kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

橋下、「衆院選で過半数を目指す」と豪語

いよいよ事態は深刻さを増してきた。


維新、衆院で単独過半数めざす 橋下氏会見詳報 :日本経済新聞

(前略)

 ――目標は第1党か?

 「政治的な決定をやる以上は過半数だ。ただほかの党と選挙後に連携、協議して政策実現する、という意味での過半数を含む。基本的に過半数を目標にするが、過半数絶対主義も改めるべき大きなテーマだ。過半数をめざすが、絶対目標ではないと思っている」

(後略)

日本経済新聞 2012/9/8 23:59)


このくだりを読んで、気分が鬱々と塞いでどうしようもなくなった。自民党が強い青森・北陸・中国・四国・九州はともかく、近畿をはじめとして関東・東海地方などは「維新の怪」の草刈り場になるのではないか。こんな勢力の台頭を易々と許す「小選挙区制」の罪はあまりにも重い。

少し前に報道された、鳩山由紀夫手羽先・松野、元小沢Gの極右・石関、自民党の同じく極右・松浪、それに「みんなの党」の比例区議員2人の雑魚をかき集めれば、「日本維新の怪」は政党要件を満たし、マスメディアの政党支持率の調査対象になる。

いや、既に気の早いメディアは今月初めにやっている。下記は今週末ではなく、先週末の報道。


http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00230770.html

野田内閣支持率26.6% 比例投票先は23.8%が「維新の会」


FNNがこの週末行った世論調査で、野田内閣の支持率は、横ばいの26.6%だった。次の衆議院選挙の比例代表の投票先としては、4人に1人が橋下大阪市長率いる「大阪維新の会」を選び、自民党民主党を上回った。
2日までの2日間、全国の有権者1,000人から回答を得た電話調査によると、野田内閣の支持率は、前回より2.5ポイント下がり、26.6%。
不支持率は1.7ポイント増の62.6%だった。
政党別では、民主党の支持率が12.2%と、政権交代後最低となっている。
次の衆議院選挙の比例代表投票先では、4人に1人(23.8%)が大阪維新の会に投票すると答えて、トップ。
2位の自民党(21.7%)、3位の民主党(17.4%)を上回り、ほかの既成政党を大きく引き離した。
みんなの党に投票すると答えた人(3.3%)は、前回調査に比べ、6割減少している。
大阪維新の会については、国政で影響力を持つような議席をとることについても、6割を超える人が「期待」している(62.0%)。
野田首相自民党の谷垣総裁を比べて、どちらが「首相にふさわしいか」、「指導力があるか」を尋ねたところ、いずれも、野田首相が谷垣氏を大きく上回った。
ただ、民主党の代表に誰がふさわしいかでは、前原氏(18.0%)が野田首相(16.1%)を上回り、岡田氏、枝野氏と続く。
細野氏(3.0%)は、田中 真紀子氏、玄葉氏を下回っている。
一方、自民党の総裁に誰がふさわしいかでは、石破氏(20.6%)との回答が最も多く、次いで安倍氏(17.3%)、石原氏(14.2%)が続き、谷垣氏(6.3%)は3人に大きく水をあけられている。
自民党支持層に限定すると、安倍氏(22.8%)がわずかに石破氏(21.1%)を上回り、谷垣氏(14.0%)が石原氏(15.8%)に迫る。
次の総選挙で鍵を握るとみられる「支持政党なし」の無党派層では、やはり石破氏(19.3%)が、安倍氏(16.0%)を上回り、谷垣氏(4.2%)が大きく後退する。
野田首相が、参議院で問責決議を受けるのは仕方がないと「思う」人は7割近く(67.2%)。
消費税増税反対や3党合意を批判する決議案に、自民党が賛成したことを適切だと「思わない」人(52.5%)は、半数を超えた。
衆議院解散総選挙の時期については、「秋の臨時国会で」が最も多く(35.9%)、「今の国会で」(19.1%)とあわせると、半数を超える人が「年内が適切」という認識を示し、一方で、「来年(2013)夏の衆参ダブル選挙」も3割(30.8%)を占めている。
争点として何を重視するかでは、「景気・経済対策」と「医療・年金などの社会保障」を挙げた人が多く、「消費税率引き上げ」や「原発政策」を挙げた人は、1割にも満たないことがわかった。
「1票の格差」是正前の解散総選挙については、半数近くの人が適切だと「思わない」と答え(47.7%)、「思う」(39.4%)を上回っている。
島根県竹島に、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が上陸したことを「容認できない」は9割近く(88.2%)。
大統領が、天皇陛下の韓国訪問にからんで謝罪を求めたことについて、発言を「撤回すべきだ」も9割(90.1%)に達した。
政府は韓国に対して経済・金融面で対抗措置をとるべきだと「思う」は6割近く(59.8%)、「思わない」の3割を上回っている。
一方、沖縄県尖閣諸島に不法上陸した香港の活動家らを強制退去としたことについては、6割近く(57.5%)が「適切だと思う」と答え、政府の対応を支持した。

(FNNニュース 2012/09/03 11:55)


この報道には「国民の生活が第一」や「みんなの党」の政党支持率は出ていないが、前者が1%、後者が3%程度というのが最近の傾向だ。そんな中、「(「国民の生活が第一」が選挙協力しなければ(「維新の怪」は)勝てない」と言ったという小沢一郎や、「維新の怪」を吸収合併して党名を「みんなの維新」にしようとしたという渡辺喜美は、強がりか思い上がりかは知らないが*1、たとえば小沢一郎橋下徹の現在の力関係を象徴していると思ったのは上記の小沢一郎の発言が大阪の朝日放送(ABC)でなされたものであることだ。


http://www.jiji.com/jc/zc?k=201208/2012083100886

大阪維新との連携に意欲=小沢氏


 新党「国民の生活が第一」の小沢一郎代表は31日の朝日放送の番組で、「大阪維新の会」を率いる橋下徹大阪市長について「統治の機構、日本の行政、国家機構を変えなければいけない。言っていることは私も同感だ」と評価した。その上で「いいリーダーがいれば、どんな形でも協力する」と述べ、次期衆院選での連携に意欲を示した。
 大阪維新は「生活」との連携に慎重とされるが、小沢氏は「橋下さんがどういう考えか分からないから。私はどなたであれ協力するし、協力しなければ選挙に勝てない」として、可能性はあると強調した。

時事通信 2012/08/31-19:02)


この日、小沢一郎が大阪の朝日放送スタジオにいたかどうかはわからないが、最近、小沢がしばしば大阪入りしていることに少し前から気づいていた。かつて宮沢喜一渡辺美智雄三塚博の3人を自らの事務所に呼びつけて「面接」した小沢一郎は、今や橋下に謁見するためにしばしば大阪を訪れる「臣・一郎」と化している。「協力しなければ選挙に勝てない」という小沢の言葉は、「『維新の怪』に協力してもらわなければ『国民の生活が第一』は選挙に勝てない」という方が正しい。しかし、小沢の「生活が第一」と連携すれば無党派層の票を失い、「生活が第一」の支持率を増やすだけであることは橋下にはわかり切っているから、小沢の求めに橋下が応じることは、小沢が橋下に全面屈従する場合を除いてあり得ない。

同じことは「維新の怪」と「みんなの党」の関係についてもいえる。衆院選では、「生活が第一」も「みんなの党」も両方とも「維新の怪」と無党派層を奪い合うライバルなのである。

一方、「維新の怪」は公明党が選挙区で候補者を立てる選挙区には自党の候補者を立てないというが、これも理解できる。なぜなら公明党の票は「固定票」であり、橋下がいくら引き剥がそうとしても無理な相談だからだ。同じことを考えたのが1998年の自民党や、「自自公連立」の仕掛け人となったナベツネである。なお、この時公明党より先に自民党に取り込まれたのは、小沢一郎自由党だった。

橋下は、大阪市長として内閣総理大臣をリモートコントロールするつもりのようだが、これにも先例があり、自民党政権時代の1989〜91年に海部俊樹首相、民主党政権時代の2009〜10年に鳩山由紀夫をコントロールした小沢一郎がそうだ。ただ、小沢の場合は自らも国会議員ではあったが。

で、リモートコントロールする総理大臣としてはどういう人間がふさわしいか。もちろん、「軽くてパーな御輿」が一番良いに決まっている。だから橋下は安倍晋三に声をかけたのだ。だが、安倍はまだ自民党総裁に返り咲けると無邪気に信じているらしい。なお、総裁選は石原伸晃石破茂の決選投票にもつれ込み、谷垣禎一には票が集まらないというのが自民党の党内調査の結果だといわれている。安倍は、自らが決選投票に残れない場合は石破につくつもりらしい。

いずれにしても、気分が真っ暗に落ち込む話ばかりである。この記事も、なかなか書き出そうという気が起きなかったが、気力を振り絞って書いた。

*1:おそらく小沢は「強がり」、渡辺は「思い上がり」だろう。