kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

海外の報道は橋下の妄言を安倍晋三の歴史修正主義と関連づけている

国内では安倍晋三菅義偉稲田朋美(笑)も下村博文(笑)も産経(笑)も橋下徹をトカゲの尻尾切りの対象にしようとしているし、日本維新の怪の内部でも橋下を共同代表から下ろせという声が出ているようだ。これで、さすがは自民党と思っておられる方も少なくなかろうかと思う。たとえば、きまぐれな日々 安倍と橋下が企んだ憲法96条先行改定の状況は一変したが(2013年5月13日)*1にこんなコメントをいただいた。


http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1302.html#comment16445

一連の歴史問題騒ぎは、危機管理のお手本かと皮肉りたくなるくらいの素早い収拾ぶりと、自民党らしからぬ(?)「言論統制ぶり」で苦笑しましたが、今回積極的に動いた官房長官や幹事長のような人を、首相が参院選後に「うっとおしい」と考えて遠ざけたりするかどうかが、この政権が長く続くかの試金石になる気がします。あと高村副総裁とかもね。たとえば、高市早苗なんかが官房長官、幹事長だったらもっと厄介なことになっていたでしょう。それにしてもその後にあの橋下発言が出てくるあたり、政権も悪運が強いというかなんというか。

2013.05.15 15:40 串間


穏健な保守派の方の典型的な感想だろうと思うが、菅義偉の対応で一件落着と考えるのは甘いと思う。というのは、海外メディアの報道の大半は、単に橋下の妄言を批判するにとどまらず、橋下の妄言を安倍晋三歴史認識問題と関連づけているからだ。

たった今知ったばかりだが、毎日新聞の和田浩明記者がネット上で橋下の妄言に関する膨大な量の海外の報道にリンクを張ってまとめている。
橋下大阪市長の「慰安婦は必要だった」発言に関する海外報道まとめ - Togetter


その大半に安倍晋三への言及が含まれている。"Abe" の名前が出てこない記事も、米軍系の "Stars and Stripes"*2新華社通信*3、CNN*4など若干は見られるけれども、多くの記事は、橋下の妄言を安倍晋三歴史認識問題から派生した流れとして位置づけているのである。

つまり、菅義偉がどう取りろおうと、安倍晋三歴史認識そのものが国際社会における日本にとって多大なリスクになっている。しかも、安倍晋三はちょっと政権の支持率が上向いて気を良くすると、決まって「地」である歴史修正主義をむき出しにした発言をするのである。安倍晋三が先般の憲法96条改正問題に関するアメリカ政府筋からの批判や今回の橋下妄言問題に懲りて今後「安倍カラー」を抑えて自重するというのは、根拠のない楽観論としか言いようがない。「安倍カラー」を抑えつけられた安倍晋三が、参院選には大勝するだろうが、またもやストレスを溜め込んで自滅するというのがもっとも蓋然性の高い予想である。日本国内の右傾化した世論が当たり前だと思っている人たちにはなかなかそうは思えないのかもしれないが。


ところが、上記和田記者のまとめにも、こんな「はてブコメント」*5がついている。上記『きまぐれな日々』にいただいた「串間」さんのコメントと同様、根拠のない楽観論と言わざるを得ない。

natumeuashi 政治 第二次安倍内閣は発足のタイミングといい、アベノミクスアメリカの景気回復のタイミングといい、非常に時の運に恵まれた印象があるが、今回の件で自身の歴史認識についての危機も回避できそう。おそるべき強運。 2013/05/15


『きまぐれな日々』にいただいた下記のコメントも、「根拠のない楽観論」の一例だろう。

http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1302.html#comment16432

>しかし、その先3年間国政選挙を行わなくても良い時期に、安倍晋三が「安倍カラー」、つまり歴史修正主義を大々的に打ち出して極右政治を行えるかどうかは怪しくなってきた。そうなると、安倍政権は第1次内閣の時と同様どこかで自壊するのではないかと思われるのだが


ちょっと何言ってるかわかりません。
唯一の不安要素である安倍カラーが封じられると安倍政権は安定長期化に向かうと考えるのが普通では。

2013.05.13 23:01 モドリッチ


また、こんなコメントもいただいている。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1302.html#comment16435

参院選後も穏健路線なら、むしろ政権は長持ちするのでは。世論はもとより党内極右派も、穏健路線に不満で安倍下ろしをするとかいうのは考えにくい。むしろ、右翼路線で外交的に行き詰まった場合に、党内穏健派から総裁選の対抗馬が出るとかいうほうがありうる。中韓との関係改善も結局参院選に勝って長期政権が濃厚となった後でしょうが、一般論としてはそれは政権にとって追い風でしょうし米国も歓迎するでしょう。

まあ日本の保守政治家が本質的に親米なのか、米国は日本の「自主」路線をどこまで容認するのか、というのは大変重要な論点だと思います。今のところは、保守派の目指す政治大国化・外交的地位の回復が日米同盟の枠内で可能と考えるので、うまくいってますけど、たとえば日朝首脳会談なんかは、日本の「自主」の動きかと、米国は凄く神経を尖らせたわけですしね。また、鳩山政権の一連の外交がいかに稚拙な空想的火遊びであったとしても、同種の不安はあったはずです。

日本が中国、北朝鮮、ロシア、中東などを睨んで外交的な自由度を増したいといった動きと、日米同盟の摩擦というのは、中期的には色々起きてくるでしょう。

2013.05.14 00:37 Yoshiwara


こちらはもう少し考えさせられるコメントだが、「参院選後も穏健路線なら」という書き出しからは、現在の安倍晋三があたかも「穏健路線」をとっているかのようなニュアンスが感じられ、首を傾げざるを得ない。橋下の妄言に関する海外の報道にも見られるように、安倍晋三歴史修正主義や極右路線は、何も中韓にとどまらず欧米などからも強い警戒心を持たれていることは明白だ。

安倍晋三が総理大臣の座にいること自体が、日本にとって最大のリスクである。