kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

小沢一郎の本質は「権力闘争中毒患者」だ

昨日公開した きまぐれな日々 「日本未来の党」惨敗の原因は支離滅裂な経済政策にあり に、こんなコメントをいただいた*1

終わった政治家、小沢一郎
何をしたかったのかも分からないまま・・・


自分の理解不足もあると思いますが
同じような思いの人も多いと思います


kojitakenさんは
小沢さんの本質とは何だったのだと思いますか?

2013.01.16 00:51 ペコ


小沢一郎の本質は、「権力闘争中毒患者」の一語に尽きるでしょうね。そうとでも考えなければ、権力闘争に勝ったあと、自らが作った組織を壊す行動は理解できません。

三度の飯よりも政争が好き。だから、政権をとっても簡単に七党連立を壊しにかかったり(1994年の社会党排除)、鳩山由紀夫と揉めたあげく鳩山ともども党内反主流派に転落する(2010年の鳩山政権「投げ出し」)。後者は、「転落」というよりも、民主党主流派と政争をするためには反主流派の立場の方がやりやすいから、自ら好んで「下野」(みたいなものでしょう)したのだと思います。

そんな小沢だから、地元で起きた大震災よりも政局が第一。あの「雲隠れ」は東日本大震災と東電原発事故を奇貨として、菅政権打倒を目指したものにほかなりません。昨年の衆院選投票直前に、岩手3区で当選した黄川田徹(民主)のインタビュー記事が写真週刊誌に載りましたが、「雲隠れ」していた小沢が姿を現すや、黄川田を含む「一新会」の秘密会合を開いて、菅政権打倒の策を練っていたそうです。その会合では小沢は震災のことなど一言も言わなかったので、震災で多くの身内を失った黄川田は激怒したとのこと。それが、衆院選前の小沢からの離反につながったのでしょう。

菅内閣不信任案を自公に焚き付けたとき、東京新聞は「菅おろしに原発の影」と書きましたが、小沢が嘉田由紀子を担いで「日本未来の党」を立ち上げると、一転して「リベラルのとりで」と称賛しました。しかしこれらはいずれも誤りで、小沢一郎にとっては原発などどうでも良いのです。東電原発事故も、一昨年には「菅おろしに利用できるかもしれない事故」に過ぎなかったし、脱原発デモが盛り上がったあとの昨年には、「脱原発は選挙の集票に利用できる」と考えたに過ぎません。そんな「なんちゃって脱原発」の姿勢を有権者に見透かされました。

小沢が「国民の生活が第一」というスローガンを掲げ、社民主義的ともいえる政策を打ち出したのも、「小泉構造改革」のアンチテーゼとして、選挙の集票に利用できると考えたからで、この狙いは大当たりして2007年の参院選と2009年の衆院選における民主党大勝をもたらしました。しかし、小沢にとってはこれらの政策さえ「大道具、小道具」に過ぎなかったことは、「きまぐれな日々」の記事本文にも書いたように、2010年に上記社民主義的政策とは正反対の方向性を持つ河村たかし地域政党減税日本」立ち上げに小沢が協力したことから明らかです。その結果が、「入りは小さな政府、出は大きな政府」という小沢一郎の支離滅裂な経済政策(オザワノミクス?)でした。こんなものが信用されないのは当然で、前記の「なんちゃって脱原発」と対をなす「なんちゃって社民主義」といえるでしょう。

小沢一郎がやりたかったことは「権力闘争に勝つこと」、それだけです。勝率は決して高くありませんが、時として大勝もしました。小沢自身にとっても、やりたいことをやり尽くした政治生活ではなかったかと思います。

その小沢一郎がついに誰の目にも賞味期限切れが明らかになりました。「リベラル・左派の再生」は、「脱小沢」から始まるのかもしれません。