kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「核燃サイクル」は論外の「トンデモ」。「毎日新聞叩き」は誤りだ

毎日新聞テレビ朝日が「火付け役」だったらしい、「核燃サイクル」をめぐる「秘密会議」の件だが、核燃サイクルとは世界各国が次々と撤退したのに日本だけが推進しているという愚策であり、まだしも議論の余地のある原発再稼働の是非を巡る議論と比較しても全然次元の違う「論外」「トンデモ」である。未だに推進派が非公開の会合を重ねてこんなものの生き残りを図っているのかと唖然とした。

報道は毎日新聞がリードする形になっている。今適当にネット検索をかけたら、こんな記事が引っかかった。


http://mainichi.jp/select/news/20120526k0000m040159000c.html

原子力委:04年にも秘密会議 「露見なら解散」


 使用済み核燃料を再利用する核燃サイクル推進側による秘密会議問題で、現行の原子力政策大綱(05年閣議決定)作成準備期間中の04年にも、内閣府原子力委員会が「原子力を巡る勉強会」と称する同種の会議を開いていたことが毎日新聞が入手した文書で分かった。少なくとも04年4月までに10回開催され、核燃サイクル政策について協議していた。出席した近藤駿介原子力委員長(69)は当時「表に出た瞬間にやめる」と発言したとされ、隠蔽(いんぺい)体質は8年前から続いていた。【核燃サイクル取材班】

 毎日新聞が関係者から入手した文書の表題は「第2回原子力を巡る勉強会」。04年1月29日午前8〜10時に開かれた。場所は今回発覚した昨年11月〜今年4月の秘密会議と同じ中央合同庁舎4号館743会議室。近藤委員長が「表に出た瞬間に勉強会をやめる」と発言したと記載され、存在が露見すればすぐ解散する方針だった。

 「座席表」が付され、近藤委員長のほか▽斎藤伸三委員長代理▽前田肇(はじむ)委員▽町末男委員▽経済産業省資源エネルギー庁の安井正也原子力政策課長▽文部科学省渡辺格(いたる)原子力課長▽東京電力原子力計画部幹部▽関西電力原子力事業本部幹部(肩書はいずれも当時)−−ら15人の氏名が記載されていた。推進派ばかりで慎重・反対派はいなかった。

 毎日新聞は「第7回原子力を巡る勉強会」(04年3月11日開催)と題した別文書も入手した。再処理工場で使用済み核燃料からウランとプルトニウムを取り出し、高速増殖炉(FBR)で使う核燃サイクルが議題だった。国側が「21世紀後半からFBRを導入するなら電力でやる(経営する)のか」と尋ねると、事業者側が「経済性がなければできない」と難色を示し、国側が「電力ではないのか(電力でやるべきだ)」と押し返す様子が記載されている。結局、原子力政策大綱にはFBRは2050年ごろから商業ベースで導入を目指すと定められた。

 8年前の勉強会はデータ整理にとどまらず、大綱の核心部分の一つを論議していた。今回の秘密会議も、今夏にも策定する新大綱のうち、核燃サイクル見直しを巡って開かれたことが分かっている。

 当時を知る経産省関係者は「ムラだけの秘中の秘で、着々と準備を進めていた。今回も秘密会議を開いていたと聞いて、原子力ムラは原発事故以降も何も変わっていないと思った」と話した。

 近藤委員長は毎日新聞の取材に「確かに勉強会はあった。議案を配布するようなものではなく、海外の事例などを研究するもので問題はない。(表に出たら解散すると言った)記憶はないが出席者に『注意してちょうだい』とは言った」と話した。


 【ことば】原子力政策大綱

 内閣府原子力委員会が約10年間の国の原子力政策の基本方針を定めるもので、5年をめどに見直される。05年10月に決定した現行大綱は原発依存度を30〜40%以上とし、使用済み核燃料の全量再処理路線継続も盛り込んだ。現在は立地自治体や財界関係者、研究者ら27人で構成する「新大綱策定会議」が見直し作業を進めている。

毎日新聞 2012年05月26日 02時30分)


今回の毎日新聞のスクープは、「核燃サイクル」に反対する経産省官僚(OB?)のリークではないかとも言われており、確かに、少し前に朝日新聞プロ野球・読売球団が新人選手に払った裏金の件を、おそらく清武前読売球団社長のリークに基づいてスクープした件を思い出させる生々しさがある。テレビ朝日の「隠し撮り」の映像も驚きだった。「毎日新聞&TBS」でもなければ「朝日新聞テレビ朝日」でもなく、グループの異なる「毎日新聞テレビ朝日」をリーク先に選んだやり方も巧妙で*1、これだと朝日新聞も知らん顔はできず、半日遅れの5/24夕刊から後追いを始めた。

だが、リーク云々はともかく、核燃サイクルの生き残りを図る妄動は論外である。最近は、一部「脱原発」派の暴走が批判されており、それを批判する江川紹子氏らが一定の評価をされたりしているが、今回の毎日(や朝日・東京)新聞やテレビ朝日の報道を「トンデモ脱原発派」と一緒くたにするのは全くの誤りだ。たとえば下記togetterのコメント欄には唖然とした。


毎日新聞スクープ"核燃サイクル「秘密会議」"について鈴木達治郎氏(原子力委員長代理)と江川紹子氏、斗ヶ沢秀俊氏がツイッター上で質疑応答 - Togetter


上記togetterのコメント欄にある下記Twitterなどを見ていると、「江川紹子の害毒」と毒づきたくもなってしまう。
http://togetter.com/li/309310#c537562

斗ヶ沢秀俊氏(毎日新聞) @hidetoga のツイートと、その後の鈴木氏 @tatsu0409 と江川氏 @amneris84 のやりとりを読み比べると、いかに毎日新聞の記事が信用できないかがよくわかる。印象操作、煽動ありきで、飯田哲也 @iidatetsunari 師の論説と大して変わりない。


毎日新聞の斗ヶ沢秀俊記者は、それこそ上杉隆に代表されるような「リスク厨」が目をむきそうな主張をしている人であり、「原発関連御用文化人リスト」にもその名を挙げられているのだが、つぶやきの主はそんなこともご存じないに違いない。

脱原発派」の暴走はもちろん問題だが、その反動としての「反・脱原発派」の無知と暴走も大きな問題だ。江川紹子は(本人にはその意図はないと思うが)結果的に後者の蔓延に手を貸している。

一昨年の岸井成格主筆就任に伴って休止している「『毎日新聞叩き』に反対するキャンペーン」を、本件に限定して再開したい*2

*1:清武氏も朝日新聞と同時にTBSにもリークすれば良かったかも、と一瞬思ったが、TBSは読売戦のラジオ中継をやってるからリークしても無意味だったことにすぐ気づいた。

*2:但し、毎日新聞ネオリベ的主張及び岸井成格岩見隆夫に代表される「毎日新聞政治部脳」の妄言は引き続き批判していく。