kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

安倍晋三とNHKと「四季の会」と

http://mainichi.jp/shimen/news/20131114dde012010057000c.html より

特集ワイド:安倍政権のNHKでいいの? 経営委員会、「お友だち」人事に批判


 ◇政治家としての品格の問題 製作現場の萎縮を懸念

 「みなさまのNHK」が「安倍政権のNHK」に染まってしまう……そんなことがあるのだろうか。NHKの最高意思決定機関、経営委員会に4人の委員が新たに決まった。いずれも安倍晋三首相と近い関係の人物とされる。「NHKと政治」の問題点を考えてみた。【江畑佳明】

 政府がNHK経営委員の同意人事案を衆参両院に提示した先月25日。菅義偉官房長官は定例記者会見で「首相に近い人をあえて選んだのか」と問われ、「自らが信頼し評価する方にお願いするのはある意味では当然」と語り、「お友達人事」を半ば認めた。人事案は8日の衆参本会議で賛成多数で同意され、新体制が決まった。

 作家の百田尚樹氏は昨秋、月刊誌「WiLL」の対談で安倍氏と意気投合した。安倍首相も百田作品のファンで、総裁選の応援に「本当に勇気づけられた」と感謝している。百田氏は自身のツイッターで「他国が日本に攻めてきたら、9条教の信者を前線に送り出す」などと述べ、物議を醸したこともある。

 長谷川三千子氏も熱心な首相支持者だ。9月に最高裁が出した民法の非嫡出子相続規定についての違憲判決に対し、産経新聞への寄稿で「国連のふり回す平等原理主義、『個人』至上主義の前に思考停止に陥った日本の司法の姿を見る思いがします」と批判。持論を展開した。このほかJT顧問の本田勝彦氏は安倍首相の元家庭教師で、首相を囲む経済人が集う「四季の会」メンバー。また中島尚正氏が校長を務める海陽中等教育学校は、四季の会主力メンバー、JR東海葛西敬之会長が設立に尽力した。

(中略)

 安倍首相とNHKの間には因縁がある。いわゆる番組改変問題だ。2001年1月、従軍慰安婦についての番組放送前に、NHK幹部が安倍首相(当時は官房副長官)と面会したとされ、取材に協力した市民団体が「政治家の介入で番組が改変された」とNHKなどを相手取り提訴した。

 武蔵大の永田浩三教授(テレビジャーナリズム論)は「放送法は経営委員について『公共の福祉に関し公正な判断』ができる人物と定めているのに、今回はあまりに露骨な人事。安倍首相の『NHKの勝手は許さない』という姿勢を感じる」と語る。永田さんは慰安婦を取り上げた番組の統括プロデューサーだった。以後、製作現場を追われ09年に退職した。「NHK幹部が安倍氏らに『公正中立な立場で報道すべきだ』と指摘され、その直後に番組の内容が変更されたのは東京高裁判決で認められた事実。政府の高官が『公正にやってくれ』と求めること自体、NHKには圧力となった」と話す。

 放送法は、経営委員が個別の番組編集に介入することを禁じている。しかし07年6月まで2期6年間経営委員を務めた小林緑・国立音楽大名誉教授は「経営委員会は最高意思決定機関で、年間予算や事業計画など重要事項を議決する役割があるが、委員がNHKの番組の大きな方向性や、あり方に言及することはできるはずだ」と指摘する。つまり、安倍首相の意向をくんだ経営委員が報道や番組製作側に影響を与える可能性がある。

 さらに今回の経営委員人事は、来年1月に任期が切れる現在の松本正之会長を交代させたい首相側の布石だ、という見方が強い。会長は経営委員が選出し、12人中9人の賛成が必要。松本会長が続投を希望しても4人が反対すれば否決される。言うまでもなく、経営方針や番組内容は、組織トップの会長の姿勢によるところが大きい。首相の「お友達」や考えの近い会長が誕生すれば、原発歴史認識問題など、政権が知られたくない情報や番組が発信されにくくなるのだろうか。

 永田さんによると、番組の製作現場からはすでに不安の声が出始めているという。「今回の経営委員人事の次に来るのは、会長の人事。もし政権の意向をそんたくするような人物が会長になれば、良心的な番組や地道な調査報道が冷遇され、さらには排除されるかもしれない。そういう恐怖感が広がっています」

 上智大の田島泰彦教授(メディア法)は、会長人事に直結する経営委員人事の根底には、特定秘密保護法案と共通する考えが横たわっていると指摘する。

 「1980年代の国家秘密法の提案以降、自民党政権には外交と防衛情報に加え、治安に関する情報を制限しようという流れがあり、安倍政権もその延長にあります。自ら提出した特定秘密保護法案の内容からわかるように、安倍政権は『国の情報は国民のもので、国民には知る権利がある』という認識が薄い。むしろ、国民を重要な情報から遠ざけようとする。経営委員や会長に身内を送り込む人事には、この考えが表れています」

 元経営委員の小林さんは「今後は新委員の発言内容を注視しなければならない」と警告する。「安倍首相のNHK」だけは避けねばならない。

毎日新聞 2013年11月14日 東京夕刊

長々と引用したが、ネトウヨが総理大臣になったに等しい安倍晋三に「政治家としての品格」を求めるのはないものねだりもいいところだし、とっくの昔に「安倍晋三NHK」に成り下がっているのに今更何を、と思う。


ところで、
はてなブックマーク - 特集ワイド:安倍政権のNHKでいいの? 経営委員会、「お友だち」人事に批判- 毎日jp(毎日新聞) より、

id:mani023 「四季の会」ってなんだろう?気になる。 2013/11/15

とのことなので調べてみた。といっても、「四季の会 安倍晋三」でググっただけである。


NHKの乗っ取り/安倍晋三と「四季の会」/古森/福地/BBC - pick-up(2007年12月26日)

TBSラジオ(2007年12月26日)「ニュ−スさかさ眼鏡」よりピックアップ:

評論家の松田浩小西克哉が聞く。

本質は政権最右翼である自民党安倍派によるNHKの乗っ取りであると思う。古森委員長は安倍さんをとりまく「四季の会」のメンバー。古森さんは、安倍さんと須賀総務大臣NHK経営委員長に送り込まれた。

古森さんは、福地さんは「四季の会」のメンバーではないと言っているが、12月21日産経新聞のトップに福地さんも「四季の会」のメンバーと書かれている。あわててやめたのかも知らないが、政治的バックをもった人選だ。やり方が強引。

イギリスのBBCの中心にあるのは権力からの独立なんです。


(by pick-up)安倍晋三が、かつて慰安婦問題でNHKに干渉したことは、『月刊現代』(2005年9月)に魚住昭がレポートしている。安倍晋三が総理大臣職を放り出したのは不幸中の幸いだったが、流れ自体は続いている。


http://www.geocities.jp/jrtoukairou/news/1533.pdf‎

『選択』2011年3月号は、NHK新会長をめぐる騒動で「四季の会」が暗躍した、と報道しました。「四季の会」とは、安倍晋三氏を支援する組織で、JR東海葛西会長が代表を務めています。葛西代表の鶴の一声でJR東海松本副会長がNHK会長となったというのです。
問題は、民間の一政治的グループが、公共放送の人事に介入しだけにはとどまりません。かつて安倍晋三氏はNHK番組への介入で、言論弾圧・封殺の問題となりました。
その番組とは「戦争をどう裁くか(2)問われる戦時性暴力」(2001年1月30日放送)で、安倍晋三内閣官房副長官(当時)らが事前に介入し番組の内容が大きく変更されたと告発されています。『しんぶん赤旗』によると、放送日前日、安倍氏と面会したNHK幹部の指示で、44分ものが43分に、最終的には40分に修正されたというのです。
修正された内容とは、(1)「女性国際戦犯法廷」が、日本軍による強姦や慰安婦制度が「人道に対する罪」を構成すると認定し、日本国と昭和天皇に責任があるとした部分を全面的にカット。(2)スタジオの出演者であるカルフォルニア大学の米山リサ準教授の話を数ヶ所でカット。(3)「女性国際戦犯法廷」に反対の立場をとる日本大学秦郁彦教授のインタビューを大幅に追加。(4)中国人被害者の紹介と証言のカット。(5)東チモール慰安所の紹介と、元慰安婦の証言のカット。(6)自らが体験した慰安所や強姦についての元日本軍兵士の証言のカット、というものです。
大の戦争好き・大の中国嫌いの葛西会長なら、このような番組放映は許されないでしょう。私たちは、NHK松本新会長により、歴史の事実を隠蔽し、反戦平和運動を弾圧・封殺し、新たなる戦時体制を目論まれていると、危惧せざるを得ません。

JR東海労ニュース 2011年3月7日)


安倍氏を後押しする経済ブレーン - ライブドアニュース(2012年11月29日)

財界が後押しする“安倍総理” 経済ブレーンの面々


 政治の世界は、一寸先は闇といわれるが、経済界は早くも安倍晋三・総理誕生に向けて走り出した。

「誰かの受け売り、もっと言うなら素人」(自民党のベテラン議員)。

 安倍・自民党総裁は、経済問題について確たる主張を持っているわけではない。安倍政権が発足すれば経済は専門家に任せることになる。そこで経済ブレーンとなるのが「四季の会」の面々と親しいといわれている学者たちだ。

「四季の会」は葛西敬之東海旅客鉄道JR東海)会長が幹事役を務める財界人の集まり。前回、安倍氏が政権を投げ出した後も元首相を励まし続け、「再登板」を働きかけてきた。

 葛西氏が東大法学部で机を並べ親友だった与謝野馨氏に「若手の有望株を呼んで勉強会をやろう」と持ちかけ、与謝野氏が当時、官房副長官だった安倍氏を引き合わせたのが始まり。2000年に「四季の会」は発足した。

 葛西氏が集めた人物は、次代の経済界を担う社長候補たち。東京電力勝俣恒久氏、新日本製鐵(現・新日鐵住金)の三村明夫氏、三菱重工業の社長に就いたばかりの西岡喬氏など、財界本流の人々だった。

 前回の安倍政権時には、この四季の会のメンバーが重用された。

 当時、安倍首相の強い意向が働き、NHKの経営委員長には富士フィルムホールディングスの古森重隆社長(当時、現会長)が選ばれた。古森氏も四季の会の主要メンバーだ。

 古森経営委員長がNHKの会長に任命したアサヒビール(現・アサヒグループホールディングス)の福地茂雄・相談役も四季の会のメンバー。その後、福地会長の後任として11年1月にNHK会長に就いた松本正之氏は、JR東海の元副会長で葛西氏の部下。松本氏を推薦したのは前経営委員長の古森氏だったといわれている。

 これらのNHKトップ人事は、四季の会メンバーによるたらい回しだ、と酷評された。

 そのほか、取材する側のテレビの女性記者との“ピンクスキャンダル”で写真週刊誌を賑わした齋藤宏・元みずほコーポレート銀行頭取も「四季の会」のメンバーだ。

 安倍応援団はほかにもいる。葛西氏などが発起人となっている別の集まりには、三菱東京UFJ銀行畔柳信雄・相談役や三菱商事小島順彦・会長、日立製作所の中西宏明・社長らが参加している。

 安倍氏の経済人人脈と言えば、ウシオ電機牛尾治朗会長がよく上げられる。牛尾氏の長女が安倍氏の兄嫁だ。先の首相の在任時に、閣僚人事について相談したという逸話が残っている。ただ、牛尾氏と葛西氏は水と油。牛尾氏は小泉政権下で経済財政諮問会議の民間議員として、規制緩和を推進した改革派、一方の葛西氏は新自由主義が大嫌いな保守本流なのだが……。

 最後に学者の顔ぶれを紹介しておく。国家理念に関しては中西輝政京都大学名誉教授が古くからのブレーンだ。

 安倍・自民党総裁が突然、「日本銀行白川方明総裁)による建設国債の引き受け」を主張したことで高橋洋一嘉悦大学教授が経済政策のブレーンであることが分かった。元財務官僚(大蔵省OB)で、前回の安倍内閣で06年から2年間、内閣参事官を務めた。インフレターゲット論者の伊藤隆敏・東大公共政策大学院院長も安倍政権ができれば、有力なブレーンになるだろう。

 PHP研究所から『安倍晋三対論集―日本を語る』が出版されている。カルロス・ゴーン日産自動車社長)、葛西敬之中西輝政佐々淳行宮内義彦オリックス会長兼CEO)の各氏などと対談している。これも何かのヒントになるかもしれない。
(文=編集部)

(ビジネスジャーナル 2012年11月29日07時00分)


「四季の会」とは、与謝野馨の肝煎りで作られた安倍晋三の後援会ということで、ひところ話題になった「安晋会」(安倍晋三の非公式後援会)の「表」バージョンといったところだろうか。

それにしても呆れるのは、安倍晋三小泉内閣官房副長官時代に起こした「NHK番組改変事件」以来、総理大臣の職を自ら投げ出してくすぶっていたかに思われていた間も一貫して、NHKの支配に強い執念を燃やしていたことだ。なにしろ、NHK会長の選考の度に、自らの息のかかった人間をNHK会長に押し込み続けてきたのである。上記に引用した3件の記事は、2007年12月から2012年11月、つまり第1次と第2次の安倍内閣の間の期間に書かれたものである。安倍晋三の恐るべき執念を感じさせる。

悪名高い百田尚樹らをNHK経営委員に送り込んだ今回の人事は、日本でもっとも影響力の強いメディアであると言っても過言ではないNHKを支配するという、安倍晋三の野望を完成する最終段階に位置づけられてしかるべきだろう。

それを今頃になって

「安倍首相のNHK」だけは避けねばならない。

などと書く毎日新聞は、おめでたいにも程があるというものだ。