kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

安倍政権、派遣労働拡大に逆戻り。やはり自民党こそ「新自由主義の権化」だった(呆)

昨日の朝は寝坊して時間がなかったので小沢関連ネタで逃げてしまったが、本来取り上げるべきは、朝日新聞(8/21)の1面トップを飾ったこのニュースだった。


http://www.asahi.com/business/update/0820/TKY201308200373.html

派遣労働、拡大を提言 業務別の制限撤廃へ 厚労省報告


 派遣労働の見直しを議論する厚生労働省の研究会(座長・鎌田耕一東洋大教授)は20日、派遣労働者にずっと任せていい仕事を限っていた規制を緩め、どんな仕事でも企業がずっと派遣に任せられるようにする最終報告をまとめた。実現すれば、人件費が高い正社員の仕事を派遣に置きかえる動きが進む可能性がある。

 最終報告の狙いは、企業がより多くの仕事を派遣に任せられるようにすることだ。「世界で一番企業が活動しやすい国」を掲げる安倍政権は、労働者派遣法の改正を成長戦略に明記した。厚労省は、報告書をもとに労働政策審議会で法改正の論点を詰め、年明けの通常国会で改正を目指す。

 いまは、ずっと派遣に仕事を任せていいのは「通訳」など26の専門業務だけで、ほかの業務は最長で3年だ。最終報告は、派遣先の企業が労使で合意すれば、働く人を最長3年で交代させることを条件に、どんな仕事でもずっと派遣に働いてもらえるとした。派遣元の企業と無期契約を結ぶ派遣労働者なら、どんな仕事でも無条件にずっと派遣として受け入れられるようにする。

朝日新聞デジタル 2013年8月21日1時14分)


何とも呆れ返るばかりのニュースだが、あのワタミ(渡邉美樹)を総理・総裁である安倍晋三じきじきのお声がけで比例代表の候補者に擁立した先の参院選有権者自民党を圧勝させた以上、こういう事態になるのは目に見えていた。

思えば民主党政権時代、新自由主義には抵抗を感じながらも自民党寄りのスタンスを捨てきれない人たちから、よく「新自由主義の本家本元は(自民党ではなく)民主党だ」という言説が聞かれたものだ。確かに現民主党結党時の1998年当時には、当時の流行もあって民主党新自由主義色が相当強い政党ではあった。でも、新自由主義の(日本における)本家本元というなら、それは自民党以外にはあり得ないだろ。そうずっと思っていた。

保守本流」の勢いがずっと続いていたならまだしも*1、1996年の橋本龍太郎内閣成立、2000年の清和会(森喜朗)への「党内政権交代」、2001年の小泉純一郎内閣成立と続いた間、自民党の経済政策がどう変化していったかは明らかだろう。そう、新自由主義の本家本元は民主党なんかじゃなくて自民党だったのだ。

それを余すところなく明らかにしたのが、今回の「派遣労働の拡大への再転換」の一件だろう。「再転換」というのは、民主党政権時代に一度ブレーキがかかったという意味である。あのひどかった民主党政権でさえ、ある程度は新自由主義の奔流にストップをかけようとした。それがかなわず政権再交代したあと、最大のハードルであった参院選を楽々クリアしたと思ったら、さっそく自民党安倍政権はこんな悪逆非道な政策を打ち出してきた。露骨な逆戻りであり、徹底した新自由主義化の推進だ。

新自由主義に批判的、ないし懐疑的」でありながら自民党支持に走った人たちを強く非難するとともに、猛省を求めたい。

*1:いや、その「保守本流」だって筋金入りの「小さな政府」指向の政治勢力であり続けたのだが。