民生活が大きな影響を受ける」と説明した。
(2012年5月21日14時15分 読売新聞)


政府のこの反応に橋下徹はほくそ笑んでいるのではないか。

マスメディアの報道を見ても、「期間限定原発再稼働」を言い出した橋下を、「原発再稼働に路線転換」と批判する声はなく、相変わらず橋下は「脱原発」側として描かれていた。しかし、一度原発の「スイッチを入れて」しまったら、惰性で運転は続けられる。だから橋下と藤村修の主張に隔たりなど全くないのである。物事はすべて「惰性」で動く。それは、浜岡原発停止と限界原発再稼働阻止のあと、5月5日に原発稼働ゼロに至ったという「逆の例」からも明らかではないか。橋下の提案は、明らかに原発再稼働に道を開くものだ。

朝日新聞は19日に「大飯原発―再稼働はあきらめよ」と題した社説*1を掲載した。しかし、その朝日も橋下の「提案」を批判しない。自らの社説の案が議題から外されようとしているというのに。

突飛な連想かもしれないが、昨年夏の民主党代表選で小沢一郎原発維持・推進派の海江田万里を担いだことを思い出す。野田佳彦原発維持・推進派だから、民主党代表選から「脱原発」の争点は消えた。橋下の「提案」は、小沢が海江田を担いだことと同じ意味合いを持つと私は思うのだが、なぜかそうしたとらえ方は絶無に近いようだ。

こういう時こそ、「脱原発に頑張る橋下市長を応援しよう」と言っている人たちは何か言ってしかるべきだと思うが、なぜ黙っているのか。