kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

孫崎享のトンデモ本『戦後史の正体』を朝日新聞読書欄で佐々木俊尚が酷評(笑)

さて、そろそろ孫崎享のトンデモ本でも買おうかな(笑) - kojitakenの日記 のコメント欄より。


http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20120929/1348881741#c1348903971

id:redkitty 2012/09/29 16:32
2012年9月27日(木)朝日新聞朝刊17面「論壇時評」の「論壇委員が選ぶ今月の3点」。酒井啓子氏と森達也氏が、3点の中の一つに『戦後史の正体』をあげていますね。


http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20120929/1348881741#c1348958751
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20120929/1348881741#c1348958902

id:redkitty 2012/09/30 07:45
2012年9月30日(日)朝日新聞朝刊13面読書欄に、「売れてる本」として紹介が載ってますね。「本書は典型的な謀略史観でしかない。」評者は佐々木俊尚氏。


確かに、朝日の「論壇時評」は6人の選者のうち仰せの2人(酒井啓子森達也)が孫崎本を挙げていますね。論壇時評の著者・高橋源一郎は本文中で孫崎享に言及していますが、『戦後史の正体』絡みではなく、『日本の国境問題』(ちくま新書)と『週刊ポスト』の記事です。朝日の論壇時評は執筆者から学者を外して以来、つまらない政治読み物に堕してしまったと思っています。岩上安身あたりもよく言及されますし。

一方、佐々木俊尚の書評は痛快でした。佐々木氏の評論には同意できないことが多いですが、今回朝日に載った書評には全面的に同意できます。「自立への一助にできるか」という書評の見出しを見て、よもや孫崎トンデモ本翼賛か、と一瞬ぎょっとしましたが、本文を読んで爆笑しました。以下一部を省略して引用。

 ロッキード事件から郵政民営化、TPPまで、すべては米国の陰謀だったという本。米が気に入らなかった指導者はすべて検察によって摘発され、失脚してきたのだという。著者の元外務省国際情報局長という立派な肩書も後押ししているのか、たいへん売れている。しかし本書は典型的な謀略史観でしかない。

 日本の戦後史が、米国との関係の中で培われてきたのは事実だろう。しかしそれは陰謀ではなく、米国の一挙手一投足に日本の政官界が縛られ、その顔色をつねにうかがいながら政策遂行してきたからに他ならない。

(中略)

 終戦直後に出た『旋風二十年』という本がある。戦中は多くを報道できなかった新聞記者が「実は軍部が悪かったのだ」と暴いた本だ。当時の国民はこの本に「そうだ、悪いのは私たちじゃなかったのだ」と胸をなで下ろし、結果として戦争責任の問題は他人事へと押しやられた。

 本書も、「今の日本がうまくいっていないのは米国の陰謀があったからだ」と自己憐憫と思考停止を招くのか。それとも「これからは自立していかなければ」と前に踏み出す一助となるのか。後者であることを切に祈るばかりだ。(創元社。1575円=8刷20万部)

朝日新聞 2012年9月30日付読書面掲載 『戦後史の正体』書評より。評者・佐々木俊尚=ジャーナリスト)


書評のタイトルに採用された「自立への一助にできるか」というのは、書評の結びの文章からとられていますが、私には皮肉としか読めませんでした(爆)