kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「トンでイスタンブール♪」とばかりに猪瀬直樹が自爆したようだが

猪瀬直樹イスラム差別・トルコ差別のトンデモ発言は、2020年のイスタンブール五輪への絶好の援護射撃になったようだ。

トンデモ「と知事」の妄動から私が思い浮かべたのは、「トンでイスターンブールゥ♪ 人の気持ちはシュール♪」という庄野真代のかつてのヒットソングだった。ネット検索をかけたら同案の先客がいて、こんなTwitterがあったらしい(URLは拾えなかった)。

atikimm: ♪翔んでイスタンブール じゃなくて とんでも知事故に、飛んだトーキョー招致。


調べてみると、歌詞には「おいでイスタンブール」というフレーズもあるらしい。そういえばそうだった。


私は東京五輪なんか潰れてしまえと常々思っているから猪瀬直樹トンデモ発言をしたらしいと知っても、またかと思って詳しく追おうとしなかったのだが、それは誤った姿勢だった。猪瀬はとんでもない差別発言をしていた。


猪瀬東京都知事のイスラム差別発言 トルコ・イスタンブールを侮辱してオリンピック招致は万事休す - Everyone says I love you !(2013年4月30日)より

(前略)New York Timesが猪瀬知事にインタビューを行い、2013年4月27日付け記事で公表しましたが、その中で猪瀬知事は、トルコ共和国イスタンブルイスタンブール)は開催地として東京に劣るという発言を行なっています。たとえば、猪瀬知事は高齢者が健康を維持できるよう、運動できることが日本社会のよさだと説明したうえで、

「トルコの人々も長生きしたいでしょう。長生きしたければ、日本のような文化をつくるべきだ。若い人は多いかもしれないが、早く死ぬようではあまり意味がない」

という内容の発言をしました。これは、オリンピック開催都市同士が互いを批判しないという招致活動ルール条項14に抵触します。IOC=国際オリンピック 委員会は29日に異例の声明を発表し、

「IOCとしてはすべての候補都市に対して招致活動に関連したルールを改めて強調したい」

として、招致活動に伴う行動規範を順守するよう各都市に対して改めて求めています。こんな基本的なことも知らないで招致活動していたことがまず恥ずかしい。さすが、横紙破りの維新の会公認都知事です。

 もう、これで、東京オリンピックはないと思った方がいいでしょう。最有力と言われた東京五輪をダメにしたのは猪瀬知事なのですから、政治生命をかけて東京五輪招致活動をしていたはずの彼は、それが確定したら当然辞職するのでしょうね。

 特に、イスラム教徒を全部敵に回す以下の発言は言語道断で、これ自体がヘイトスピーチになっています。

But Islamic countries, the only thing they share in common is Allah and they are fighting with each other, and they have classes.

拙訳:しかしイスラム諸国が共有しているのはアラーだけであり、お互いにいがみあっており、さらにそれらの国々には階級制度がある。


 あのね、他人の宗教をこんなに決めつけて批判したらダメでしょう。こんなこと言ったら、キリスト教は共有しているのはキリストだけだとか、日本は中国や韓国といがみ合っているとか、なんぼでも言えてしまいます。これでイスラム教国の多くの票も失いました。ひどいものです。

 なにより私が驚いたのは、よりによってトルコ共和国イスタンブールを批判するのに、イスラム教を持ってきたことです。イスタンブールは私も行ったことがありますが、ヨーロッパ大陸とアジア大陸がボスボラス海峡で出会って融合し、東ローマ帝国の文化とイスラム文化が溶け合う魅力が招致の大きなポイントになっている都市です。

 しかも、トルコ共和国の国民には様々な宗教があり、民族がおり、イスラム教徒が多いとはいえ確固とした政教分離で有名な国です。イスラム教が国教という国とはわけが違うのです。この国や都市をけなすのにイスラム教を持ってくるというのが、いやしくも作家出身の猪瀬氏が無知無教養なのを示しています。ま、石原氏も作家でしたからねえ。

 ロシアのバルチック艦隊を破って以来の親日国というトルコを反日にわざわざ追いやる発言。こんな教養も配慮もなく、偏見に満ちた首長が招致活動の中心にいたことが、日本のオリンピック招致の不幸です。これからまだ巨額で無駄な運動費用をかけるより、潔く非を認めて、開催都市への立候補から降りるべきでしょう。

 いや、安倍・石原・猪瀬・橋下氏らを選んでいる我々日本人はこれを機会に、自らの無知と差別意識を洗いなおすべきなのです。そういう意味では必要なことが必要な時に起こったと言えそうです。


あまりに日常茶飯事になってしまったとはいえそれに慣れてしまうことなく、安倍晋三石原慎太郎猪瀬直樹、それに橋下らのトンデモ発言には素早く反応し、これを撃たねばならないところだった。自らの怠惰を恥じる次第である。