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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

韓国大統領に朴槿恵氏

やはりこうなったか。


http://www.asahi.com/international/update/1219/TKY201212190843.html

韓国大統領に朴槿恵氏 初の女性、接戦制す


 【ソウル=貝瀬秋彦】韓国大統領選は19日に投開票され、保守系の与党・セヌリ党朴槿恵(パククネ)氏(60)が、革新系の最大野党・民主統合党文在寅(ムンジェイン)氏(59)との大接戦を制し、当選を決めた。初の女性大統領が誕生する。保守政権が継続するが、朴氏は選挙戦で李明博(イミョンバク)政権の政策を厳しく批判しており、経済政策などに変化が出てきそうだ。

 朴氏は午後11時50分ごろにソウル中心部の広場に姿を見せ、「だれもが夢を実現できる国民幸福時代を必ず開く」と宣言した。文氏は党本部で「政権交代を望む国民の熱望を実現できなかった」と敗北を認めた。朴氏は故朴正熙(パクチョンヒ)元大統領の娘で、初の親子2代の大統領にもなる。来年2月25日に就任する。

 今回の選挙では、「新しい政治」を掲げて無所属での立候補を模索した安哲秀(アンチョルス)氏(50)が、既成政党に不信を抱く若者や無党派層に支持されたが、途中で断念して文氏を支持。文氏は先行する朴氏を急激に追い上げたが、有権者は政界で長く活動し、「危機を克服できる準備された大統領」とアピールした朴氏の手腕に期待を託した。

朝日新聞デジタル 2012年12月20日2時1分)


朴槿恵といえば朴正熙の娘。日本の新総理(再総理)が岸信介の孫なら韓国は朴正熙の娘か、と思われる方もいるかもしれないが、安倍晋三ごときと比較するのは朴槿恵氏に失礼だろう。

とはいえ、個人的な好悪で言えば、私は世襲政治家が大嫌いだし、特に朴正熙に関しては、軍事クーデターでのし上がった悪辣な独裁者だったし、なんといっても私が小学生の時分に起きた金大中拉致事件の悪印象があまりにも強い。のち高校に上がって、しょっちゅう朴正熙の悪口を言っていたら、ある日朴正熙が暗殺された。そのニュースを知らずに登校した私は、級友から教えられてびっくり仰天したものだ。確かそれが土曜日の朝だったから、暗殺は金曜日の夜だったんだろうなと思って調べたらその通りで、事件は1979年10月26日夜に起きた。朴正熙暗殺で韓国に春が訪れるかと思われたが、翌年再び全斗煥が軍事クーデターを起こした。

あの当時は、朴正熙を「ぼくせいき」、全斗煥を「ぜんとかん」と日本語読みしていた。ATOKでも全斗煥は「ぜんとかん」で変換してくれるが、その次の盧泰愚は「のてう」「ろたいぐ」のいずれでも変換される。テレビのニュースでは盧泰愚は「ノテウ」と発音されていたから、おそらく全斗煥政権の途中から韓国人の読みを現地読みするようになったのだろう。

朴槿恵の日本語読みは「ぼくきんけい」らしいが、そう発音されても誰のことだかわからない人がほとんどだろう。私もネット検索で調べて知った。「パククネ」は「パックネ」「パククンヘ」とも表記される。軍事政権の独裁者だった父は、核武装を検討してアメリカと衝突した極右、もとい孫崎享流にいえば「アメリカと戦った勇気ある政治家」(笑)だったが、朴槿恵は「ニューライト」と呼ばれる、「反共主義とは無縁で、韓国共産党の結成にも反対しない」、「オールドライトが資本育成を重視し、労働者の生活と権利を軽視したことにも批判的で、中産階級市民運動の育成を目指す」という立場の人のようで、李明博政権になってから悪化した南北関係の改善も期待されているという。こういう点をとっても極右の安倍晋三と比較したら失礼に当たるに違いない。日本では、安倍晋三の場合は祖父もA級戦犯容疑者だが、世襲政治家は概して親や祖父と比較して右翼化あるいは極右化する傾向が強い。

安倍晋三に関していえば、同じ保守の朴槿恵氏の当選で、少しは韓国を挑発する愚かな言動を抑えてもらいたいという程度の期待しかない。